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26話・依頼

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「お前、俺に武器を作らせる気はねぇか?」

 ガルさんは、そう言ってきた。

「武器をですか?」

「あぁ、そうだ」

「造って貰うのは、嬉しいのですが、どうしてですか?」

「ん、ただ単に面白そうだと思ってな。まぁ、だが、条件がある」

「条件? なんですか?」

「お前に、剣を造るための材料をとってきて欲しいんだ」

「材料? 鉄とかですか?」

「いや… ミスリルだ!!」

 ミスリル… 定番のファンタジー鉱物の事か。

「ミスリルですか… 確か、洞窟系ダンジョンの20階層のボス… ミスリルゴーレムから、とれるんでしたよね?」

「あぁ、そうだ。どうだ、勝てそうか?」

「…やってみない事には分からないですけど、その前に、ミスリルゴーレムを倒さないといけないんですか? 買うとかでは、ダメなんですか?」

「買っても、いいんだが… かなり高ぇぞ?」

「え、そんなに高いんですか?」

「あぁ、高ぇぞ。1本造るのに必要な量だと… だいたい白金貨5枚くらい必要になるぞ?」

「高っ!! そんなに、するんですか?」

 流石は、ファンタジー鉱物だな。

「こっちじゃ、そんなにとれねぇし、倒すのにもそれなりの奴じゃないと無理みたいだしな」

「そうなんですね…」

 そんなに高いのなら、オークションに出品する用に、確保しておくのもいいかもな。

「分かりました。確約は出来ませんが、明日から洞窟系ダンジョンに挑戦してみます」

「おう、頼んだぞ!!」

「分かりました」

 まぁ、洞窟系ダンジョンは、まだ数階層しか攻略してないから、20階層にむかう事から始まるんだがな。

「それで、造るにあたって希望する武器なんかはあるか?」

「あ、それなら…」

 僕は、刀を希望してみる。やっぱり、日本人の血… は、今は流れてないけど、元日本人として、武器といったら刀だよな。

「ほう… そりゃあ、面白そうだな。造った事ねぇ形だな。確か、東の国にそんな形の武器があると聞いた事あるな… 早速、今ある材料で造ってみるか…」

 ガルさんはそう言ってから、止める暇もなくどこかへ消えていった。

「ガルさん… ごめんね、セウン」

「いや、いいよ。俺の為、みたいだしね。俺たちも、中へ戻ろうか?」

「うん」

 俺たちは、中へと戻り、ナーナさんに、挨拶してから、鍛冶屋を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

ダンジョン内のドロップ品について

通常は、魔石と通常ドロップ品 
稀に、希少ドロップ品あり
死体は、基本ダンジョンに吸収される。
ただ、生きている間に体からとれた物(折れたりなど)は、ダンジョンに吸収されずに、素材としてとる事が出来ます。

例) 魔獣系モンスター → 爪や牙など
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