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56話・孤児院へ

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 教会での用を終わらせたシェーンと孤児院へむかう。
 まぁ、むかうと言っても、孤児院は、すぐ近くにあるみたいだ。
 孤児院に、到着すると庭で子供たちが走り回っていた。シェーンに連れられ、中へと入ると走り回っていた子供たちに見つかる。

「「「あ、シェーン姉ちゃんだ!!」」」

 シェーンのもとへと子供たちが集まる。

「あ!! シェーン姉ちゃんが男連れてきてる!!」

「本当だ!!」 「お兄ちゃん誰?」

 集まった子供の1人が俺に気づき、今度は俺の周りに集まり出す。無邪気な子供を邪険に扱うことも出来ず、一応、名前を告げ、シェーンと共に子供たちを引き連れ、進んでいく。
 子供たちの声に気づいたのか、建物の中から、誰か出てくる。

「シビルさん。お疲れ様です。今日はお邪魔させて貰ってます」

「お疲れ様です、シェーン様。帰ってこられてたんですね。はい、大丈夫です」

「あ、セウンさん。この方は、シビルさんと言って、ここの孤児院で働いてくれている人です」

 若いから、院長さんではないとは思ったけど、お手伝いさんだったか。

「そうなんですね。私は、冒険者のセウンと言います。今日は、シェーンのお手伝いをしに来ました」

「これはご丁寧にありがとうございます。私は、ここで働いているシビルと言います。それは、助かります」

 シビルさんとの挨拶を済ませると、シェーンがシビルさんにある事を尋ねる。

「それで、シビルさん。フィアンマ様は、いらっしゃいますか?」

「フィアンマ様は、食料の調達に行かれております…」

 あらら、行き違いになってしまったか。

「…そうですか。いつものですか?」

「…はい」

 ん、何だか少し様子が可笑しいような…

「なぁ、シェーンいつもの…」

 いつものって何の事だと聞こうとした所で、

「「「院長先生が帰ってきた!!」」」

 周りにいた子供たちが、騒ぎ出し俺たちが入って来た方へ走っていく。
 俺は、子供たちが走っていった方を見てみると、老齢の女性が子供たちに囲われていた。
 手には、かなり大きな袋を抱えていた。中身が何か分からなかったけど、老齢の女性は、子供たちのリクエストに答え袋を広げ、中身を見せていたので、俺も袋の中身を知る事が出来た。

「なぁ、シェーン?」

「はい、何でしょうか、セウンさん」

「あの方は、フィアンマ様とやらで間違いないか?」

「はい、間違いありません。あの方が正真正銘、ここの院長であるフィアンマ様です」

「なら、あれって買ったんだよな?」

 俺がそう尋ねると、シェーンは首を振り、

「あれはたぶん、フィアンマ様が、狩ったんだと思います」

 そう答えてくれる。
 俺は、ニュアンスの違いで察した。

「なる程な…」

 だから、2人の様子が少し可笑しかったのか。
 そう思っていると、子供たちと笑いながら、かなりの肉の塊が入った袋を持ったフィアンマ様が歩いてきた。
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