スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

３２話・あっけない盗賊たち

　俺は、突き刺した剣を引き抜いてから、洞窟内へ入っていく。
　中は、所々に灯りが灯してあり暗くはなかった。

「さて、いるといいんだけどな…」

　俺は、歩みを進める。

「お前…　「眠れスリープ」　Zzz…」

　毎回、叫びだしそうなので、出会う事に、眠らせる。子供たちについては、いるか分からないけど、ここのボスにでも聞くことにした為、眠らせた盗賊たちには、永遠の眠りについて貰う。
　少し進むと、ガヤガヤとうるさい広めの場所に出た。
　どうやら、数人の盗賊が飲んで騒いでいるようだった。

「誰だ、お前？」

　１番奥のつるっぱげの巨体な男が、いの一番に、俺に気づき声をかけてくる。巨体な男が声をかけた瞬間、ガヤガヤとうるさかった空間も、静寂に包まれる。
　周りの奴らの様子を見た感じ、こいつが、ここの、ボスで間違いないかな。

「冒険者だな…　俺からも、１つ聞いていいか？」

「…何だ？」

　一応、答えてくれるみたいだ。

「今日、２人組の子供を拐ったか？」

「子供だと？　拐った奴なら、後ろの部屋にいるが、それがどうした？」

「知り合いかもしれないから、いたら連れて帰りたいんだが？」

「ほう…　返すと思うか？」

「どうだろうな？」

　巨体の男はニヤリと笑い、

「殺れ！！」

　そう言うと、周りの盗賊が襲いかかってくる。

「はぁ…」

　やっぱり、こうなるのね…

「眠れスリープ」

　近寄ってくる盗賊を、悉く眠らせていく。
　最後には、巨体の男だけが残る。

「ほう…　かなりの実力者のようだな。これは、楽しめそうだ」

　巨体の男は立ち上がり、立て掛けておいた、ハンマーを手に取る。
　ハンマー使いねぇ…　初めて見たよ

「それじゃあ…　行くぞ！！」

　巨体の男は、俺にむかって突っ込んでくる。

「やる気の所悪いが、相手にする気はねぇよ。　眠れスリープ」

　突っ込んできた、巨体の男はそっと避けた俺の横を勢い良く通りすぎ、壁に激突して、止まる。

「さて、片付いた事だし、奥の部屋でも確認しますかね」

　この先に、子供たちがいるかも知れない為、止めをさすのは、止めておく。
　巨体の男が座っていた後ろに縦穴があったので、進んでいく。少し進むと、堅牢な扉が２つあった。
　とりあえず、能力向上は継続中なので、力一杯引っ張ると、物凄い音と共に、外れる。中に入ってみると、箱が乱雑に置かれており、人っ子１人いなかった。
　好奇心で、中を見てみると、お金やポーションなどが入っていた。

「…盗賊たちの宝物庫か？」

　とりあえず、定番である全回収をしておく。
　俺は、ホクホク顔で、部屋を出て、隣へ移動する。
　当然、扉を壊してから、中に入ると、数人の女性が身を寄せあい震えていた。中を見渡すが、子供らしき姿はない。どうやら、外れだったようだ。

「あ…　貴方は、誰ですか？」

　身を震わせていた、女性の1人が聞いてくる。

「あぁ、冒険者だよ」

「ぼ…　冒険者ですか！！　私たちを助けに来てくれたんですか！！」

「あ…　いや、まぁ、そんな感じ？」

「「「やったー！！　私たち、助かるわ！！」」」

　女性たちは、喜びあっていた。