スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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43話・試作品

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 俺は、更にアダマンタイトの延べ棒を取り出し、台の上に次々置いていく。

「おまっ、ちょ待てよ!!」

 それをみたガルさんが、慌てすぎて、どこぞの誰かのセリフを言ってきた。

「どうかしましたか?」

「いやいやいやいや、"どうかしましたか?"じゃねぇよ!! お… お前、その延べ棒って…」

「これですか? アダマンタイトの延べ棒ですよ」

「や… やっぱりそうなのか…」

「はい、そうですよ」

「そ… そんな量のアダマント、いったい、どうしたんだ?」

「?」

 …あぁ、ゴーレムを倒した事は伝えたけど、どんなゴーレムかまでは、言ってなかったっけ。

「そう言えば、さっき倒したっていったゴーレム何ですけど、アダマントゴーレムなんです。」

「あだまんたいとごーれむ?」

「はい、アダマンタイトゴーレムです」

「マジかよ。はぁ… お前が、すげぇのは良く分かった。そんで、そいつもくれると?」

「はい、どうぞ。その代わりと言っては何ですけど、これでも、刀を造って貰ってもいいですか?」

「はぁ… 任せておけ、と言いたい所だが、少し問題がある」

「問題ですか?」

「あぁ… アダマンタイトなんだが、中々お目にかかれるもんじゃなくてな… 俺でもどう扱っていいか、分からないから、手探りでやっていくしかない…」

「時間や素材が、必要という事ですか?」

「まぁ、そんなもんだ…」

「それなら、大丈夫ですよ。急いでいる訳ではないですから。素材も、かなりの量確保出来てますから」

「そうか… 分かった。そこまで、言うなら最高の一品を造り出してみせるよ!!」

「はい、お願いします」

 渡す物も渡したので、挨拶してから後にしようかと思ったが、

「あ、そうだ。ちょっと、待ってろ」

 ガルさんは、そう言って奥へ引っ込むが、すぐに、戻ってきた。手には、刀らしき物が、握られていた。

「ほら、こいつを持っていきな」

 手渡された刀を受け取る。

「もう、出来たんですか?」

「試作品だがな…」

「抜いてもいいですか?」

「あぁ、いいぞ」

 俺は、鞘から刀を抜いてみる。

「どうだ? 一応、それらしき物は造れたんだが、何となく、しっくりこねぇんだよな…」

 ガルさんは、そう言う。
 俺も、実物を見るのは、始めてだけど、

「そうなんですか? 凄いと思いますけど」

「そうか。まぁ、1度使ってみて、後で感想でも教えてくれや」

「分かりました」

 今日は、予定があるから、明日使ってみよう。

「それで、この刀の値段はいくらですか?」

「ん? あぁ、タダでいいぞ!!」

「え!!」

 まさかのタダ宣言に驚く。

「でも、そう言う訳には…」

 いかないと言いきる前に、

「いや、こんな物まで貰って、金を受け取れる分けねぇだろ?」

 ガルさんは、手に持った鎚をみせながらそう言ってくる。何か言おうと思ったが、意思は固そうなので、折れる事にした。
 受け取った刀を、アイテムボックスに入れてから、挨拶をした後、鍛冶屋を後にした。
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