異世界グランハイルド・アレンと召喚獣-守護魔獣グランハイルド大陸物語ー

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第五章

第六十三話・王都ホワイト・キング・ガーデン①ウサギ耳

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 アレン達一行は、やっと、王都ホワイト・キング・ガーデン城郭都市の城外壁に辿り着いた。
 ホワイト・キング・ガーデンは二重の城壁に守られている大要塞都市で城外壁には百基以上の望楼ぼうろうが建っており、外敵からの侵入を阻んでいる。
 そして、王都の名前の由来となった白くて、高い城壁が何処までも続いている。
 
 その城外壁の大外門の一つ、ツインズ・ヘッドに降り立つ。
 アレンはその高い高い門を見上げた。その名の通り、二匹のライオンの頭部が彫られており、その鋭い目で上から通行人や旅人達を睥睨へいげいしている。アレン達は勿論の事、初めて王都に来た人々が、馬車等から一旦降りて見上げる名所にもなっている。通い慣れている商人達は目もくれないで、その横を素通りして行く。
 
 アレンは伯爵に教えて貰った通りに、さっきから、右に行ったり左に行ったりしている。どこに行こうと、ライオンの目が睨みつけてくるのだ。(そのように、彫刻されていた。)
 それは子供心を大いに刺激し、アレンは飽かずに何度も往復する。
 そんな子供らしい反応をするアレンを伯爵を始めとする大人達は、目を細めて見ていた。

 「お~い、もういいか。皆待ってるぞー」痺れを切らしたバルトが叫んだ。その声に振り向いたアレンが駆けて来る。その頭はきっちりとフードを被っており、その下は念の為、髪の毛が見えないように長いスカーフで包まれていた。
 「ごめんなさい」アレンは、バルトの側まで来ると、謝った。
 「さあ、サッサと、乗り込んだ。今から驚いてたら城に着くと、腰を抜かすぞ」バルトはアレンを馬車の中に追いやると、手を上げて出発の合図を出した。

 前持って、到着の先触れを出していたので、難なく貴族用門から中に入る事ができた。通用門の方には、たくさんの人や馬車が並んで、入る順番を待っている。
 アレン達が泊るのは、内側となる城郭壁の中の屋敷で、一棟丸々借り上げてある。中を取り仕切る執事やメイド、料理人もいつもとほぼ変わらない者達を雇い、手配済みだ。

 城郭壁の内門に着く前に、正午となり顔見知りの宿屋で昼食を取り、少し休む事になった。アレンは道の両側に並んだ店の多さと、人々のごった返す様を初めて見て少々、疲れた気分になった。余りにも人が多く、圧倒される。
 昼食が済んだ後、伯爵達は部屋を取って少し休んで行く事になった。アレンも部屋で横になって目を閉じている。

 休んでいる宿屋は大きく、アレンの部屋は三階にあり窓からの景色がよく見える。だが、見えるのはほとんどが建物の屋根ばかりだ。その上、窓の半分は中庭に生えている木の枝に遮られていて、手を伸ばせば届く所に枝があった。ジョエル達、側仕えは直ぐ前の部屋を陣取り、扉を開けてアレンの部屋が見えるようにして、これからの打ち合わせをしていた。

 暫く目を閉じていると、羽掛け布団(羽布団よりも薄い物)の中から、クッキーが出て来た。
 クッキーは、いつもの自由さでベットの上を跳ねて窓枠の所に行くと、目の前の枝に飛び移る。
 「クッキー、戻っておいで」アレンも窓枠の所まで行くと、手を伸ばして捕まえようとした。すると、クッキーはピョンと少し、先に飛ぶ。
 「クッキー!」少し、怒った風に呼んだが、又、少し先にピョンと跳ねる。アレンは窓枠から精一杯身体を乗り出して、クッキーを捕まえようと手を伸ばしたが、その手は空を切るとアッと言う間にバランスを崩して窓から落ちた。

 バキバキバキッ。細い枝を薙ぎ払いながら落下するが、寸での所でクッキーに腕を掴まれて、地面と衝突するのを免れた。
 「ふ~。ありがと、クッキー」そうして、ゆっくり地面に下ろして貰う。
 
 「アレンー、大丈夫かー」窓から、ジョエルが顔を出して怒鳴った。
 「うん、大丈夫ー。暫くしたら、上がって行くから降りて来なくていいよー」アレンは先回りして叫び返す。
 「アレンー。もう少し打ち合わせしたら、下に降りて行くから絶対に動くなよー」
 「分かったー」
 宿屋の中庭なのでジョエルは安心していたが、実は表通りと、裏通りに通じる細い抜け道が有るのだった。

 アレンは部屋に帰っても眠れないので、木陰のベンチに座って一息つくことにした。今の所、クッキーも大人しくアレンの腕の中にいる。
 そよ風がどこからともなく吹いて来て、色々な食べ物の匂いを運んで来たので、クッキーの鼻がひくひく蠢き始める。
 「駄目だよ、クッキー。大人しくしてて、ジョエルにじっとしているって約束したんだから」アレンがクッキーに言い聞かせている最中に、やおら、クッキーが後ろ脚で立ちあがった。
 「クッキー!」アレンが掴もうとした手を掻い潜り、ぴょん、と腕から飛び降りて、例によって跳ねて行く。
 「もう、かんべんしてよ~」アレンは仕方なく、飛び跳ねて行くクッキーの後を追う。

 クッキーはぴょん、ぴょんと細い路地に入って行く。そこは建物と建物の間の路地で、迷路のようになってた。
 「もう、絶対に怒られるよ~。クッキーの所為だからねー」アレンの鼻先で、建物の角を左に曲がったクッキーを見失うまいと突っ込んだ途端に、誰かと思いっきりぶつかって相手と一緒に倒れ込んだ。
 「痛ってえっ」
 「ご、ごめんなさい」
    「足捻った、お前の所為だぞ」相手も、アレンの上から、何とか退こうと身体を動かした。
 「ほんとに、ごめんなさい」相手はどうやら、アレンよりも年上のようだが、声からして子供だった。
 頭をすっぽりフードで覆い、喉の所を紐で縛っていたので、顔が見えなかったのだ。
 何とか立ち上がると、周りに散らばり落ちている赤いリクテルの実を二人で拾った。全部拾い終わったと思ったら、最後の実にクッキーが被りついてムシャムシャ食べていた。

 「あ~あ。やっと、手に入れたリクテルの実なのに」
 「ごめんなさい」アレンには、謝る事しかできない。
 「お前、お金持ってないの」
 「うん、宿屋まで一緒に来てくれたら弁償できるんだけど・・・」
 「もう、いいよ。めんどくさい・・・それさ、りす?ライデン王国のりすって、皆そんな風に角とか生えてるのか?」子供は興味深そうに、クッキーを指した。
 (今、のりすって言った?・・・と言う事は、よその国から来たのかな・・・)アレンはふと思った。
 
 「違うよ。クッキーは珍種なんだ。普通のりすには角はないよ」あっという間に、リクテルの実を食べたクッキーが羽をパタパタさせて、アレンの肩に止まった。
 「・・・羽まである。・・・それ、ほんとにか?」子供は疑り深そうに聞く。
 (・・・うん、みんなそう思うよね)今までにも、何度も繰り返された問い掛けだ。
 
 「・・うん、だよ。最初は、角も羽も生えて無かったんだ。普通のだった」アレンは繰り返す。
 「へえ~、そうなんだ。それ、お前のペットか?」
 「ううん。ペットじゃないよ。クッキーは・・・兄弟?かな。僕の分身みたいなもの、かな」アレンにも、よく分からないが、ペットでない事は確かだ。
 「ふ~ん。お前って、変わってるな。動物を、兄弟とか、分身とか・・・変だ」そう言うと、子供はスカーフで覆われたアレンの頭をわしわしと撫でた。
 「ふふふ。変だけど、そんな風に思って貰えるっていいな、りすモドキ」彼はアレンの頭を撫でた後、今度はクッキーの頭をそっと撫ぜた。

 「おっ、見つけたぞ。こんなとこに紛れこんでいやがった」路地の向こうから、突然声が聞こえて来た。
 「うわ、見付かった」子供は路地の奥に逃げたいが、アレンで塞がっている。
 「お前、屈め。早く」何が起こっているのか分からずに子供に屈まされると、彼はアレンの上を飛び越えて逃げる。

 「ガキがもう一匹、増えてやがる。お前も仲間だろ、こっち来い」呆然としていたアレンは、いきなり男達に腕を掴まれ引き倒された。
 「痛い目、見せてやる。お前達がどんなに紛れても、動物臭くて直ぐに分かるんだよ」男が拳を振り上げたが、そこに戻って来た子供が、とび蹴りをしてアレンを助けた。だが、結局二人はもつれて倒れ込む。

 「捕まえたぞ、獣人の小僧め。手間を掛けさせやがって」子供の方が、アレンの上になっていたので、男達に捕まえられて引き摺り起されると、フードを引き千切られた。
 
 「ほら、見ろ。やっぱり、獣人だ」
 子供の頭には、白いふわふわの長い耳が生えていた。

 「うわっ!ウサギの耳だ」アレンは、吃驚して思わず叫んだ。

 「おや、おや。お前は初めて獣人を見たみたいだな」男は目をまん丸に見開いてるアレンを見て問い掛けた。
 アレンは素直に頷いた。
 「くくく、どうやらお連れさんは、人間だったみたいだな」
 「うるさいっ。ちゃんと、お金は払ったんだ。何にも悪い事はしてない。今直ぐに、放せっ!」子供は男に胸倉を掴まれて、何とか逃げようと足をバタバタさせている。

 「おじさん、放してあげて。何にも悪い事してないって言ってるよ」アレンは男の側に寄ると、その腕に手を掛けた。
 「こいつの言葉使いを聞いただろ。人間様に向かって”うるさい”だと、この獣人め」
 「僕は、獣人じゃない。亜人だ。手を放せ~」子供は尚も負けまいと叫ぶ。
 「は、獣人でも、亜人でも、どうでもいい。兎に角、お前らは、このホワイト・キング・ガーデンに入っちゃなんねえ。いや、このライデン王国に足を踏み入れたのが許せねえ」
 「僕達はちゃんと、ライオネル国王の招待を受けてる。キング・ガーデンに入る許可だって貰ってる」
 「嘘付け、この獣人め。国王陛下がそんな許可を出す・・うっ・・・」男は最後まで話せなかった、アレンが彼の喉にナイフを突き付けたからだ。

 「直ぐに、その子を下ろしてください」
 「おい、どこの箱入り坊主だか知らねえが、お前は俺達人間より、獣人の味方をするのかっ!」もう一人の男が、向こう側から喚いた。
 「話を聞く限り、悪いのはあなた達だ。早く、放して」アレンは冷静に話したが、心は怒りに燃えていた。
 「こいつ、お前もこいつらの仲間だな。来い!」向こう側から、手を伸ばしてアレンの腕を掴もうとする。
 
 「痛っ!!痛ててててっ。何だ、こいつは。放せ、放しやがれー」掴もうとした男の手に、しっかりとクッキーが噛み付いていた。
 バキバキボキッ!不気味な音が辺りに響き渡る。
 「ヒィィィィ~、手が、手が~~~~」男は必死でクッキーを振り払うと、血だらけの手を押えながら逃げて行った。
 クッキーは、血塗れ口のまま、子供を掴んでいる男の腕に飛び乗ると、例の大きな口をガバッと開ける。
 「ば、ば、化け物だ~~~」慌てて子供を放して、クッキーを振り払おうとしたが、クッキーは男の耳の噛み付いた。
 「ギャッ!!た、助けてくれ~~~」男はクッキーを齧りつかせたまま、逃げて行った。
 
 「あ~あ、クッキーまで一緒に行っちゃった。・・・君、大丈夫?」アレンは座り込んでいる子供に手を差し出す。
 「・・・お前、僕が気持ち悪くないの」子供はアレンの手を見て、躊躇ためらう。
 「どうして?」アレンは、キョトンとした顔で尋ねると、彼の腕を引っ張って立ち上がる手助けをした。そして、また、散らばってしまったリクテルの実をせっせっと拾うと、唖然としている子供に渡した。

 「・・・あり、がと。助けてくれて。父さんや母さんに怒られないか、亜人を助けたって知られたら・・」
 「大丈夫だよ。僕の両親は死んでいないから。でも、生きてても、きっと助けてあげなさいって言うと思うよ」
 「・・・ふ~ん。変わってンな、お前のとこは」子供はまじまじと、アレンを改めて見る。
 「そうかな?全然、普通だよ。・・・ねえ、その耳って本物。ほんとにウサギの耳なの」アレンは好奇心を押えられずに聞いた。
 「・・・本物って、どう言う意味だ。僕の耳に決まってるだろ」すると、白い耳がピクピク動く。
 「うわ~、今、ピクピク動いたよ。凄いな~」アレンの目はもう、子供の耳に釘付けだ。

 「ふ、普通だよ。お前だって、耳くらい動かせるだろ」アレンの純粋な瞳に、少し照れ臭くなる。
 「無理だよ。動かせないよ。ねえ、ちょっと触ってもいいかな」好奇心に瞳はキラキラ輝いた。
 (凄く、綺麗な瞳だな。人間の子供の瞳は、こんなに綺麗なのか。それとも、珍しい紫色だから余計に綺麗に見えるのかな・・・)
 「ねえ、駄目かな~。お願いします」
 「し、仕方ない。ちょっとだけだぞ。特別に許してやる」
 「やったあ、ありがとう」アレンは、その場で嬉しくてピョンと飛び上がった。

 子供は、アレンが触り易いように少し屈んで頭を前に出してくれる。アレンは、その白い耳をそうっと触ると、再び、ピクピクと動いた。
 「わ、わ、又、動いたよ。凄いね~、それにほわほわしてる」アレンは感心する事しきりだ。
 (なにが、そんなに凄いんだか・・・やっぱり、こいつ相当変だ)子供はそんな反応を返されるのは初めてで、凄い凄いと連発されるのに、ちょっと嬉しくもあり、照れ臭くもあった。

 「もう、いいか」
 「うん、ありがとう。そんな耳、初めて見たよ。最初から、そんなウサギの耳だったの?」
 「・・・お前、ほんとに何にも知らないんだな。最初も、何も、僕は兎族だから、赤ん坊の時から兎耳さ。」
 「へえ~、凄いな~~。ウサギ族なんだ~。」アレンのほんとうに感心する様子に、子供は可笑しくなってくる。
 「同じ、兎族でも、耳が普通の人間の耳しか生えていない奴もいるんだぜ」
 「へえ~、兎耳じゃないなんて、残念だね。僕もウサギ耳の方がいいな~」
 「・・・そ、そうだろ。でも、そんなにこの耳が良いと思うのか?」
 「うん、カッコイイよ」
 (カッコイイ・・・そんな事言われたの初めてだ)子供は、自分の白い兎耳に少し劣等感を持っていた。女の子達には、可愛くていいが、男の自分には、子供っぽく見えて嫌だったのだ。

 「ねえ、君は獣人なの?亜人なの?」
 「馬鹿っ、獣人と一緒にするな。僕はれっきとした亜人だ」子供はいきなり怒って言った。
 「ご、ごめんなさい。僕、ほんとうに何も知らないんだ。気を悪くしたら、ごめんなさい」アレンはしゅんと謝った。
 「ふん、お前はホントに何も知らないんだな。仕方ない、許してやるよ。僕は亜人で獣人じゃない。僕が獣人だったら、お前なんて当の昔に喰われてる」
 「ええっ、獣人って、人間を食べるの?」
 「そうさ、奴らは基本、獣型でほぼ、動物と変わりない生活をしている。たまに、人型に変身するけど、喋る事もできないし、共食いだってする。僕達だって、捕まると食べられてしまう」
 「獣人って、怖いんだね」
 「そうさ、僕らの集落の外には、うようよ居て危ないんだ。凄く、危険なやつらさ」
 「何だか大変だね、そんな奴らが一杯いたら」
 「そうさ、だから僕達は、ライオネル国王に・・・・」亜人の子供は、うっかり喋りそうになった自分に気が付いた。

 目の前の子どもは、唯の子供かも知れないが、の子供なのだ。
 
 あんまり、人懐っこく、普通に接して来るから、忘れていた。

 彼は、なのだ。

 その時、アレンの耳に、ジョエルが自分を探している声が聞こえて来た。いつの間にか、足元にはクッキーが戻って来ている。
 「僕を探しているみたい、戻らなくちゃ」急に黙り込んだ子供をいぶかしく思いながらもアレンは変わらずに接し、クッキーを抱き上げると、子供にお別れを言う。

 「またね。で会おうね」そう言うと、呆気に取られている亜人の子供を置いてジョエルの声がする方に、戻って行った。そう、アレンはちゃんと、聞いていた。

 彼が自分と同じく、ライオネル国王の招待を受けていると。









 
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