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58話・昼食

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 俺は、シェーンの後に続き、昼食を作るため、厨房へとむかう。

「へぇ、ちゃんとした設備があるんだな」

 思っていたよりも、しっかりしていたので思わず声に出てしまった。

「フィアンマ様のお陰です」

「どういう事だ?」

 俺は、理由を尋ねるとシェーンが答えてくれる。
 何でも、フィア婆様が余生を過ごす場所との事で、様々な所から、お金が集まったそうだ。最初は、そのお金を受け取らなかったみたいだが、子供の為と言われて、フィア婆様が折れたそうだ。ただ、集まったお金の半額を他の院らに寄付するのを条件につけたそうだ。
 見た目は、優しそうな婆ちゃんなのに、ギャップが強いよ。

「そ… それじゃあ、昼食を作ろうか」

「はい!!」

 理由も分かったので、昼食作りに取りかかる。
 アイテムボックスから、買っておいた食材を取り出す。買っている最中野菜ばっかりだなと思っていたが、今理由が分かったような気がする。

「なら、シェーンは、野菜の皮むきをお願いしてもいいか?」

「はい、任せて下さい!!」

 シェーンが皮むきに取りかかったのを確認してから、俺は、フィア婆様から預かったお肉を袋から取り出す。
 取り出したのはいいが、お肉に詳しい訳ではないので、何のお肉か今一ピンと来ないので、モノクルを取り出し、お肉を調べる事から始める。
 調べた結果、全て様々なモンスターのお肉だった。
 たぶん、草原か森林ダンジョンのモンスターだろう。
 今日は、シチュー系を作る予定だがら、

「この鶏肉もどきでいいか」

 使うお肉も決まったので、早速調理に取りかかる。
 お肉の下ごしらえをしている間に、皮むきの終わったシェーンに、今度は野菜を一口大に切って貰う。
 その後は、炒めたり、煮込んだりする。
 煮込んでいる時に、腹ペコ調査団の何人かがやって来て、こっそりとステーキを希望したので、煮込みをシェーンに任せて、ステーキを焼いたりもした。

「よし、完成だな」

「はい、完成です!!」

 シチューもステーキも用意できたので、どこに運べばいいか尋ねる前に、きれいに横一列に並んだ、腹ペコ調査団がいた。何気に、フィア婆様も並んでいた事に驚いた。

「悪いねぇ。いい匂いで、待ってられなくなってね」

「大丈夫ですよ。それじゃあ、一緒に運んでくれますか?」

「任せて頂戴。各自、手洗いをした後、お皿を運びなさい!!」

「「「「はい!!」」」」

 フィア婆様の指示で、子供たちは、手洗いをした後、皿を持っていく。俺も、寸胴を持ち、子供たちについていく。シェーンにシチューを注いで貰っている間に、俺は買っておいたパンを準備しておく。
 準備後は、フィア婆様の神への感謝の祈りの後、昼食が始まった。
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