スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

１４話・能力覚醒

　まぁ、１年前からあんな家を持っていた事には驚いたが、今はそれよりも、ご飯が先だ。
　宿屋に帰りついた俺は、早速宿屋のおばちゃんに朝食を頼む。すぐに、熱々の朝食が運ばれてきた。
　
「いただきます！！」

　記憶が戻る前から、ここのご飯を何度も食べている筈なのに、初めて食べたかのように美味しかった。２度も、おかわりしてしまった。
　タプタプになったお腹をさすりながら、部屋に戻る。食べすぎたせいか、少し吐きそうだ…
　部屋に戻ると、ベッドに座り込み、改めて今の自分のステータスを確認してみる。

「ステータス」

　名前:セウン　種族:人間　年齢:15　性別:男
　LV: 30　HP:112　MP:65
　力: 61　器用: 64　防御:54　敏捷: 60
　知力: 76　精神:49　運: 62　魅力:40
　スキル:睡眠、剣術Lv3
　称号:転生者

　ステータスは、記憶通り、だけど記憶に無い称号が増えてるな…　まぁ、どう見ても俺が記憶を思い出したのが、原因だろうな…
　とりあえず、詳細を見てみる。

転生者　・・・　異世界から転生した者に与えられる隠し称号。(称号効果:LV、スキルLv上昇率アップなど)

「へぇ～、LVが上がりやすくなるのか。これは、ありがたいな」

　その後は、睡眠の能力についても確認した。やってみない事には分からないが、色々な事が出来そうだ。では早速、朝覚えた能力を使ってみる事にした。

「眠れる力ソーン・能力覚醒！！」

　すると、

「痛ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ～～～！！」

　頭の内側からハンマーで殴られたような、強烈な痛みが襲ってくる。ベッドの上でのたうち回る。下から何か言われた気がするが、痛すぎて、それ所ではなかった。
　少しして、痛みが徐々に引いていき、ベッドに腰かける。

「ﾊｧﾊｧ…　こんな事、詳細に書いてなかっただろ…」

　もう一度、ステータスを確認してみると、確かにスキルを１つ覚えていた。痛みに耐えたかいがあった。
　覚えたスキルも今後、役に立ってくれそうだ。だけど、もしもの事がない限り、この能力は使わない事にした。だって痛いの嫌じゃん…
　さてまだ、食べた物を消化しきれてないので、今度は、自分のランクを調べてみる事にした。

「え～と、こういう場合は、ギルドカードだよな」

　俺は、ギルドカードを取り出す。

「確か、魔力を流すとカードに写し出されるんだったか？」

　俺は、ギルドカードに魔力を流す。

「あれ？　写し出されない？」

　もう一度、魔力を流すが、やはり何も写らない。
　壊れたのか？
　まだ、少し痛いが散歩がてら、冒険者ギルドに行って、聞いてみる事にした。
　

◆


　散歩がてら歩き、２階建ての建物にたどり着いた。あれが冒険者ギルドだったよな…
　中へ入ると、そのままカウンターの前にある列に並ぶ。少しして、俺の番がやってきた。