スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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59話・フィアンマ

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 準備後は、フィア婆様の神への感謝の祈りの後、昼食が始まった。
 子供たちだけでなく、フィア婆様やシビルさんたちも美味しそうに食べてくれたので、作ったかいがあった。
 その光景を見て、俺たちも食べ始める。
 かなりの量を用意したと思ったが、食べ盛りの子供たちのおかわりに勝てず、あっという間になくなってしまった。
 子供たちは、おかわりして満腹になったのか、小さい子から順に1人また1人と眠たそうにしていたので、俺とシビルさんで子供たちを別室に運ぶ事になり、シェーンとフィア婆様が、皿の片付けをする事になった。
 子供たちの移動を終えたので、シェーンたちの手伝いにむかう。シビルさんは、そのまま部屋に残った。

「何か手伝う事はあるか?」

「せ… セウンさん!! こちらも、そろそろ終わりますので大丈夫です!! ゆっくり、座っていて下さい!!」

 俺が突然現れたのに、ビックリしたのか早口でまくしたてる。

「そ… そうか。なら、さっきの部屋で座っているから、何かあったら呼んでくれ」

「はい!!」

 俺は、厨房を出て、先ほどの部屋で待っておく。
 少しして、フィア婆様だけがやって来た。

「休んでるかい、セウン?」

「はい」

 フィア婆様はそう尋ねながら、俺の俺の前の席に座る。

「そういえば、シェーンから聞いたんだけど、セウンあんた、神殿騎士のカヴァリエたちと模擬戦して勝ったって?」

「まぁ、いちおう勝ちましたね」

「そうかいそうかい… なぁ、セウン。食後の運動変わりに私とも模擬戦しないかい?」

「…フィア婆様とですか?」

「そうだよ。ダメかい?」

 確かに、あのお肉を刈ったのが、フィア婆様なら模擬戦するのもいいけど、少し心配だ。
 まぁ、でも始まってすぐに眠らせば問題ないか…

「分かりました。やらせて頂きます」

「やっぱり、セウンは話が分かるねぇ。それじゃあ、外に出ようか」

 俺とフィア婆様。それに、丁度戻ってきたシェーンと共に外に出る。シェーンには、審判役を任せる。
 外に出ると、少しの距離をあけフィア婆様と対面になる。

「それじゃあ、シェーン。悪いけど、開始の合図をお願い」

「分かりました。では、始め!!」

 シェーンの開始の合図と共に、

眠れスリープ

 速攻で、決めにかかる。
 正直、これで終わったかと思ったが、フィア婆様は、眠らずに、その場から急に消えた。

「!?」

 かと思ったら、すぐ真後ろで反応があったので振り返ると、フィア婆様の右ストレートが目の前に迫っていた。俺は、ギリギリの所で、咄嗟に後ろへ飛び退いた。
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