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35話・報告

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 俺は、子供たちが泣き止むのを待った。
 泣き止んだ頃には、日も暮れかけていた。
 この中、馬車で森を抜けるのは危険… 
 いや待てよ… そもそも俺、馬車の運転とか出来ないや。なら、子供たちを抱えて走って帰るか… でもその場合、子供たちの体に、負担がかかるし。助けた女性をそのままにしておくのも何だが気が引ける。
 だけど、カリーナさんに子供の無事を早めに報告し、安心させときたい気持ちもある。そうと決まれば、

「なぁ、シェーン?」

「はい、何でしょうか?」

「子供たちの無事を伝えたいから、少しの間、ここを任せられるか?」

 子供たちの件を話した事によってか、距離が少し縮まったような気がする、シェーンに聞いてみる。

「大丈夫だと思います。任せて下さい!!」

 そう答えてくれる。

「良かった。なら、頼む。それじゃあ、行ってくる…」

ぐー

 辺りに、お腹のなる音が響く。どうやら、子供たちからのようだ。お昼前に拐われたとして、今まで何も食べてないならそりゃあ、お腹も減るか…

「の前、先に食べ物を出しとくから、皆で食べててくれ」

 そう言って、アイテムボックスから旅の途中で作っておいたシチューもどきを鍋ごと取り出す。材料や鍋は、王都内で出発前に、購入していた物だ。

「これは?」

「俺が、作った料理だな」

「セウンさんがですか?」

 少し驚きながら、聞いてくる。

「まぁな。ついでに、パンも出しとくな」

 その後、少しやり取りした後、能力向上を使い、カリーナさんの元へ急いでむかった。





「フロン… リア… いったいどこにいるんだい…」

 私は、何も出来ない自分に怒りを募らせながらも、2人の事を心配する。すると、

「カリーナさん!!」

 扉が開く音と共に、私を呼ぶ声が聞こえる。

「セウンかい!!」

 私は、急いで扉へむかう。だけど、そこには、セウンしかいなかった。

「どうやら、2人は見つからなかったようだね。なら、今度は私も一緒に…」

 探すと言う前に、

「違うんです、カリーナさん。2人は、見つけました。ただ、今から帰るには少し遠く暗くもなっているので、先に報告だけしに来ました」

「ほ… 本当かい、セウン?」

「はい、2人とも無事です」

「良かった… ありがとう、セウン」

「気にしないで下さい。俺は、またすぐ子供たちの元へ戻ります。必ず、連れて帰るので心配せずに待っていて下さい」

「なら、私も一緒に…」

 行くと言おうとするが、足手まといになるかと思い止まる。

「いや、大人しく待っておくよ。それじゃあ、セウン2人を頼んだよ」

「はい。なら、俺戻ります」

 そう言って、セウンは出ていった。





 カリーナさんに、報告を終えた俺は、再びあの場所へ戻った。
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