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35話・報告
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俺は、子供たちが泣き止むのを待った。
泣き止んだ頃には、日も暮れかけていた。
この中、馬車で森を抜けるのは危険…
いや待てよ… そもそも俺、馬車の運転とか出来ないや。なら、子供たちを抱えて走って帰るか… でもその場合、子供たちの体に、負担がかかるし。助けた女性をそのままにしておくのも何だが気が引ける。
だけど、カリーナさんに子供の無事を早めに報告し、安心させときたい気持ちもある。そうと決まれば、
「なぁ、シェーン?」
「はい、何でしょうか?」
「子供たちの無事を伝えたいから、少しの間、ここを任せられるか?」
子供たちの件を話した事によってか、距離が少し縮まったような気がする、シェーンに聞いてみる。
「大丈夫だと思います。任せて下さい!!」
そう答えてくれる。
「良かった。なら、頼む。それじゃあ、行ってくる…」
ぐー
辺りに、お腹のなる音が響く。どうやら、子供たちからのようだ。お昼前に拐われたとして、今まで何も食べてないならそりゃあ、お腹も減るか…
「の前、先に食べ物を出しとくから、皆で食べててくれ」
そう言って、アイテムボックスから旅の途中で作っておいたシチューもどきを鍋ごと取り出す。材料や鍋は、王都内で出発前に、購入していた物だ。
「これは?」
「俺が、作った料理だな」
「セウンさんがですか?」
少し驚きながら、聞いてくる。
「まぁな。ついでに、パンも出しとくな」
その後、少しやり取りした後、能力向上を使い、カリーナさんの元へ急いでむかった。
◆
「フロン… リア… いったいどこにいるんだい…」
私は、何も出来ない自分に怒りを募らせながらも、2人の事を心配する。すると、
「カリーナさん!!」
扉が開く音と共に、私を呼ぶ声が聞こえる。
「セウンかい!!」
私は、急いで扉へむかう。だけど、そこには、セウンしかいなかった。
「どうやら、2人は見つからなかったようだね。なら、今度は私も一緒に…」
探すと言う前に、
「違うんです、カリーナさん。2人は、見つけました。ただ、今から帰るには少し遠く暗くもなっているので、先に報告だけしに来ました」
「ほ… 本当かい、セウン?」
「はい、2人とも無事です」
「良かった… ありがとう、セウン」
「気にしないで下さい。俺は、またすぐ子供たちの元へ戻ります。必ず、連れて帰るので心配せずに待っていて下さい」
「なら、私も一緒に…」
行くと言おうとするが、足手まといになるかと思い止まる。
「いや、大人しく待っておくよ。それじゃあ、セウン2人を頼んだよ」
「はい。なら、俺戻ります」
そう言って、セウンは出ていった。
◆
カリーナさんに、報告を終えた俺は、再びあの場所へ戻った。
泣き止んだ頃には、日も暮れかけていた。
この中、馬車で森を抜けるのは危険…
いや待てよ… そもそも俺、馬車の運転とか出来ないや。なら、子供たちを抱えて走って帰るか… でもその場合、子供たちの体に、負担がかかるし。助けた女性をそのままにしておくのも何だが気が引ける。
だけど、カリーナさんに子供の無事を早めに報告し、安心させときたい気持ちもある。そうと決まれば、
「なぁ、シェーン?」
「はい、何でしょうか?」
「子供たちの無事を伝えたいから、少しの間、ここを任せられるか?」
子供たちの件を話した事によってか、距離が少し縮まったような気がする、シェーンに聞いてみる。
「大丈夫だと思います。任せて下さい!!」
そう答えてくれる。
「良かった。なら、頼む。それじゃあ、行ってくる…」
ぐー
辺りに、お腹のなる音が響く。どうやら、子供たちからのようだ。お昼前に拐われたとして、今まで何も食べてないならそりゃあ、お腹も減るか…
「の前、先に食べ物を出しとくから、皆で食べててくれ」
そう言って、アイテムボックスから旅の途中で作っておいたシチューもどきを鍋ごと取り出す。材料や鍋は、王都内で出発前に、購入していた物だ。
「これは?」
「俺が、作った料理だな」
「セウンさんがですか?」
少し驚きながら、聞いてくる。
「まぁな。ついでに、パンも出しとくな」
その後、少しやり取りした後、能力向上を使い、カリーナさんの元へ急いでむかった。
◆
「フロン… リア… いったいどこにいるんだい…」
私は、何も出来ない自分に怒りを募らせながらも、2人の事を心配する。すると、
「カリーナさん!!」
扉が開く音と共に、私を呼ぶ声が聞こえる。
「セウンかい!!」
私は、急いで扉へむかう。だけど、そこには、セウンしかいなかった。
「どうやら、2人は見つからなかったようだね。なら、今度は私も一緒に…」
探すと言う前に、
「違うんです、カリーナさん。2人は、見つけました。ただ、今から帰るには少し遠く暗くもなっているので、先に報告だけしに来ました」
「ほ… 本当かい、セウン?」
「はい、2人とも無事です」
「良かった… ありがとう、セウン」
「気にしないで下さい。俺は、またすぐ子供たちの元へ戻ります。必ず、連れて帰るので心配せずに待っていて下さい」
「なら、私も一緒に…」
行くと言おうとするが、足手まといになるかと思い止まる。
「いや、大人しく待っておくよ。それじゃあ、セウン2人を頼んだよ」
「はい。なら、俺戻ります」
そう言って、セウンは出ていった。
◆
カリーナさんに、報告を終えた俺は、再びあの場所へ戻った。
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