スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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54話・ひと段落

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 一刀で斬り伏せ、サラマンダーは、雄叫びをあげる暇もなく、霧散していった。
 霧散したのを確認した後、刀を確認する。

「よし、溶けてないな」

 一応、耐性系の覚醒をしたが、少し心配だったから、良かった。能力向上などを解除し、シェーンたちの元へ戻る。だけど、能力向上を8倍も上げていたせいか、いつにも増して、体がだるく感じる為、刀をアイテムボックスに入れると同時に、ポーションを取り出し、飲みながら戻った。
 カヴァリエは、腰でも抜かしたのか、それとも投げた時の打ち所が悪かったのか、座り込んだままだった。後者だと俺が悪いので、一応手を差しのべておく。

「大丈夫か?」

「あぁ、すまない。大丈夫だ」

 カヴァリエは普通に手をとったので、腕に力を込め立たせる。
 立たせたカヴァリエに、

「そうか、それは良かった。それで、俺の実力は証明できたか?」

 先ほど聞けなかった事を尋ねてみる。

「あぁ、それは十分だ。私の攻撃を片手で受け止めるだけでなく、いくら暴走状態とはいえ、中位精霊を一撃で倒してみせたんだからな」

「それなんだが、普通にあの精霊を倒したんだが、大丈夫なのか?」

 事前に許可的なものをとっていたとはいえ、気になったので聞いてみる。

「それは、大丈夫だ。先程のサラマンダーは、私の魔力で作り出した疑似体だからな。それを倒されても、サラマンダー自体が死ぬ訳ではないから、問題ない」

「そうか、それを聞いて安心し…「ストップ!!」…シェーンどうした?」

「シェーン様、どうかされましたか?」

 話の途中で、シェーンが割り込んできた。
 後ろには、ニタニタ顔のスタッフさんと1名を除く神殿騎士が控えていた。

「そ… それは、もう離してもいいんじゃないですか?」

「「それ?」」

 俺たちは、シェーンの指差す方をみる。

「あぁ、悪いな、カヴァリエ」

 どうやら、手を持ったままだったようで、一言謝り、手を離す。

「わ… 私こそ、すまない!!」

 両手をブンブンと音がするほど激しく振りながら、後ずさっていく。
 その後は、ニタニタ顔のスタッフさんに、少しイラっと来た俺が1発お見舞いしたり、避難した冒険者に話を聞いてきたリセさんたちに事情を説明したり(主にスタッフさんだけどな)、ようやく目を覚ました若い神殿騎士が再び俺に攻撃してきやがったので、今度も容赦なく顔面に攻撃しもう一度気絶させたり、壊れた武器を調達したいと言っていたカヴァリエたちに、ガルさんの所の鍛冶屋を教えてやったりと色々あったが、やっとシェーンの頼み事に取りかかれるようになった。
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