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閑話・ユーベル 2
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~追放を言い渡す数日前~
俺は、リビングにロンとベンを集めた。
2人が集まった後、話を始める。
「とうとう、俺たちのAランクが内定した!!」
「おぉ、とうとうそこまで来たか!!」
ロンのテンションがあがる。実の所、俺も少しテンションがあがっている。
「あぁ、もうここまで来たな」
「それって、かなり早いんじゃないですか?」
「どうやら、そうみたいだな」
今の俺たちは、期待のパーティーとして、注目されている。もう1組別の注目パーティーがなければ、もっと、注目されていたのに、残念な事だ。
「だから、Sランクを目指すのなら、あいつが邪魔になってくる」
「そうだな… LVにもかなりの差があるし、正直な所、いてもいなくても、そこまで、変わらないと思うな」
「兄さんの言う通りですね。それなら、同LVの冒険者と組んだ方が、効率もあがると思います」
俺は、口角をあげる。
この数年で、2人にもそれとなくあいつの無能ぶりを吹き込んできた。
「そうだな。そう言うと思って、盾職の冒険者に声をかけておいた。数日中には、ここに来てくれる手筈になっている」
「お、流石ユーベル。仕事が早いぜ!!」
「流石です、ユーベル」
「当たり前だろ。それじゃあ、あいつは、追放って事で問題ないな? それとも、泣いて頼み込んでくるなら、荷物持ち位させてもいいかもな!!」
「そいつは、いいな!! セウンならやりそうだぜ!!」
「そうですね。ソロで今後やっていけるとも思えませんし、かといって別のパーティーでやれるとは思えませんから、少し位慈悲をあげても言いかもしれませんね!!」
そんなこんなで、あいつの追放が決まった。
◆
とうとうこの日が、やって来た。
「それじゃあ、ちょっと呼んできます」
そう言って、ベンは貴族から貰った家を出て、あいつを呼びに行った。
やっとあいつを追放できる。もともと、その為に、あいつを率いれたんだがな。
前々から、俺は、あいつの事が気にくわなかった。
小さい頃から、あいつは、俺より頭も良かった。だんだん成長していき、剣でなら勝てると思ったら、それすらも、俺の上をいきやがる。
それが、俺をイラつかせる。
だから、あの時… スキル授与の時のあいつの顔を見た時、俺は、心の底から笑いが込み上げてきた。
やっとあいつを見返せる… やっとあいつの上をいけると…
だから、この5年間、とてもいい気分だった。
役に立たないあいつは、囮、夜営の準備から情報収集まで、俺たちがやれと言った事は何でも聞いてきた。
本当なら、1年もしたら追放してやろうと思っていたが、優越感が気持ちよすぎて、5年もたってしまった。
だけど俺たちは、もうすぐAランクの冒険者になる。正直な所、こんなに早くランクが上がるとは思ってもみなかった。自分たちの実力の高さに身震いしたもんだ。
あんなお荷物込みで、ここまで上がったなら、あいつよりも優秀な奴をパーティーに入れたら、Sランクも、そう遠くない未来になる事が出来るだろう。
だから、皆と話し合って、あいつの追放が決定した。
昨日は、1人祝い酒を飲んで、二日酔いになったのは、ご愛嬌だ。あいつに追放を言い渡すのが、待ち遠しいぜ。
◆
あいつは、泣きもわめきもせず出ていった。
「ど… どうせ強がりですよ。数日したら、自分の過ちに気づいて、頭を地に擦り付けながら、荷物持ちをさせてくれと言うに決まってます!!」
「そ… そうだよな。ベンの言う通りだ!!」
確かにあいつの態度は気にくわないが、今は、とりあえず新しく依頼されているクエストについて、どうするか考えよう。
「2人の言う通りだ。気にするだけ無駄だ。それよりも、貴族からの依頼についてどうするか考えるぞ!!」
「あぁ、確かそんなもん受けてたな。どんなクエストだっけ、ベン?」
「確か、エリクサーっていう、薬の納品ですね」
「エリクサーって、1年前くらいに森林系ダンジョンで入手したあれだよな?」
「そうですね。10階層のボスを倒した後の宝箱から出てきた奴ですね」
2人の言った通り、俺たちは1度、そのアイテムをゲットした事がある。そのおかげで、貴族と知り合え、この家や大金まで、貰えたのだ。今回も、その貴族からの依頼で、エリクサーの納品をする事になった。何でも、娘の怪我の治療に使うとかなんとかで、早めに納品を依頼されている。
「え… エリクサーってとても貴重な物だと思うのだが、大丈夫なのか?」
盾職の男… シールがそう言ってくる。
こいつは、数十日前にこっちに来ていた所を俺がスカウトしたのだ。
「シールの言う通り、なかなか珍しい物みたいだが、俺たちは、1度そのエリクサーを入手している。今回も、数回ボスを倒せば出てくるだろ」
「そ… そうか、それなら良いのだが…」
何だか煮えきらないようだな。まぁ、実物を見れば、シールも納得するだろう。
「よし、なら早速行くか。シール森林系のダンジョンの階層登録はどこまで行ってる?」
俺は、シールが転移魔法陣で行ける階層を尋ねた。
「すまんが、5階層までだな」
チッ… 5階層か。まぁ、しかたないか…
「…分かった。なら、5階層から10階層のボスを目指すぞ!!」
「おう!!」 「了解」 「分かった」
こうして、俺たちは、森林系ダンジョンへむかった。
だが、3人はまだ知らなかった…
セウンの補助があったからこそ、楽に10階層まで行けた事を……
俺は、リビングにロンとベンを集めた。
2人が集まった後、話を始める。
「とうとう、俺たちのAランクが内定した!!」
「おぉ、とうとうそこまで来たか!!」
ロンのテンションがあがる。実の所、俺も少しテンションがあがっている。
「あぁ、もうここまで来たな」
「それって、かなり早いんじゃないですか?」
「どうやら、そうみたいだな」
今の俺たちは、期待のパーティーとして、注目されている。もう1組別の注目パーティーがなければ、もっと、注目されていたのに、残念な事だ。
「だから、Sランクを目指すのなら、あいつが邪魔になってくる」
「そうだな… LVにもかなりの差があるし、正直な所、いてもいなくても、そこまで、変わらないと思うな」
「兄さんの言う通りですね。それなら、同LVの冒険者と組んだ方が、効率もあがると思います」
俺は、口角をあげる。
この数年で、2人にもそれとなくあいつの無能ぶりを吹き込んできた。
「そうだな。そう言うと思って、盾職の冒険者に声をかけておいた。数日中には、ここに来てくれる手筈になっている」
「お、流石ユーベル。仕事が早いぜ!!」
「流石です、ユーベル」
「当たり前だろ。それじゃあ、あいつは、追放って事で問題ないな? それとも、泣いて頼み込んでくるなら、荷物持ち位させてもいいかもな!!」
「そいつは、いいな!! セウンならやりそうだぜ!!」
「そうですね。ソロで今後やっていけるとも思えませんし、かといって別のパーティーでやれるとは思えませんから、少し位慈悲をあげても言いかもしれませんね!!」
そんなこんなで、あいつの追放が決まった。
◆
とうとうこの日が、やって来た。
「それじゃあ、ちょっと呼んできます」
そう言って、ベンは貴族から貰った家を出て、あいつを呼びに行った。
やっとあいつを追放できる。もともと、その為に、あいつを率いれたんだがな。
前々から、俺は、あいつの事が気にくわなかった。
小さい頃から、あいつは、俺より頭も良かった。だんだん成長していき、剣でなら勝てると思ったら、それすらも、俺の上をいきやがる。
それが、俺をイラつかせる。
だから、あの時… スキル授与の時のあいつの顔を見た時、俺は、心の底から笑いが込み上げてきた。
やっとあいつを見返せる… やっとあいつの上をいけると…
だから、この5年間、とてもいい気分だった。
役に立たないあいつは、囮、夜営の準備から情報収集まで、俺たちがやれと言った事は何でも聞いてきた。
本当なら、1年もしたら追放してやろうと思っていたが、優越感が気持ちよすぎて、5年もたってしまった。
だけど俺たちは、もうすぐAランクの冒険者になる。正直な所、こんなに早くランクが上がるとは思ってもみなかった。自分たちの実力の高さに身震いしたもんだ。
あんなお荷物込みで、ここまで上がったなら、あいつよりも優秀な奴をパーティーに入れたら、Sランクも、そう遠くない未来になる事が出来るだろう。
だから、皆と話し合って、あいつの追放が決定した。
昨日は、1人祝い酒を飲んで、二日酔いになったのは、ご愛嬌だ。あいつに追放を言い渡すのが、待ち遠しいぜ。
◆
あいつは、泣きもわめきもせず出ていった。
「ど… どうせ強がりですよ。数日したら、自分の過ちに気づいて、頭を地に擦り付けながら、荷物持ちをさせてくれと言うに決まってます!!」
「そ… そうだよな。ベンの言う通りだ!!」
確かにあいつの態度は気にくわないが、今は、とりあえず新しく依頼されているクエストについて、どうするか考えよう。
「2人の言う通りだ。気にするだけ無駄だ。それよりも、貴族からの依頼についてどうするか考えるぞ!!」
「あぁ、確かそんなもん受けてたな。どんなクエストだっけ、ベン?」
「確か、エリクサーっていう、薬の納品ですね」
「エリクサーって、1年前くらいに森林系ダンジョンで入手したあれだよな?」
「そうですね。10階層のボスを倒した後の宝箱から出てきた奴ですね」
2人の言った通り、俺たちは1度、そのアイテムをゲットした事がある。そのおかげで、貴族と知り合え、この家や大金まで、貰えたのだ。今回も、その貴族からの依頼で、エリクサーの納品をする事になった。何でも、娘の怪我の治療に使うとかなんとかで、早めに納品を依頼されている。
「え… エリクサーってとても貴重な物だと思うのだが、大丈夫なのか?」
盾職の男… シールがそう言ってくる。
こいつは、数十日前にこっちに来ていた所を俺がスカウトしたのだ。
「シールの言う通り、なかなか珍しい物みたいだが、俺たちは、1度そのエリクサーを入手している。今回も、数回ボスを倒せば出てくるだろ」
「そ… そうか、それなら良いのだが…」
何だか煮えきらないようだな。まぁ、実物を見れば、シールも納得するだろう。
「よし、なら早速行くか。シール森林系のダンジョンの階層登録はどこまで行ってる?」
俺は、シールが転移魔法陣で行ける階層を尋ねた。
「すまんが、5階層までだな」
チッ… 5階層か。まぁ、しかたないか…
「…分かった。なら、5階層から10階層のボスを目指すぞ!!」
「おう!!」 「了解」 「分かった」
こうして、俺たちは、森林系ダンジョンへむかった。
だが、3人はまだ知らなかった…
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