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尚弥と奈織
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「もう良樹君ったらぁ~!」
キャピキャピとギャルが良樹にアピールしている。
「あなたお名前は?」
目の前に座っていた、清楚系な俺より年上っぽい女性が話しかけて来た。
「あ~、俺 尚弥って言います。」
「尚弥くんって言うんだぁ!凄いかっこいいよね!ここに来てるっていうことは彼女いないの?」
「あ~、まぁそんな感じですかね…。」
俺は自分で言うのもあれだが、小学校の頃から女子から人気があった。ジャニーズまでいかないが、世間一般的に顔が整っている方である。髪は地毛の深い茶色。別に差別なく人と接するようにしているから、寄って来る女は多い。正直、運動も勉強も人並みよりは出来る。
一時期色々あり、女にだらしない時もあったが、それも卒業し、それからはずっと独り身だ。と言っても、まだ俺も20歳だけど。
「これから2人で抜け出さない?」
早くね?名前しかまだ知らない仲だけど。こういう女って大抵顔目当てなんだよな。だりぃな。
「あ~、いやぁちょっと俺飲み物とって来ますわ!」
我ながら下手くそにかわし、飲み物を取りにカウンターまで行った。前まではもっと上手くできてたんだけどなぁ。スキル落ちたわ。
そんなバカなことを考えながら飲み物を待っている時、ふと、カウンターに座ってる女性に目がいく。
黒髪のロングヘアーの清楚っぽい女性。同い年くらいかな。特に理由はなかった。気付けば自分から横に座り話しかけていたのだ。
「あ、ども。俺、尚弥って言います。隣いいですか?」
女性は一瞬俺の顔を見て固まった。その後すぐ、笑顔になったけど。俺の顔に何かついてたかな…。ていうか、めちゃくちゃ可愛い。どストライク。なにより…“あの子”にどこか似てる。何年も前の記憶でしかないが。
「どーぞ。私は奈織(なお)と言います。」
え…?なお…?
「素敵な名前ですね…。良かったら、苗字の方もお聞きしても良いですか?」
「…岸田。岸田奈織です。」
あぁ…。いや、まぁそうだよな。なにやったんだ俺。
「あぁ…、そうなんですね。あのよろしければラインとか教えてもらっても良いですか?いや、なんだろ。いきなりですよね。ハハ。もう少しあなたのこと知りたいなって思って…。」
名前しか知らないのになにやってるんだ。これじゃあ、さっきの女とやってること変わらないじゃないか。絶対嫌がられるだろうな。そんなこと思いながら、恐る恐る顔を見てみた。ドキッ。俺の思いとは裏腹に凄い綺麗に微笑んでいたのだ。一瞬で気持ちが持っていかれるのがわかった。もしかして何かこの先あるかもと期待している自分もいる。普通嫌がるだろ。この人も俺の顔目当てなのか?自分で聞いておいて、こんなこと思う俺もひどいやつだ。胸が高鳴ったり、1人で落ち込んだり…バカか俺は。
「じゃあ、ふるふるしますか」
「ふるふる?」
「知らないんですか?ラインの画面開いてください。ここをこうして…振ってください!」
言われた通りしてみる。
「あ、登録された。こんな機能あったんだ…。」
俺の友達に“岸田奈織”の名前が追加された。
キャピキャピとギャルが良樹にアピールしている。
「あなたお名前は?」
目の前に座っていた、清楚系な俺より年上っぽい女性が話しかけて来た。
「あ~、俺 尚弥って言います。」
「尚弥くんって言うんだぁ!凄いかっこいいよね!ここに来てるっていうことは彼女いないの?」
「あ~、まぁそんな感じですかね…。」
俺は自分で言うのもあれだが、小学校の頃から女子から人気があった。ジャニーズまでいかないが、世間一般的に顔が整っている方である。髪は地毛の深い茶色。別に差別なく人と接するようにしているから、寄って来る女は多い。正直、運動も勉強も人並みよりは出来る。
一時期色々あり、女にだらしない時もあったが、それも卒業し、それからはずっと独り身だ。と言っても、まだ俺も20歳だけど。
「これから2人で抜け出さない?」
早くね?名前しかまだ知らない仲だけど。こういう女って大抵顔目当てなんだよな。だりぃな。
「あ~、いやぁちょっと俺飲み物とって来ますわ!」
我ながら下手くそにかわし、飲み物を取りにカウンターまで行った。前まではもっと上手くできてたんだけどなぁ。スキル落ちたわ。
そんなバカなことを考えながら飲み物を待っている時、ふと、カウンターに座ってる女性に目がいく。
黒髪のロングヘアーの清楚っぽい女性。同い年くらいかな。特に理由はなかった。気付けば自分から横に座り話しかけていたのだ。
「あ、ども。俺、尚弥って言います。隣いいですか?」
女性は一瞬俺の顔を見て固まった。その後すぐ、笑顔になったけど。俺の顔に何かついてたかな…。ていうか、めちゃくちゃ可愛い。どストライク。なにより…“あの子”にどこか似てる。何年も前の記憶でしかないが。
「どーぞ。私は奈織(なお)と言います。」
え…?なお…?
「素敵な名前ですね…。良かったら、苗字の方もお聞きしても良いですか?」
「…岸田。岸田奈織です。」
あぁ…。いや、まぁそうだよな。なにやったんだ俺。
「あぁ…、そうなんですね。あのよろしければラインとか教えてもらっても良いですか?いや、なんだろ。いきなりですよね。ハハ。もう少しあなたのこと知りたいなって思って…。」
名前しか知らないのになにやってるんだ。これじゃあ、さっきの女とやってること変わらないじゃないか。絶対嫌がられるだろうな。そんなこと思いながら、恐る恐る顔を見てみた。ドキッ。俺の思いとは裏腹に凄い綺麗に微笑んでいたのだ。一瞬で気持ちが持っていかれるのがわかった。もしかして何かこの先あるかもと期待している自分もいる。普通嫌がるだろ。この人も俺の顔目当てなのか?自分で聞いておいて、こんなこと思う俺もひどいやつだ。胸が高鳴ったり、1人で落ち込んだり…バカか俺は。
「じゃあ、ふるふるしますか」
「ふるふる?」
「知らないんですか?ラインの画面開いてください。ここをこうして…振ってください!」
言われた通りしてみる。
「あ、登録された。こんな機能あったんだ…。」
俺の友達に“岸田奈織”の名前が追加された。
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