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22話・宝箱

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 辺りに、焦げた匂いを漂わせつつ、俺が振り下ろした両手斧は、エルダートレントをかち割り、地面にめり込んでいた。
 すると、両手斧は、一定時間を過ぎる前に、壊れてしまった。だけど、エルダートレントを倒す事に成功したようで、黒い粒子になり、魔石と木材をドロップする。
 それを回収していると、

ポンッ

 軽快な音と共に、宝箱が現れる。
 ドロップ品を全て回収した後、宝箱に近寄る。

「この中に、アイテムが入っているんだったよな…」

 僕は、ある事を試す為に宝箱を開けずに、宝箱の蓋の部分に手を置く。

眠れる力ソーン・武具覚醒」

 すると、宝箱が淡く光だし、頭の中にあるものが浮かび上がる。その中から、1つ選ぶ。

「エリクサー」

 そう発言した後、宝箱を開ける。
 宝箱には、液体の入ってある瓶が1本入っていた。
 記憶の中にある、エリクサーと一緒だ。

「よし、成功だ!!」

 俺は、ガッツポーズをとっていた。
 それを、アイテムボックスにいれた後、入ってきた時とは、逆の位置にある扉から出る。そこには、2つの転移魔法陣がある。右側が、地上へ転移魔法陣。左側が、11階層への転移魔法陣だ。でも今日は、先程の方法でエリクサー集めをする予定だから、そのまま右側の転移魔法陣にのって、地上へ転移した。
 地上へ戻った後は、そのまま9階層へ転移する。
 階段を降りるが、ボスへの部屋に続く扉は閉まっており、その前には、1組のパーティーが待っていた。
 10階層のボスのリスポーン時間は、確か1時間だったな。まぁ、リスポーンしても、あのパーティーが先に入るから、時間潰しの為に、9階層へ戻っていく。





 9階層で、階段近くのモンスターを倒していく。倒していく中で、1つ分かった事があった。試しに、武具覚醒を使った際、可能性の力を1つにしてみたら、武器が壊れなかった。もしかしたら、武器の性能によって変わるのかもしれない。お金をある程度稼いだ後、試してみるのもいいかもしれない。
 階段近くのモンスターを倒しきったので、1度降りてみた。すると、待っていた冒険者はいなくなっていたので、どうやら1時間近くたっていたようだ。まだ、待たないといけないけど、上に戻っている間に、他の冒険者に先を越されるのもあれなので、ここで待つ事にした。
 腰かけるのに、丁度いい岩が扉近くにあったので、そこに座り、待っておく。
 しばらく待っていると、階段の方から、足音が聞こえる。チラッと見てみると、男4人組のパーティーが降りてきていた。

「何だよ、今ボスの部屋開いてねぇーじゃねぇーか!!」

「他の冒険者が入ってるんだろ?」

「待つしかねぇーか…」

「ん、先客がいるようだぜ」

 どうやら、むこうも俺に気づいたようだ。

「チッ…」

 その中の、1人が舌打ちしながら、近づいてくる。

「おい、ガキお前まさか、ボスを待ってるとか言わねぇーよな!!」

 話すのも面倒だが、それはそれで、突っ掛かって来そうだから、一応答えておく。

「見ての通りだ。扉が開くのを、待ってる…」

「ハッ、お前1人で何が出来る!! 次は、俺たちが入るから、どっか行ってろ!!」

 そう声を荒げてくる。後ろのメンバーも、こっちを見て、笑っていた。
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