スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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37話・3度目はないぞ

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 親戚の子を撫でるかのように、マオの頭を撫でた。

「な… なにするのじゃ!!」

 マオは、熟れたトマトの様に顔を赤くする。

「悪い…」

 俺は、すぐに頭から手を離す。

「あ…」

「ん?」

「な… 何でもないのじゃ…」

 撫でられるのが、嫌だったのだろうか…

「本当に、悪いなマオ。つい手が伸びてしまってな…」

「つ… ついなら、仕方ないのじゃ… 許すのじゃ… (それに、久しぶりに撫でられて、嬉しかったのじゃ)」

「そっか、許してくれてありがとな…」

 危ない、危ない。小さな見た目のせいか、またマオの頭に手が伸びる所だった。
 話の区切りがついたので、ご飯にしようかと思ったが、

「ん…」

 水色髪の少女が、再び体を起こし、俺と目が合う。
 2人は、水色髪の少女に背をむけていたので、起きた事に、気づいていない。起きた事を2人に教えようとする前に、水色髪の少女は、素早く起き上がり距離をとった。

「シェーン、マオ。今すぐ、そいつから離れて!!」

 水色髪の少女は、そう叫んだ。
 その声に、2人とも起きた事に気づく。

「シエル、起きたのね!! なら、私の話を聞いて!!」

「シエルも、起きたのかのぅ!! シェーンの話を聞くのじゃ!!」

 2人が、説得を試みようとしてくれる。
 それに、水色髪の少女は、少し目を見開く。

「お前… 2人に何をした!!」

 いや、何故そうなるんだ… しかも、水色髪の少女は、今にも飛びかかってきそうだ。

「はぁ… 眠れる力ソーン・能力向上」

 俺は、能力値を5倍まで上げる。
 何気に、過去最高の倍率だったりする。

「「シエル、何を言っている(の)(じゃ)?」」

「2人とも、ちょっと退いてて…」

 いい加減、水色髪の少女にイラついてきた。

「分かったのじゃ…」

「分かりました… セウンさん、我が儘かもしれませんがなるべく怪我がないように、お願いします…」

 シェーンは、少し不安そうな顔をする。

「…分かった。出来る限り、配慮するよ」

 そう言ってから俺は、2人の前に出る。

「お前は、私が倒す。 ■■」

 水色髪の少女は、魔法の詠唱を始めた。
 だけど、5倍まで能力値を上げた今の俺にとって魔法の詠唱はただの隙だ。

「■■■■■■ ライトソード !?」

 光魔法が発現した時には、既に俺がアイテムボックスから取り出した短剣が、水色髪の少女の首に当てられていた。

「1度だけ言うぞ… 3度目はないぞ、分かったか?」

 水色髪の少女は、微かに首を縦に振り、光の剣を消した。

「それでいい… なら、自己紹介といこうか。俺は、セウン。冒険者だ」

「ぼ… 冒険者!! なら、最初から私の勘違い…」

 やっと自分の間違いに気づいたようだ…

「はっ!! わ… 私の名前は、シエル・フォン・スヴィエートです!! こ… この度は、本当にすみませんでした!!」

 シエルも、マオのように頭を下げてきた。
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