スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

文字の大きさ
上 下
37 / 453

閑話・とある冒険者

しおりを挟む
 私たちは、とあるクエストを受け、目的地に行く間に寄った村で、人拐いが行われた事を知った。

「助けに行くわ!!」

 私たちのパーティーリーダーであるシエルさんがそう宣言する。

「ねぇ、シエルさん。助けに行くと言うけど、拐われた人が、何処に連れていかれたのか分かるの?」

「それは、分からないけど… シェーンは、助けに行くのに、反対なの?」

「そういう訳じゃないわ。私も、助けたいとは思うけど、場所が分からないと、どうしようも出来ないわ」

「それは、そうだけど… ねぇ、マオ?」

「何かのぉ?」

「何か、いい案とかない?」

「そうじゃのぉ… 私たちも、村娘に化けてから、その人拐いに、拐われてから案内させると言うのは、どうじゃ?」

「!? それよ!! さすがマオ!! これなら、場所も分かって、拐われた人も助けられる!!」

「はぁ… 分かったわ」

 確かに、いい案かもしれないけど、本当に拐われるかは、別問題だと思うのだけど…
 案を出した、マオさんを見てみると、そっと目をそらされた。どうやら、マオさんも、思いついた案を、そのまま言っただけみたい…
 私たちは、装備をマオさんのアイテムボックスに入れてから、ローブを身に纏い森の中を探索する。





 少し、森の中を探索していると、馬車が私たちの横を通りすぎたかと思うと、少し進んだ所で止まった。

「そこの者、止まれ!!」

 御者をしていた、男から呼び止められる。

「何でしょうか?」

「お前たちは、近くの村の者か?」

「…はい。そうですが、どうかしましたか?」

「いや、お前たちみたいな娘を見かけた事がなかったからな…」

「最近、移り住んだからでは、ありませんか?」

「そうか…」

 そう言って御者の男が降りて、剣を構えてきた。

「動くな!! 動いたら、俺の剣が何処を切り裂くか分からないぞ!!」

「もしかして、最近人拐いをしているのは貴方たちですか?」

「ほう… 少しは、賢いようだな。その通りだ。だから、下手な抵抗をするのは、おすすめしないぞ」

 男は、口を歪ませる。
 後ろを見てみると、もう1人男が後ろに、回り込んでいた。
 …本当に、人拐いと遭遇するとは思わなかった。後ろの2人… シエルさんは、勢い込んだ顔を、マオさんは、驚いた顔をしていた。
 私たちは、そのまま手錠をされ、馬車に入れられ、出発した。中には、小さな子供が2人身を寄せあって乗っていた。

「こんな、子供まで!! マオ、手錠を!!」

「シエル。手錠は、外すけど少し、落ち着くのじゃ!!」

「む… 分かった…」

 シエルさんが落ち着いたのを確認したマオさんは、

「それじゃあ、手錠を外すのじゃ… アンロック」

 無詠唱で、魔法を使うと、私たちの手錠だけでなく、子供たちの手錠も一緒に外れる。
 子供たちも、驚いたのか、私たちに話しかけてくる。

「お… お姉ちゃんたちは、誰なの?」

「私たちは、冒険者ですよ。貴方たちは?」

「ぼ… 僕は、フロン。こっちは、妹のリアです」

「フロン君とリアちゃんね。貴方たちは、どうしてここにいるの?」

 2人に、話を聞くと、どうやら2人も拐われたようだった。話を聞いた、シエルを落ち着けるのに、少し苦労した…
 その後は、私たちはマオさんのアイテムボックスに入れていた装備品を装備して、人拐いのアジトにつくのを待つ事にした。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

念動力ON!〜スキル授与の列に並び直したらスキル2個貰えた〜

ばふぉりん
ファンタジー
 こんなスキルあったらなぁ〜?  あれ?このスキルって・・・えい〜できた  スキル授与の列で一つのスキルをもらったけど、列はまだ長いのでさいしょのすきるで後方の列に並び直したらそのまま・・・もう一個もらっちゃったよ。  いいの?

チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て… これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです… +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-  2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます  時々さかのぼって部分修正することがあります  誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)  感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫
ファンタジー
 両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。 冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。 最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。 それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった… そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。 小説家になろう様でも投稿しています。

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

処理中です...