抱く気満々だった新妻から「白い結婚にしましょう」と言われた

黒水玉

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彼の本気、彼の欲望※

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「うっ、ふぅ、うぅ……」

バレットに胸の頂きを舐められながら、リリアーナはまだ泣き言を言っている。

「こ、こんな明るいうちから……汗もかいてるのに……さっき泣いたから顔もぐちゃぐちゃなのにぃ……」

「大丈夫だ。いつもどおり綺麗だぞ」

「それはそれで複雑……んんっ」

反対の頂きを無骨な指がきゅっとつまみ上げる。ごねる彼女に反して、そこは誘うようにぷっくりと赤く立ち上がっていた。

リリアーナは自分に厳しく、いつも完璧であることを心がけている。それが崩れてしまうのが怖いのだろう。
そもそも、いつもなら彼女は美しいドレスをきっちり着込んでいるので、経験値の浅いバレットには脱がせられなかったはずだ。けれど、昨夜の出来事は彼女にもダメージを与えていたようで、今日は朝からなにもする気が起きず、部屋着のワンピース姿で一日過ごしていたらしい。おかげでバレットは着々と彼女を脱がすことに成功している。

「俺は君が完璧じゃなくても愛している」

リリアーナの腰に引っかかったドレスを足から引き抜きながら、バレットは言う。

「時々敬語が崩れるところとか、意外と鋭いツッコミをするところとか、そういうところも含めて君を愛してる」

「旦那様って変わってますわね……」

「あんなふうに感情をあらわにして泣くんだということも知れてよかった」

「あれは忘れてください……」

「ただ今後は俺の前でだけ見せてほしい。他の者の前で君の弱いところを出してほしくない」

「…………」

リリアーナがなんとも言えない表情でバレットを見上げている。その意味を察した彼は、上着を脱ぎながら告げた。

「言葉にしなければ伝わらないとわかったからな。これからはできるかぎり口に出そうと思って」

はたして、返した言葉は彼女の疑問に合致したのだろう。口をもごもごさせながら、明後日の方向を見つめている。普段見せない幼い仕草がかわいくて、バレットはふっと頬を綻ばせた。

「こんな時だけ笑うの、ずるい……」

リリアーナが呻くように呟く。

「嫌か?」

「…………嫌じゃない」

なら今後はもっと頑張って表情筋を動かすようにしよう。生まれ持ったものなので、うまくできるかは不明だが。

考えながら、リリアーナの秘所に手を伸ばす。

「すごいな。もうこんなに濡れてる」

「いっ、言わなくていいです!」

「すまん、感動してしまって……」

彼女の下着はぐっしょりと濡れ、秘部にはり付いている。そのあまりの淫靡さにバレットはゴクリと唾を飲み込んだ。人差し指でそっと割れ目をなぞると、リリアーナの腰がビクリと跳ねる。そのまま前後に動かすと、さらに愛液があふれて下着を濡らしていった。

「あっ、やぁ、旦那様っ……」

バレットが指を動かすたびに、リリアーナは声を漏らしながら体を揺らす。なにかに急かされるようにバレットが彼女の下着をはぎ取ると、そこはすでにしとどに蜜を滴らせていた。

「……舐めてもいいか?」

「はっ!?」

彼女の了承をとる前に足元に移動する。なかば強引に細い足を割り開くと、リリアーナは声にならない悲鳴を上げた。

ちゅうっと秘部に口付けてみる。

「ひゃあっ!」

リリアーナは驚いたようにのけぞるが、不快そうな素振りはない。「汚いからダメです!」などと叫んではいるが、バレットはまったく汚いと思わないので大丈夫だろう。

割れ目を下から上に舐め上げてみたり、小さな花芽を舌先でつついてみたり。

「は、あぁっ、んっ」

そのどれもにリリアーナは良い反応を示す。ならばと、今度は指を一本、彼女の秘所に差し込んだ。

「んっ、くっ……」

さすがに指は苦しかったのか、リリアーナが唸る。

「すまん。痛かったな」

なだめるように白い腹を撫で、指はそれ以上奥には入れず、バレットは舌を伸ばした。指を咥え込ませたまま、その周りのひだをねっとりと舐め上げる。

「あっ、ひっ……!」

舌先を尖らせて、慎ましやかな花芽をツンツンつつく。くるくると円をかくように舌で転がすと、バレットの指を咥え込んだ中がきゅうきゅう締まった。

「ふっ、うっ、~~~っ!」

口淫をくり返しながら少しずつ指を動かしていくと、次第に中も柔らかくほぐれてきた。リリアーナの様子を見ながら、指を二本、三本と増やしていく。すると、いつの間にか舌だけでなく、指で中をこすられる刺激にもリリアーナは身悶えだした。

「指と舌、どっちがいい?」

「わ、かんないっ……」

「そうか。俺も初めてだからわからないな。よくなってきたら教えてくれ」

「えっ……あ、ああぁっ!」

言葉のとおり、バレットは指と舌両方を駆使してリリアーナを攻めた。それだけでなく、空いた片手で胸の頂きも刺激する。リリアーナはなにがなにやらわからぬまま、迫りくる絶頂に襲われ、陥落した。何度も快感を極めさせられ、「どっちも気持ちいい」と泣き、最終的には「もう入れてぇ!」と叫ぶ羽目になったのだった。


バレットはようやく満足したように顔を上げ、リリアーナの愛液にまみれた口元を手の甲で乱暴にぬぐう。その仕草に頬を染めながら、リリアーナはバレットの制服をつかんだ。「ん?」と目を瞬かせる彼に「あなたも脱いで……」と囁く。自分は裸にされているのに、バレットは上着しか脱いでいないからだろう。

「ああ、そうだな。一緒がいいな」

まるで小さな子どもをあやすような口調で、バレットはリリアーナの頭を撫でた。他の者はおそらく、バレットのこんな声を聞いたことがない。

性急に服を脱ぐと、バレットの雄芯はすでにビキビキと立ち上がっていた。その凶悪な見た目にリリアーナは唖然と固まっているが、瞳にはわずかな期待も見え隠れしている。

「挿れるぞ」

宣言して、リリアーナの濡れそぼった秘所にバレットのものをこすり付ける。

「き、きて……」

小さく答えたリリアーナに一瞬脳が焼かれ、バレットはグッと腰を押し付けた。

「うぅっ……!」

リリアーナの顔が痛みに歪む。彼女の隘路あいろはとても狭く、本当にバレットを受け入れられるのか疑問なほどだ。だが、やめるという選択肢はバレットにはなかった。
リリアーナの頭をかき抱いて、唇を奪う。舌を差し込み、彼女の口内をあますことなく犯し尽くす。

「ふぁっ、んん……」

リリアーナも拙い動きながら、バレットの舌に応えてくれた。キスの動きに合わせるように、少しずつ腰を進めていく。
そうして、いつしかリリアーナはバレットのものを全て受け入れた。

「リリアーナ、大丈夫か。息をしろ」

「はっ、はっ、はっ……」

労るように頭を撫でると、リリアーナはなんとか呼吸をくり返した。

「辛かったな。ありがとう、受け入れてくれて」

彼女の髪や頬を撫で、こめかみに口付ける。

「いい、のよ……私も……うれしい、から……」

息も絶え絶えになりながらリリアーナは言う。

「だけどっ……動くのは、少し、待ってもらえるかしら……」

「ああ、わかっている。大丈夫だ、俺は待てができる犬だからな」

「あなたはどちらかというと狼ってかんじだけど……」

リリアーナがバレットの黒い短髪を撫でる。背が高いバレットは、誰かに撫でられたことなど小さい頃しかない。そのせいかやけにグッときてしまった。相変わらず表情にはまったく出ていなかったが。

「んっ、だ、旦那様……何故かさらに大きくなっている気がするのですが……」

「すまん」

頭を撫でられたのがうれしい、とはさすがに恥ずかしくて言えず、バレットはただ謝罪した。

「そういえば、その『旦那様』って呼び方……」

「お嫌ですか?」

「嫌ではないんだが……」

結婚した令嬢が夫を旦那様と呼ぶことはわりとある。きっと彼女は己を律するためにも、そう呼んでいるのだろう。けれど――

「名前で……呼んでほしい」

他の誰でもない、彼女に。

「……本当に素直」

リリアーナが感心したように言う。

「悪いか?」

「いいえ、ちっとも」

くすりと微笑み、リリアーナはバレットの頬を撫でた。

「――バレット」

彼女に名を呼ばれた途端、ずくん! とバレットの下半身がうずいた。

「あっ! ま、また大きく……?」

「……すまん、限界だ」

「え?」

「抱かせてくれないか」

息を荒げながら、バレットは許しを乞うた。きっと余裕のない顔をさらしてしまっているだろう。だがもう我慢できなかった。早くこの美しい人をめちゃくちゃにしたいと、バレットの本能が告げている。

「は、はい……」

リリアーナが小さく頷く。それを確認し終わらないうちに、バレットはずるりと腰を引いた。

「あっ、あ!」

またゆっくりと奥に挿入する。急がず、時間をかけて。
緩慢な動作を続けていると、リリアーナの中がヒクヒクと痙攣し始めた。

「は、あ……だんな、さま……」

「名前」

「ば、バレット……」

「ああ。どうした?」

「そ、その……」

リリアーナは顔を真っ赤にして口ごもる。太ももがもじもじと動いて、バレットの脇腹をくすぐった。

「なんだ?」

「んっ、あっ、あの……もう大丈夫です」

「大丈夫? なにがだ?」

「その……普通に、動いてくださっても……」

顔を赤く染めたリリアーナは、口元を隠してボソボソと呟く。バレットは目を細めると、リリアーナの耳に唇を寄せた。

「普通にと言われても、経験がないからわからないな。どんなふうに動いてほしいんだ?」

「っ!!」

彼女がなにを求めているのか察しておきながら、バレットは尋ねる。

「ほら、言ってみろ」

相変わらずゆるやかな抽挿を続けながら、リリアーナを見つめる。彼女はこれ以上ないほど頬を紅潮させ、口をパクパクさせている。

「このままずっとこうするか?」

「やっ、やぁ……っ」

「じゃあ教えてくれ。俺にどうしてほしい?」

立ち上がった乳首を両手でつまみながら尋ねると、リリアーナは大袈裟に背筋をそらせた。

「あん、いっ、意地悪……!」

目に涙を溜めてバレットを睨む。しかし、バレットが薄く笑ったまま動かないので、リリアーナは唇を噛みしめて、口を開いた。

「も、もっと……激しく、して、ください……」

「激しく、か。こんなかんじかっ?」

「あんっ! あっ、あぁっ!」

ご所望どおり、リリアーナの膝裏に手を入れ、激しく腰を打ち付ける。しばらく慣らしたおかげか、リリアーナに痛みはないようだ。甘やかな嬌声を漏らし、ビクビクと体を震わせている。

「あっ、おっ、お腹っ……あついっ……!」

バレットに揺さぶられながら、リリアーナが叫ぶ。一定のスピードで、何度も何度も中を穿つ。思い付いたように奥をグリグリとえぐってやると、彼女は喉をそらして声を上げた。

「ここがいいのか?」

「やぁっ! だめ! それだめ!」

だめと言われてやめるわけがない。心得たとばかりにバレットはリリアーナの奥をズンズンと穿つ。

「ひゃあっ! だめ! 止まって! 止まってぇ!」

「なんで」

「きちゃうっ、また、イッちゃうぅ……!」

泣き喘ぐリリアーナに、バレットはことさら優しい声で語りかけた。

「ああ。イけ、リリィ」

「あ――――っ!!」

ビクビクと体を震わせながら、リリアーナは絶頂した。搾り取られるような腟内の収縮に、バレットも彼女の中に欲を吐き出す。
自分の声に導かれてまんまとイくなんて、なんてかわいらしいのだろう。恥ずかしいのか涙目で息を荒げるリリアーナに、バレットのものが再び硬さを取り戻す。

「あっ、ちょ!? バレット!? ま、待って、私まだ……あぁっ!」

ぐったりとするリリアーナをうつ伏せにし、後ろから再び挿入しながら、もしかして自分はSの気があるのかもしれないとバレットは思った。



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