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9話・スキルの覚醒 2

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 スキルが覚醒してから、更に2年の月日が流れた。
 僕たちパーティーは、確実に、強くなっていった。
 ユーベルやロンたちよりも、かなり劣っているものの僕自身も強くなったと思っている。
 今は、孤児院があった街から、拠点を王都に移している。王都の方が、受けれるクエストが多いからだ。
 あぁ、ちゃんとカリーナさんへの仕送りを少なからず、続けている。どうやら、僕たちが王都へ行った後、別の子供が孤児院に来たみたいだ。
 あれから、何気に、僕の能力も増えている。
 僕の今のステータスは、こんな感じだ。

 名前:セウン 種族:人間 年齢:12 性別:男
 LV: 15 HP:66 MP:30
 力: 26 器用: 50 防御:39 敏捷: 40
 知力: 58 精神:29 運: 52 魅力:20
 スキル:眠る(第三覚醒)、剣術Lv1
 称号:ー

 スキル:眠るの能力は、第三覚醒まで覚醒した。

 第一覚醒から8ヶ月くらいたった頃に、

『スキル:眠るの第二覚醒条件をみたしました。第二スロットが解放され、以下の能力が使用できます』

眠れる力ソーン ・・・ 能力向上。自身及び味方の能力を約2倍まで、強化する事が出来る。(能力値:Lv1)

 スキル:眠るの第二覚醒の能力が使えるようになり、

 第二覚醒から更に、1年3ヶ月くらいたった頃に、

『スキル:眠るの第三覚醒条件をみたしました。第三スロットが解放され、以下の能力が使用できます』

眠るヒュプノス ・・・ 自身及び味方の睡眠時、回復速度が小アップする。(能力値:Lv1)

 スキル:眠るの第三覚醒の能力が使えるようになった。
 最初の能力も合わせて、覚えた能力は、合計3つになった。3つとも、かなり役に立ってくれている。しかも、この能力は通常の魔法とは違い、MPを消費なくても使える事が出来るようだ。
  それと、念願だった新しいスキルも覚えていた。何気に、能力を使えるようになった時より嬉しかった。
 だけど、僕は3人に比べてLVの上がりが遅いのか、この2年で、倍近くLV差が出来てしまっていた。
 だから、戦闘時は、前衛で敵のヘイトを稼ぎつつ、眠れスリープ眠れる力ソーンを使い補助に勤めて、皆が寝ている時には、夜の番をしながら、眠るヒュプノスを使って、皆の回復に徹している。
 少しでも、パーティーに貢献しようとすると、自然にそうなってしまったのだ。





 この世界には、ダンジョンと呼ばれる物がある。
 ダンジョン内には、見た事の無い宝や数多くのモンスターが棲息している。
 王都には、そのダンジョンが、なんと3つも存在している。孤児院があった村には、ダンジョンは無かったので、ダンジョンがあると聞いた時は、かわりワクワクしていた。まぁ、ユーベル曰く、ダンジョンがあるから、王都に拠点を移したのも、あるみたいだ。
 だから、ダンジョンについてなど分からない事が多いので、冒険が休みの時には、街にある図書館やギルドで情報を集めたりしている。今では、情報集めなんかも、僕の仕事みたいになっている。本を読む事は別に嫌いではないので、特に苦と言う訳でもない。

 いつものように、王都の入り口で合流して、クエストの確認を行う。

「それで、目当てのアイテムをドロップするモンスターはどこにいるんだ、セウン?」

 ロンがそう僕に、聞いてくる。
 クエストを受けたのは、ユーベルたちなので本来なら知っている筈なんだけどな…
 今でも、クエストを受けたり、達成の報告は、ユーベルたちが行ってくれている。
 だから、僕がギルドを使う時は、情報収集で、ギルドの書庫を使う時くらいだ。だけど、その時も1人ではなく、ユーベルがついてきてくれて、受付を済ませてくれる。まぁ、受付が終ると、手伝ってくれる訳でもなく、すぐにどっかに行ってしまうけどね。別にそのくらい僕1人で、出来るからついてこなくてもいいんだけど、必ずついてきてくれる。そこまで、心配されているのだろうか?

「確か、クロコディルの皮だったよね?」

「ん、そうだっけ、ベン?」

「そうだよ、兄さん。クロコディルの皮を5枚納品だね」

「だってよ。それで、そのクロコディルって奴は、どこにいるんだ?」

「クロコディルは、確か森林系ダンジョンの2階層の水辺の近くに棲息している筈だよ」

「マジかよ、森林系ダンジョンって言ったら、あのくそ広いとこだろ?」

 森林系ダンジョンは、言葉通り木々が生い茂っているダンジョンで、1階層がとても広い。

「確か、そうだね」

「だりーけど、受けたもんは、しょーがねぇか… なら、早速行こうぜ!!」

「あぁ」 「はい」 「えぇ」

 そう言って王都の森林系ダンジョンへむかった。

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