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つー
つーのつー
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翌日。
今日も横から視線を感じる。なんでだろなー。
もういっそ、ビビってないで視線合わせちゃおうかな。後のことは後で考えるってことで。
そう思いながらいつも絵を描いているノートを出そうと机の中を漁るが見つからない。
あれ?おかしいな。
カバンを漁るも見つからない。俺は授業用ノートを2、3冊と絵を描くノートを必ず持ち帰る。でも絶対に家ではノートを出さないため家に忘れることはまずない。昨日帰ってからカバンの中身をぶちまけるなんてこともしなかった。
学校で落としたのか?そう思った瞬間、背中がヒヤッとした。授業用ノートは良いにしても絵描きノートはまずい。なぜなら主にBLを思わせるような絵を描いているからだ。そのノートに名前を書いていないことは救いだったのかどうか…。持ち主が分からないから中身を見ると言う場面は何度か見たことがある。「このノート誰の?」なんて大勢の前で言われたらおしまいだ。
きっと俺は目に見えるほど真っ青な顔をしているだろう。
こりゃまずい。
いや、そうなったとしても黙っていれば良いのか。俺が絵を描くことは誰も知らない。ましてBLが好きなのも誰も知らない。
そうかそうか。一時の焦りが嘘のように引いていく。
とりあえず時間がある時にそれとなく探してみるか。
焦りが引き、気が抜けたのか、いや、気が抜けすぎたのか散々ビビっていたくせに何も考えなしに視線を感じる方へ顔を向けてしまった。
すると案の定長谷と目が合う。俺は焦るどころか冷静に(やっぱり見られてた)と真顔で見ていた。数秒だったと思うが長く感じるほど見つめ合い、長谷が先に目を逸らした。
なぜか耳まで真っ赤。耳の色と髪の毛の色が似ていて、ふふっと声を出さず笑った。人見知りなのか目が合っただけであの恐れられている不良が赤くなるのかと可愛く見えた。末期か。ふと、長谷の後ろ姿に既視感を覚える。長谷をちゃんとみるのは初めてに等しいはずなのにこうして同じように赤髪の男を見たことがあるような?なんだろう、この変な感じは。
そう俺が考えていると視線を感じたのか長谷がこちらを向く。長谷の鋭い目が見開かれまた見つめ合う時間になった。
「…なんだよ。」
固まっていた長谷が目を細めそう聞いてくる。人のこと言えないだろ。喉まで出掛かったが流石に押し込めた。
「いや、別に。ぼーっとしてたわ。」
「あっそ。」
素っ気なく返し前を向く。俺もつられて前を向いて授業に戻る。
いやいやいや、何の時間だったんだよ?
何とも言えない気持ちになり何を考えていたのか何を考えたら良いのか分からなくなった俺であった。
それ以降視線を感じなければ俺も視線を送るわけもなく、真面目に授業を受けた。時間が進み昼休み。いつも一緒に食べている友人達には先に食べててくれと言い、俺は売店に昼食を買いに行く程で廊下にノートは落ちていないか探した。
まあ落ちているわけないよね。
昼食を買いに行くと言い売店まで来たのでパンを買い、教室に戻った。そこからは普段通り友人達と談笑して昼休みが終わり、授業を受け放課後になった。
落とし物ボックス見て届けられていないことを確認し、念のため学校の中を歩き回りノートの中を見たような会話をしていないか確認し帰宅することにした。
昨日行った店にはあったとしても既に店員が回収していることは間違いないため、諦めた。
今日も横から視線を感じる。なんでだろなー。
もういっそ、ビビってないで視線合わせちゃおうかな。後のことは後で考えるってことで。
そう思いながらいつも絵を描いているノートを出そうと机の中を漁るが見つからない。
あれ?おかしいな。
カバンを漁るも見つからない。俺は授業用ノートを2、3冊と絵を描くノートを必ず持ち帰る。でも絶対に家ではノートを出さないため家に忘れることはまずない。昨日帰ってからカバンの中身をぶちまけるなんてこともしなかった。
学校で落としたのか?そう思った瞬間、背中がヒヤッとした。授業用ノートは良いにしても絵描きノートはまずい。なぜなら主にBLを思わせるような絵を描いているからだ。そのノートに名前を書いていないことは救いだったのかどうか…。持ち主が分からないから中身を見ると言う場面は何度か見たことがある。「このノート誰の?」なんて大勢の前で言われたらおしまいだ。
きっと俺は目に見えるほど真っ青な顔をしているだろう。
こりゃまずい。
いや、そうなったとしても黙っていれば良いのか。俺が絵を描くことは誰も知らない。ましてBLが好きなのも誰も知らない。
そうかそうか。一時の焦りが嘘のように引いていく。
とりあえず時間がある時にそれとなく探してみるか。
焦りが引き、気が抜けたのか、いや、気が抜けすぎたのか散々ビビっていたくせに何も考えなしに視線を感じる方へ顔を向けてしまった。
すると案の定長谷と目が合う。俺は焦るどころか冷静に(やっぱり見られてた)と真顔で見ていた。数秒だったと思うが長く感じるほど見つめ合い、長谷が先に目を逸らした。
なぜか耳まで真っ赤。耳の色と髪の毛の色が似ていて、ふふっと声を出さず笑った。人見知りなのか目が合っただけであの恐れられている不良が赤くなるのかと可愛く見えた。末期か。ふと、長谷の後ろ姿に既視感を覚える。長谷をちゃんとみるのは初めてに等しいはずなのにこうして同じように赤髪の男を見たことがあるような?なんだろう、この変な感じは。
そう俺が考えていると視線を感じたのか長谷がこちらを向く。長谷の鋭い目が見開かれまた見つめ合う時間になった。
「…なんだよ。」
固まっていた長谷が目を細めそう聞いてくる。人のこと言えないだろ。喉まで出掛かったが流石に押し込めた。
「いや、別に。ぼーっとしてたわ。」
「あっそ。」
素っ気なく返し前を向く。俺もつられて前を向いて授業に戻る。
いやいやいや、何の時間だったんだよ?
何とも言えない気持ちになり何を考えていたのか何を考えたら良いのか分からなくなった俺であった。
それ以降視線を感じなければ俺も視線を送るわけもなく、真面目に授業を受けた。時間が進み昼休み。いつも一緒に食べている友人達には先に食べててくれと言い、俺は売店に昼食を買いに行く程で廊下にノートは落ちていないか探した。
まあ落ちているわけないよね。
昼食を買いに行くと言い売店まで来たのでパンを買い、教室に戻った。そこからは普段通り友人達と談笑して昼休みが終わり、授業を受け放課後になった。
落とし物ボックス見て届けられていないことを確認し、念のため学校の中を歩き回りノートの中を見たような会話をしていないか確認し帰宅することにした。
昨日行った店にはあったとしても既に店員が回収していることは間違いないため、諦めた。
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