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監禁型①
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『お姉ちゃんにいっぱい甘えて? このお家で、ずうっと一緒に暮らそうね! ふふ、これから君のことたっくさんお世話できるなんて……私、幸せ!』
「あー、わかった、これあれか。主人公って人権ないやつ?」
「あるよ」
なにがわかったんだ。なくてたまるか。
翔が平然とした顔で世迷言をいっているが、今日攻略しているのは歪んだ愛情を向けてくるお姉さんキャラ。ほんわかしている面倒みの良い性格と、監禁へ至る思考回路のぶっ飛び具合のギャップに胸が熱くなる。
「好きな人、監禁しちゃうんだね」
「……お前もしたいとか言うんじゃねーだろうな」
疑いの目を向ける翔に、文月くんはふるふると控えめに首を横に振る。
「おれが閉じ込めるなんて、恐れ多い、から……」
「……なるほど?」
でも確かに、文月くんが好きな人を監禁する様は想像がつかない。
前に俺のことを好きだと言ってくれたときは、そういえば──神様、なんて言っていたっけ。恐れ多い、というのは、文月くんは好きな相手に対してそういった信者のような感覚を覚えるからだろうか。今彼に好きな人がいるならば、さすがに俺から変わっただろうけれど──どんな相手か、少し気になる。
「ねーねー直くん!」
ぼんやりと考え事をしていたとき、思考を現実へ引き戻す溌剌とした声が響いた。はっとして声の方向を見れば、四方田くんが目をきらきらと輝かせてそこにいる。
俺を喰うだなんてぶっ飛んだ思考をしてしまった彼だが、今のところ一度も噛まれることもなく。喫茶店のときのような、肉食獣にも似た凶暴性は嘘のように姿を消していた。今では仲のいい友人として関係を続けてくれている。ありがたいことだ。
……ただひとつ、引っかかる点をあげるとするなら。たまに、本当にたまに。俺を見ながら腹の音を鳴らすときがあることが、少し気になるくらいだろうか。
「バスケ部興味ねえ!?」
突然の質問に、目を瞬かせた。バスケ部。確か、彼が所属していたはずだ。どうしていきなり。
「バスケ部って……四方田くんが入ってるんだよね」
「そー!」
大きな目はなんだか──期待を浮かべている、ように見える。
「良かったらさ、一回でいーから見学しに来て! ぜってーカッコイイとこ見せっから!」
思ってもみなかった誘いに、また瞬きを繰り返した。運動は──正直、得意ではない。だけれど、見学くらいなら。彼の誘いを断るのもなんだか申し訳ないし、部活中の四方田くんが見てみたい気もするし。
「……じゃあ、今日とか?」
「マジ!? やった、嬉し!!」
返ってきたのは一段と弾んだ声。喜色満面といった様子に、不思議とこちらまで嬉しくなってしまう。帰宅部の俺は、なにかこれといって部活に打ち込んだこともない。中学の頃は惰性で卓球部に入っていたが、特段上手くなることもなく。
今までだったら関わることもなかっただろう、青春を謳歌する生徒たちの熱を見学してみたい。なかなかない機会だろうし。
「へへ、じゃあ放課後よろしく! 部長にも一応話しとくから!」
笑顔を絶やさないまま、教室を後にした。早速その部長のところへ向かったのだろうか。行動力の塊のような人物だ。
「……お前、俺の部活見学にも来たことねーのに」
呆れにも似た色を浮かべて、翔が漏らす。じとりとした視線が刺さった。
「……今度行こうか?」
「来てみろ。死ぬほどしごいてやるよ」
「じゃあ嫌だよ!」
サッカーなんて苦手どころの騒ぎじゃない。今でも覚えているのだ。あれは中学時代の授業だった。こちらに回ってきたボールを蹴ろうと意気込んだのだが盛大に空振り、しばらくの間クラスの笑いものになったことが今でも頭の中にこびりついている。
今思い出しても反射的に大声を出したくなる。早く記憶から消したい。運動音痴にとって体育の授業はトラウマものなのだ。
黒歴史と戦っていた俺の袖が、くい、と引かれる。文月くんだった。
「……入部とか、するの?」
「え? いやあ……俺運動とか無理だし。見学で精一杯だね」
「そっか。……一緒に帰れる日、減っちゃうかと思ったから……よかった」
「っはは、大丈夫だよ」
それこそ杞憂だ。一笑に付せば、文月くんも安心したように微笑んだ。……部活に入って共に帰れないとなると、参宮くんもなにか言ってきそうだ。大穴で俺も部活に入るとか? ありえない話ではないだろう。
「……でも、一条くんも、嫌じゃないの?」
「は? なんで?」
ぽかんとした声。文月くんが、一瞬物言いたげに視線を伏せた、ように見えた。
「……だって、一条くん……」
言葉を切る。なんだろうと思って待つが──文月くんは翔の目を見て、少し考えるような素振りを見せ。ゆっくりと唇を開いた。
「……四方田くん、田山くんのこと食べようとしてたし……」
「……あ? 待て今なんつった」
「あれ翔もうクラス帰んないとヤバいんじゃない!? もう予鈴鳴りそうだし急いだら!?」
目の色が変わった翔の背中を押す。「まだ時間あんだろ」「押すな」「転ぶからやめろ!」わーわー言っているが、耳を傾けている場合ではない。確実に、面倒なことになるから。なんやかんやで面倒みの良い幼馴染は、隅々まで話を聞いてくるだろう。恐らく俺は、それを上手くかわすこともできない。
「お前後で絶対話聞くからな!!」
捨て台詞のように吐かれたそれ。ただ死期を遅めているだけだと気がついたのは、渋々自分のクラスに戻っていく後ろ姿を見つめていたときだった。
「……ごめん、田山くん……」
いつの間にかそばに来ていた文月くんが、申し訳なさそうに謝罪を口にする。
「いや、大丈夫……だけど……なんでいきなり爆弾落としたの……?」
「…………仲良いから、もう言ってるかと思っちゃって……本当に、ごめんね」
「ああー……まあ、そうか……」
顔を俯かせ、反省の色を見せる彼。なんだか、叱られた大型犬にも似ている。あの事件は言わないように口裏を合わせるべきだった。
しくったな。自分も反省とともに、頭を搔く。「気にしてないし、席戻ろ!」笑って言えば、彼も安心したように笑みを零した。
……とにもかくにも。どう弁解するのか、脳をフル回転させて精一杯考えよう。あの幼馴染をなんとか納得させられるように。
次の休み時間にはやって来て、今度こそ根掘り葉掘り聞かれるだろうから。頬を包み込むように軽く叩き、活を入れた。
「あー、わかった、これあれか。主人公って人権ないやつ?」
「あるよ」
なにがわかったんだ。なくてたまるか。
翔が平然とした顔で世迷言をいっているが、今日攻略しているのは歪んだ愛情を向けてくるお姉さんキャラ。ほんわかしている面倒みの良い性格と、監禁へ至る思考回路のぶっ飛び具合のギャップに胸が熱くなる。
「好きな人、監禁しちゃうんだね」
「……お前もしたいとか言うんじゃねーだろうな」
疑いの目を向ける翔に、文月くんはふるふると控えめに首を横に振る。
「おれが閉じ込めるなんて、恐れ多い、から……」
「……なるほど?」
でも確かに、文月くんが好きな人を監禁する様は想像がつかない。
前に俺のことを好きだと言ってくれたときは、そういえば──神様、なんて言っていたっけ。恐れ多い、というのは、文月くんは好きな相手に対してそういった信者のような感覚を覚えるからだろうか。今彼に好きな人がいるならば、さすがに俺から変わっただろうけれど──どんな相手か、少し気になる。
「ねーねー直くん!」
ぼんやりと考え事をしていたとき、思考を現実へ引き戻す溌剌とした声が響いた。はっとして声の方向を見れば、四方田くんが目をきらきらと輝かせてそこにいる。
俺を喰うだなんてぶっ飛んだ思考をしてしまった彼だが、今のところ一度も噛まれることもなく。喫茶店のときのような、肉食獣にも似た凶暴性は嘘のように姿を消していた。今では仲のいい友人として関係を続けてくれている。ありがたいことだ。
……ただひとつ、引っかかる点をあげるとするなら。たまに、本当にたまに。俺を見ながら腹の音を鳴らすときがあることが、少し気になるくらいだろうか。
「バスケ部興味ねえ!?」
突然の質問に、目を瞬かせた。バスケ部。確か、彼が所属していたはずだ。どうしていきなり。
「バスケ部って……四方田くんが入ってるんだよね」
「そー!」
大きな目はなんだか──期待を浮かべている、ように見える。
「良かったらさ、一回でいーから見学しに来て! ぜってーカッコイイとこ見せっから!」
思ってもみなかった誘いに、また瞬きを繰り返した。運動は──正直、得意ではない。だけれど、見学くらいなら。彼の誘いを断るのもなんだか申し訳ないし、部活中の四方田くんが見てみたい気もするし。
「……じゃあ、今日とか?」
「マジ!? やった、嬉し!!」
返ってきたのは一段と弾んだ声。喜色満面といった様子に、不思議とこちらまで嬉しくなってしまう。帰宅部の俺は、なにかこれといって部活に打ち込んだこともない。中学の頃は惰性で卓球部に入っていたが、特段上手くなることもなく。
今までだったら関わることもなかっただろう、青春を謳歌する生徒たちの熱を見学してみたい。なかなかない機会だろうし。
「へへ、じゃあ放課後よろしく! 部長にも一応話しとくから!」
笑顔を絶やさないまま、教室を後にした。早速その部長のところへ向かったのだろうか。行動力の塊のような人物だ。
「……お前、俺の部活見学にも来たことねーのに」
呆れにも似た色を浮かべて、翔が漏らす。じとりとした視線が刺さった。
「……今度行こうか?」
「来てみろ。死ぬほどしごいてやるよ」
「じゃあ嫌だよ!」
サッカーなんて苦手どころの騒ぎじゃない。今でも覚えているのだ。あれは中学時代の授業だった。こちらに回ってきたボールを蹴ろうと意気込んだのだが盛大に空振り、しばらくの間クラスの笑いものになったことが今でも頭の中にこびりついている。
今思い出しても反射的に大声を出したくなる。早く記憶から消したい。運動音痴にとって体育の授業はトラウマものなのだ。
黒歴史と戦っていた俺の袖が、くい、と引かれる。文月くんだった。
「……入部とか、するの?」
「え? いやあ……俺運動とか無理だし。見学で精一杯だね」
「そっか。……一緒に帰れる日、減っちゃうかと思ったから……よかった」
「っはは、大丈夫だよ」
それこそ杞憂だ。一笑に付せば、文月くんも安心したように微笑んだ。……部活に入って共に帰れないとなると、参宮くんもなにか言ってきそうだ。大穴で俺も部活に入るとか? ありえない話ではないだろう。
「……でも、一条くんも、嫌じゃないの?」
「は? なんで?」
ぽかんとした声。文月くんが、一瞬物言いたげに視線を伏せた、ように見えた。
「……だって、一条くん……」
言葉を切る。なんだろうと思って待つが──文月くんは翔の目を見て、少し考えるような素振りを見せ。ゆっくりと唇を開いた。
「……四方田くん、田山くんのこと食べようとしてたし……」
「……あ? 待て今なんつった」
「あれ翔もうクラス帰んないとヤバいんじゃない!? もう予鈴鳴りそうだし急いだら!?」
目の色が変わった翔の背中を押す。「まだ時間あんだろ」「押すな」「転ぶからやめろ!」わーわー言っているが、耳を傾けている場合ではない。確実に、面倒なことになるから。なんやかんやで面倒みの良い幼馴染は、隅々まで話を聞いてくるだろう。恐らく俺は、それを上手くかわすこともできない。
「お前後で絶対話聞くからな!!」
捨て台詞のように吐かれたそれ。ただ死期を遅めているだけだと気がついたのは、渋々自分のクラスに戻っていく後ろ姿を見つめていたときだった。
「……ごめん、田山くん……」
いつの間にかそばに来ていた文月くんが、申し訳なさそうに謝罪を口にする。
「いや、大丈夫……だけど……なんでいきなり爆弾落としたの……?」
「…………仲良いから、もう言ってるかと思っちゃって……本当に、ごめんね」
「ああー……まあ、そうか……」
顔を俯かせ、反省の色を見せる彼。なんだか、叱られた大型犬にも似ている。あの事件は言わないように口裏を合わせるべきだった。
しくったな。自分も反省とともに、頭を搔く。「気にしてないし、席戻ろ!」笑って言えば、彼も安心したように笑みを零した。
……とにもかくにも。どう弁解するのか、脳をフル回転させて精一杯考えよう。あの幼馴染をなんとか納得させられるように。
次の休み時間にはやって来て、今度こそ根掘り葉掘り聞かれるだろうから。頬を包み込むように軽く叩き、活を入れた。
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