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12話・追放 1
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ドンドンドン
勢い良く、扉が叩かれる。
考える事を止め、扉を開ける。
そこには、赤みがかった茶髪の白いローブのような物を着ている男がいた。確か、こいつは…
「ベンか… どうかしたのか?」
こっちでの記憶を思い返しても、あいつらが、1人で俺の所に、訪ねてくる事なんて珍しい事だ。
「どうしたもこうしたもないですよ。昨日の内に、話があるから、迎えに行くと伝えてた筈ですよ?」
昨日の出来事を思い返してみる。
「あぁ、そういえばそんな話してたな…」
「準備は出来てますね?」
「今起きたばかりだから、少し待っていてくれ」
「チッ… 分かりました。宿の外で待ってるので早く来て下さい」
そう言うと、早足で走り去っていった。
「あいつ今、普通に舌打ちしやがったよな… って事は、やっぱり、今までの俺の待遇は…」
考え事をしながらも、手早く準備を済ます。
お腹も減ってるし、何か食べたい気持ちもあるが、一応人を待たせてあるので、我慢してそのまま外に出ると、少し離れた場所に、ベンは待っていた。
「待たせたな。それで、他の奴らは?」
他の奴らは、外で待っているのかと思ったが、ベンしかいないので、聞いてみた。
「ユーベルや兄さんは、別の場所にいます。私について来て下さい」
はぁ… ご飯は、しばらくお預けをくらいそうだ。
「…分かった」
歩きだす、ベンの後ろについていく。
しばらく歩くと、ベンは、少し立派な家の前で、立ち止まった。俺の記憶では、こんな家は知らない。
ベンは、そのまま家の中へ入っていくので、俺もそれに続く。
中に入って、リビングのような場所に連れて行かれる。そこには、ソファーに座るユーベルとロンそれに見た事のない、全身鎧の男が座っていた。男の後ろには、頑丈そうな盾が立て掛けられていた。ベンは、ロンの横に腰をおろす。俺も座ろうかと思ったが、座る場所がないので、そのまま立っておく事にした。
「やっと来たかよ…」
ロンがそう呟いたが、お腹の減っている俺は、それを無視して、話を促す。
「それより、話って何だ? 腹減ってるから用があるなら、早く済ませたいんだけど?」
「「「!?」」」
鎧男以外の3人が少し驚いた顔をしている。
あれ? 俺なんか変な事言ったか?
「お… お前本当に、セウンだよな?」
ロンがそう聞いてくる。
「な… 何言ってんだ? 当たり前だろ? それ以外何に見えるんだよ?」
少し、言葉に詰まりながらも何食わぬ顔でそう返す。
「そ… そうだよな…」
「それより、話は何だ? ないなら、もう帰るぞ?」
俺がそう言うと、ロンとベンはユーベルを見る。
ユーベルが、俺に話があるようだ。
「俺たち3人は、既にAランク冒険者に内定してある」
Aランク冒険者ねぇ… そういえば、俺の今のランクはどのくらいなのだろうか? こいつらと一緒のクエストをしてたし、俺もAランクなのだろうか? ここ数年ギルドカード見てなかったから、後で確認してみるか…
「それがどうかしたのか?」
「お前のLVはいくつだ?」
こいつ、人の疑問に答える事なく話を進めやがる。
はぁ… まぁいいか。それで、俺のLVねぇ… えっと確か、
「30くらいだったか?」
ユーベルが少しにやける。
「そう、30だ。それに比べ俺たちは、既に、60後半だ」
「…そうだな」
確かに、ユーベルやロンは、そのくらいだった筈だ。しかも、モンスターをあまり倒していないベンですらそのくらいのLVだ。
「そして、そこにいるのが、LV63の盾職のBランク冒険者で、今日から内のパーティーに入ってくれる新しいメンバーだ!!」
鎧男を見ると、軽く会釈してくるので会釈し返しておく。視線を前に戻すと、ユーベルの顔が先程以上に、ニヤリと歪んでいた。
「だからお前は今日から、クビだ!!」
ユーベルが、そう高々と俺に言いはなった。
勢い良く、扉が叩かれる。
考える事を止め、扉を開ける。
そこには、赤みがかった茶髪の白いローブのような物を着ている男がいた。確か、こいつは…
「ベンか… どうかしたのか?」
こっちでの記憶を思い返しても、あいつらが、1人で俺の所に、訪ねてくる事なんて珍しい事だ。
「どうしたもこうしたもないですよ。昨日の内に、話があるから、迎えに行くと伝えてた筈ですよ?」
昨日の出来事を思い返してみる。
「あぁ、そういえばそんな話してたな…」
「準備は出来てますね?」
「今起きたばかりだから、少し待っていてくれ」
「チッ… 分かりました。宿の外で待ってるので早く来て下さい」
そう言うと、早足で走り去っていった。
「あいつ今、普通に舌打ちしやがったよな… って事は、やっぱり、今までの俺の待遇は…」
考え事をしながらも、手早く準備を済ます。
お腹も減ってるし、何か食べたい気持ちもあるが、一応人を待たせてあるので、我慢してそのまま外に出ると、少し離れた場所に、ベンは待っていた。
「待たせたな。それで、他の奴らは?」
他の奴らは、外で待っているのかと思ったが、ベンしかいないので、聞いてみた。
「ユーベルや兄さんは、別の場所にいます。私について来て下さい」
はぁ… ご飯は、しばらくお預けをくらいそうだ。
「…分かった」
歩きだす、ベンの後ろについていく。
しばらく歩くと、ベンは、少し立派な家の前で、立ち止まった。俺の記憶では、こんな家は知らない。
ベンは、そのまま家の中へ入っていくので、俺もそれに続く。
中に入って、リビングのような場所に連れて行かれる。そこには、ソファーに座るユーベルとロンそれに見た事のない、全身鎧の男が座っていた。男の後ろには、頑丈そうな盾が立て掛けられていた。ベンは、ロンの横に腰をおろす。俺も座ろうかと思ったが、座る場所がないので、そのまま立っておく事にした。
「やっと来たかよ…」
ロンがそう呟いたが、お腹の減っている俺は、それを無視して、話を促す。
「それより、話って何だ? 腹減ってるから用があるなら、早く済ませたいんだけど?」
「「「!?」」」
鎧男以外の3人が少し驚いた顔をしている。
あれ? 俺なんか変な事言ったか?
「お… お前本当に、セウンだよな?」
ロンがそう聞いてくる。
「な… 何言ってんだ? 当たり前だろ? それ以外何に見えるんだよ?」
少し、言葉に詰まりながらも何食わぬ顔でそう返す。
「そ… そうだよな…」
「それより、話は何だ? ないなら、もう帰るぞ?」
俺がそう言うと、ロンとベンはユーベルを見る。
ユーベルが、俺に話があるようだ。
「俺たち3人は、既にAランク冒険者に内定してある」
Aランク冒険者ねぇ… そういえば、俺の今のランクはどのくらいなのだろうか? こいつらと一緒のクエストをしてたし、俺もAランクなのだろうか? ここ数年ギルドカード見てなかったから、後で確認してみるか…
「それがどうかしたのか?」
「お前のLVはいくつだ?」
こいつ、人の疑問に答える事なく話を進めやがる。
はぁ… まぁいいか。それで、俺のLVねぇ… えっと確か、
「30くらいだったか?」
ユーベルが少しにやける。
「そう、30だ。それに比べ俺たちは、既に、60後半だ」
「…そうだな」
確かに、ユーベルやロンは、そのくらいだった筈だ。しかも、モンスターをあまり倒していないベンですらそのくらいのLVだ。
「そして、そこにいるのが、LV63の盾職のBランク冒険者で、今日から内のパーティーに入ってくれる新しいメンバーだ!!」
鎧男を見ると、軽く会釈してくるので会釈し返しておく。視線を前に戻すと、ユーベルの顔が先程以上に、ニヤリと歪んでいた。
「だからお前は今日から、クビだ!!」
ユーベルが、そう高々と俺に言いはなった。
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