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10話・いざダンジョンへ

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 翌朝、日が昇ると同時に目を覚ました。
 早めに寝たおかげが、それとも若さからなのか、調子はすこぶる良い。身支度を整えてから、1階に降りる。  
 1階では既に、おばちゃんが掃除をしていた。

「あら、セウンおはよう。もう起きたのかい?」

 おばちゃんも、俺に気づいたのか、声をかけてくれる。

「おばちゃん、おはよう。昨日すぐ寝たから、早く目が覚めたんだ。悪いけど、ご飯って用意できる?」

「今仕込み中だから、簡単な物しか用意できないけど、それでもいいかい?」

「それで大丈夫だから、お願い」

「はいよ。今言ってくるから、ちょっと、待ってておくれ」

 おばちゃんは、そう言って奥へと引っ込む。俺は席に座り、おばちゃんが戻って来るのを待つ。
 おばちゃんは少ししてから、トレーを抱えて戻って来た。

「はいよ」

「ありがとう、おばちゃん!!」

 トレーの上には、焼き上がったばかりのパンとベーコンエッグ、更に熱々の野菜スープが乗っていた。野菜スープは、昨日の残りのようだが、逆に野菜の旨味がスープに広がっており、ペロリと食べ終えた。
 食べ終えた俺は、おばちゃんに挨拶してから、ダンジョンへむかった。





 時間が早い事もあってか、誰とも遭遇せずダンジョンへたどり着いた。今日挑戦するダンジョンは、いつもの森林系ダンジョンだ。俺は準備運動がてら、9階層へ転移してから、すぐに10階層のボス部屋にむかう。
 部屋に入ると、エルダートレンドが出迎えてくれる。
 すぐに、アイテムボックスから、2本の一般級ノーマルの剣を取り出し、眠れる力ソーン・武具覚醒で、ウッドキラー、火炎付与と別々の覚醒を施す。武器をすぐに壊さない為だ。
 エルダートレンドから振り下ろされる枝を躱しながら、俺は、2本の剣で確実にダメージを与えていく。
 準備運動がてらなので、能力向上は、使わずに戦闘を続ける。武具覚醒の効果が切れる頃には、エルダートレンドは、ただの木材に成り果てていた。

「ふぅ~… 準備運動はこんなもんでいいかな…」

 何度か、エルダートレンドの攻撃はくらったのだが、睡眠の霧のおかげでダメージはない。
 ドロップした木材をアイテムボックスに入れ、出現した宝箱に武具覚醒を使いエリクサーを回収する。

「そういえば、これもかなりの値段になるんだよな…」

 オークションへの出品方法は分からないが、もし出品出来るなら、エリクサーをオークションに出品してみてもいいかなと、思いながらエリクサーをアイテムボックスに入れ、そのまま11階層へむかう。
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