上 下
28 / 453

25話・成果

しおりを挟む
 ブラックエルダートレントは、武具覚醒の効果が消えると同時に、黒い粒子になって消えていった。
 消えた場所には、魔石と黒色の木材そして、もう1つあったドロップ品を持ち上げる。

「これって、エリクサーだよな?」

 アイテムボックスから、エリクサーを取り出して、見比べてみるが、違いはないように見える。

「まぁ、後で、調べて貰えばいいか…」

 2つとも、アイテムボックスにいれた後、魔石や黒い木材を入れていると、先程同様に、

ポンッ

 軽快な音と共に、宝箱が現れる。
 俺は、ドロップ品を全てアイテムボックスにいれた後、宝箱に、近づき蓋に手を置く。

眠れる力ソーン・武具覚醒」

 宝箱が淡く光だす。

「エリクサー」

 そう発言した後、宝箱を開けてから、エリクサーを取り出してから、地上に戻る。
 その後も、何度か続け、合計で、5本のエリクサーを入手する事が出来た。余談だが、あの後はレアモンスターのブラックエルダートレントは出ず、俺に絡んできた奴は、気づいたら、消えていた。





 5本目のエリクサーを入手した後、アイテムを売却する為、ギルドへ戻った。
 ギルドに戻ると、入り口の近くに、馬車が1台止まっていた。まぁ、気にしても仕方がないので、そのまま素通りして、ギルドの中に入っていく。
 ギルド内は、変わらず騒がしかった。僕は、受付の列に加わり、順番を待つ。待つ事数十分、俺の番が回ってきた。

「あ、セウンさん。今回は、どうしました?」

「ダンジョンでの素材やアイテムを売却しに来ました」

「売却ですね… もしかして、素材やアイテムが多かったりしますか?」

「多いいかどうかは、分かりませんが、木材がかなりありますね」

 エルダートレントだけでなく、普通のトレントの木材もある。

「木材と言いますと、もしかして、トレントですか?」

「まぁ、そうですね。後、エルダートレントの木材ですね」

 ブラックエルダートレントの木材は、何となく自分で持っておく。

「!? エルダートレントって、森林系ダンジョンの10階層のボスですよね。どこかの冒険者様とパーティーを組まれたんですか?」

「いや、ソロですけど、どうしてそんな事を聞くんですか?」

「セウンさんは、一応Fランクの冒険者でしたので聞いたのですが… そうでした。セウンさんは、スタッフさんにも勝ったんでしたね… では、ここでは無理なので、奥の部屋で移動してもいいですか?」

「はい、大丈夫です。その前に、これの売却も出来ますか?」

 俺は、アイテムボックスからエリクサーを1本取り出してから、リセさんに渡す。

「フル・ポーションですか?」

「いえ、たぶんエリクサーです」

「え… エリクサー!!」

 リセさんは、目を見開き、これでもかと言うほど大きな声を出していた。だけどすぐに、大きな声を出した自覚があったのか、

「す… すみません!!」

 慌てて、すぐ謝ってきた。

「別に、いいですよ。それより、どうですか?」

 リセさんは、手招きをする。俺が顔を近づけると、リセさんも、少し顔を寄せてきて、

「たぶん、ここで売るより、豪商や貴族様に、直接売った方が、高く売れると思うわよ?」

 と、小声で教えてくれる。

「そうなんですか?」

「えぇ、そうよ!!」

「分かりました。なら、他の素材などを…」

「少し、宜しいでしょうか?」

 突然、後ろから声をかけられる。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!

ねむたん
ファンタジー
私は砂漠の町で家族と一緒に暮らしていた。そのうち前世のある記憶が蘇る。あの日本の味。温かい味噌汁、焼き魚、醤油で整えた料理——すべてが懐かしくて、恋しくてたまらなかった。 私はその気持ちを家族に打ち明けた。前世の記憶を持っていること、そして何より、あの日本の食文化が恋しいことを。家族は私の決意を理解し、旅立ちを応援してくれた。私は幼馴染のカリムと共に、異国の地で新しい食材や文化を探しに行くことに。

不遇にも若くして病死した少年、転生先で英雄に

リョウ
ファンタジー
辺境貴族の次男レイ=イスラ=エルディア。 実は、病で一度死を経験した転生者だった。 思わぬ偶然によって導かれた転生先…。 転生した際に交わした約束を果たす為、15歳で家を出て旅に出る。 転生する際に与えられたチート能力を駆使して、彼は何を為して行くのか。 魔物あり、戦争あり、恋愛有りの異世界冒険英雄譚がここに幕を開ける!

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

処理中です...