44 / 453
37話・3度目はないぞ
しおりを挟む
親戚の子を撫でるかのように、マオの頭を撫でた。
「な… なにするのじゃ!!」
マオは、熟れたトマトの様に顔を赤くする。
「悪い…」
俺は、すぐに頭から手を離す。
「あ…」
「ん?」
「な… 何でもないのじゃ…」
撫でられるのが、嫌だったのだろうか…
「本当に、悪いなマオ。つい手が伸びてしまってな…」
「つ… ついなら、仕方ないのじゃ… 許すのじゃ… (それに、久しぶりに撫でられて、嬉しかったのじゃ)」
「そっか、許してくれてありがとな…」
危ない、危ない。小さな見た目のせいか、またマオの頭に手が伸びる所だった。
話の区切りがついたので、ご飯にしようかと思ったが、
「ん…」
水色髪の少女が、再び体を起こし、俺と目が合う。
2人は、水色髪の少女に背をむけていたので、起きた事に、気づいていない。起きた事を2人に教えようとする前に、水色髪の少女は、素早く起き上がり距離をとった。
「シェーン、マオ。今すぐ、そいつから離れて!!」
水色髪の少女は、そう叫んだ。
その声に、2人とも起きた事に気づく。
「シエル、起きたのね!! なら、私の話を聞いて!!」
「シエルも、起きたのかのぅ!! シェーンの話を聞くのじゃ!!」
2人が、説得を試みようとしてくれる。
それに、水色髪の少女は、少し目を見開く。
「お前… 2人に何をした!!」
いや、何故そうなるんだ… しかも、水色髪の少女は、今にも飛びかかってきそうだ。
「はぁ… 眠れる力・能力向上」
俺は、能力値を5倍まで上げる。
何気に、過去最高の倍率だったりする。
「「シエル、何を言っている(の)(じゃ)?」」
「2人とも、ちょっと退いてて…」
いい加減、水色髪の少女にイラついてきた。
「分かったのじゃ…」
「分かりました… セウンさん、我が儘かもしれませんがなるべく怪我がないように、お願いします…」
シェーンは、少し不安そうな顔をする。
「…分かった。出来る限り、配慮するよ」
そう言ってから俺は、2人の前に出る。
「お前は、私が倒す。 ■■」
水色髪の少女は、魔法の詠唱を始めた。
だけど、5倍まで能力値を上げた今の俺にとって魔法の詠唱はただの隙だ。
「■■■■■■ ライトソード !?」
光魔法が発現した時には、既に俺がアイテムボックスから取り出した短剣が、水色髪の少女の首に当てられていた。
「1度だけ言うぞ… 3度目はないぞ、分かったか?」
水色髪の少女は、微かに首を縦に振り、光の剣を消した。
「それでいい… なら、自己紹介といこうか。俺は、セウン。冒険者だ」
「ぼ… 冒険者!! なら、最初から私の勘違い…」
やっと自分の間違いに気づいたようだ…
「はっ!! わ… 私の名前は、シエル・フォン・スヴィエートです!! こ… この度は、本当にすみませんでした!!」
シエルも、マオのように頭を下げてきた。
「な… なにするのじゃ!!」
マオは、熟れたトマトの様に顔を赤くする。
「悪い…」
俺は、すぐに頭から手を離す。
「あ…」
「ん?」
「な… 何でもないのじゃ…」
撫でられるのが、嫌だったのだろうか…
「本当に、悪いなマオ。つい手が伸びてしまってな…」
「つ… ついなら、仕方ないのじゃ… 許すのじゃ… (それに、久しぶりに撫でられて、嬉しかったのじゃ)」
「そっか、許してくれてありがとな…」
危ない、危ない。小さな見た目のせいか、またマオの頭に手が伸びる所だった。
話の区切りがついたので、ご飯にしようかと思ったが、
「ん…」
水色髪の少女が、再び体を起こし、俺と目が合う。
2人は、水色髪の少女に背をむけていたので、起きた事に、気づいていない。起きた事を2人に教えようとする前に、水色髪の少女は、素早く起き上がり距離をとった。
「シェーン、マオ。今すぐ、そいつから離れて!!」
水色髪の少女は、そう叫んだ。
その声に、2人とも起きた事に気づく。
「シエル、起きたのね!! なら、私の話を聞いて!!」
「シエルも、起きたのかのぅ!! シェーンの話を聞くのじゃ!!」
2人が、説得を試みようとしてくれる。
それに、水色髪の少女は、少し目を見開く。
「お前… 2人に何をした!!」
いや、何故そうなるんだ… しかも、水色髪の少女は、今にも飛びかかってきそうだ。
「はぁ… 眠れる力・能力向上」
俺は、能力値を5倍まで上げる。
何気に、過去最高の倍率だったりする。
「「シエル、何を言っている(の)(じゃ)?」」
「2人とも、ちょっと退いてて…」
いい加減、水色髪の少女にイラついてきた。
「分かったのじゃ…」
「分かりました… セウンさん、我が儘かもしれませんがなるべく怪我がないように、お願いします…」
シェーンは、少し不安そうな顔をする。
「…分かった。出来る限り、配慮するよ」
そう言ってから俺は、2人の前に出る。
「お前は、私が倒す。 ■■」
水色髪の少女は、魔法の詠唱を始めた。
だけど、5倍まで能力値を上げた今の俺にとって魔法の詠唱はただの隙だ。
「■■■■■■ ライトソード !?」
光魔法が発現した時には、既に俺がアイテムボックスから取り出した短剣が、水色髪の少女の首に当てられていた。
「1度だけ言うぞ… 3度目はないぞ、分かったか?」
水色髪の少女は、微かに首を縦に振り、光の剣を消した。
「それでいい… なら、自己紹介といこうか。俺は、セウン。冒険者だ」
「ぼ… 冒険者!! なら、最初から私の勘違い…」
やっと自分の間違いに気づいたようだ…
「はっ!! わ… 私の名前は、シエル・フォン・スヴィエートです!! こ… この度は、本当にすみませんでした!!」
シエルも、マオのように頭を下げてきた。
30
お気に入りに追加
969
あなたにおすすめの小説

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

チートな親から生まれたのは「規格外」でした
真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て…
これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです…
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
時々さかのぼって部分修正することがあります
誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)
感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります

念動力ON!〜スキル授与の列に並び直したらスキル2個貰えた〜
ばふぉりん
ファンタジー
こんなスキルあったらなぁ〜?
あれ?このスキルって・・・えい〜できた
スキル授与の列で一つのスキルをもらったけど、列はまだ長いのでさいしょのすきるで後方の列に並び直したらそのまま・・・もう一個もらっちゃったよ。
いいの?

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~
黒色の猫
ファンタジー
両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。
冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。
最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。
それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった…
そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。
小説家になろう様でも投稿しています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる