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エンドレス「地下迷宮」編
第27話 3人目の仲間
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凄腕ロリ魔法少女たぬき獣人ラクを連れて冒険者ギルドに戻ると、ちょうどリュウくんたちが発とうとしているところだった。
「リュウ!? みんなボロボロにょ!」
「あれ……ラクパイセン? それにカイトさんたちも」
「よかった、間に合った。ラクちゃんに会えたんで連れてきたんだ」
「え? ほんとにいたんすか? っていうか1日で? ほんと……カイトさんたちはすげえっすね……」
「いや、運がよかっただけさ。頼まれてたものもしっかり渡せたよ」
ラクがしゃぶりついていたらしいニワトリの頭。今は人間姿に戻ったラクが首からぷらぷらと下げている。
「にょ! まさかお前たちが私を追ってくるだなんて思いもよらなかったにょ!」
「はは……そうっすよね。パイセンからしたら俺たちなんてホント雑魚雑魚っすから」
「そんなことない。リュウくんたちは運がなかっただけだ。色んな人にバフをかけてきた僕だからわかる。キミたちには本当に才能があったよ」
うつむくリュウくんたちの足元にぽとりと雫が落ちた。
「……報われるっす。ありがとうございます」
「それより、もう発つんだね」
「はい、上級回復師の方のおかげっす。体の方はもうだいぶよくなったっす」
「そっか。えっと……それじゃあ、探してた先輩とも会えたことだしもう一度……」
リュウくんが右手を出し、続きを止める。
「俺たちはもう……」
「……うん」
「で、よかったらカイトさん……いや、先生!」
「せ、先生ぃ?」
ザッ──とリュウくんが地面に頭をつけて。
「よかったらラクパイセンとパーティー組んでくれないっすか!?」と叫んだ。
「えぇ!? なに急に!?」
「なんていうか、ラクパイセンは俺たちの憧れだったんすよね。だから一緒に冒険できたらって夢焦がれてたんすけど……。今は尊敬してるカイトさんとラクパイセンが一緒に冒険したらどうなっちまうんだろうって! そう考えたらもう胸がワクワクしてきちまって! それが俺の今の夢なんす!」
「私からもお願いします!」
「私からも頼みたい」
「お、俺からも!」
あ~あ~、二日連続で土下座させちゃったよ。
こんな子供たちにさぁ。
しかも今日は公道でさぁ。
ざわざわざわ。
うぅ……町の人の視線が痛い……。
「ちょ、やめてって! 立って、ほら!」
ハルとアオちゃんの手を借りて四人を起こす。
「大体いっしょに冒険って言ってもラクの意思が……」
「いいにょ」
「は?」
「パーティーを組んでやってもいいって言ったにょ」
「いやそんな、なにも知らないのに……」
「知ってるにょ。まず美味しい串焼きを買うことのできる財力があるにょ。つぎにリュウたちからこんなに信頼されてるにょ。で、レアスライムをテイムするほどの能力もあるにょ。いい感じの隠れ家も持ってるにょ。そして、この男とそっちの女は昨日チューしてたからカップルにょ。つまり私に身の危険はないにょ。以上をもって私と一緒に冒険する許可を与えてやるにょ」
……。
…………。
………………見られてた?
ああああああああああああああ!
見られてた! 昨日僕がハルとキスしてたの!
透明状態で見られてたんだ! このラクってロリっ子たぬき娘に!
ハッ! ハルを見ると顔を真赤にしてプルプル震えながらフリーズしてる!
「おと~しゃま? おか~しゃま? チューってなにゆ?」
「あははは! な、なんでもないよ! うん、えっと、あ、うん! よろしく、ラク! うん、一緒に冒険ガンバロー! うん!」
こうして、半ばなし崩し的に。
僕たちは、凄腕天才ロリ魔法少女たぬき獣人ラク・ブレロとパーティーを組むこととなったのだった。
「リュウ!? みんなボロボロにょ!」
「あれ……ラクパイセン? それにカイトさんたちも」
「よかった、間に合った。ラクちゃんに会えたんで連れてきたんだ」
「え? ほんとにいたんすか? っていうか1日で? ほんと……カイトさんたちはすげえっすね……」
「いや、運がよかっただけさ。頼まれてたものもしっかり渡せたよ」
ラクがしゃぶりついていたらしいニワトリの頭。今は人間姿に戻ったラクが首からぷらぷらと下げている。
「にょ! まさかお前たちが私を追ってくるだなんて思いもよらなかったにょ!」
「はは……そうっすよね。パイセンからしたら俺たちなんてホント雑魚雑魚っすから」
「そんなことない。リュウくんたちは運がなかっただけだ。色んな人にバフをかけてきた僕だからわかる。キミたちには本当に才能があったよ」
うつむくリュウくんたちの足元にぽとりと雫が落ちた。
「……報われるっす。ありがとうございます」
「それより、もう発つんだね」
「はい、上級回復師の方のおかげっす。体の方はもうだいぶよくなったっす」
「そっか。えっと……それじゃあ、探してた先輩とも会えたことだしもう一度……」
リュウくんが右手を出し、続きを止める。
「俺たちはもう……」
「……うん」
「で、よかったらカイトさん……いや、先生!」
「せ、先生ぃ?」
ザッ──とリュウくんが地面に頭をつけて。
「よかったらラクパイセンとパーティー組んでくれないっすか!?」と叫んだ。
「えぇ!? なに急に!?」
「なんていうか、ラクパイセンは俺たちの憧れだったんすよね。だから一緒に冒険できたらって夢焦がれてたんすけど……。今は尊敬してるカイトさんとラクパイセンが一緒に冒険したらどうなっちまうんだろうって! そう考えたらもう胸がワクワクしてきちまって! それが俺の今の夢なんす!」
「私からもお願いします!」
「私からも頼みたい」
「お、俺からも!」
あ~あ~、二日連続で土下座させちゃったよ。
こんな子供たちにさぁ。
しかも今日は公道でさぁ。
ざわざわざわ。
うぅ……町の人の視線が痛い……。
「ちょ、やめてって! 立って、ほら!」
ハルとアオちゃんの手を借りて四人を起こす。
「大体いっしょに冒険って言ってもラクの意思が……」
「いいにょ」
「は?」
「パーティーを組んでやってもいいって言ったにょ」
「いやそんな、なにも知らないのに……」
「知ってるにょ。まず美味しい串焼きを買うことのできる財力があるにょ。つぎにリュウたちからこんなに信頼されてるにょ。で、レアスライムをテイムするほどの能力もあるにょ。いい感じの隠れ家も持ってるにょ。そして、この男とそっちの女は昨日チューしてたからカップルにょ。つまり私に身の危険はないにょ。以上をもって私と一緒に冒険する許可を与えてやるにょ」
……。
…………。
………………見られてた?
ああああああああああああああ!
見られてた! 昨日僕がハルとキスしてたの!
透明状態で見られてたんだ! このラクってロリっ子たぬき娘に!
ハッ! ハルを見ると顔を真赤にしてプルプル震えながらフリーズしてる!
「おと~しゃま? おか~しゃま? チューってなにゆ?」
「あははは! な、なんでもないよ! うん、えっと、あ、うん! よろしく、ラク! うん、一緒に冒険ガンバロー! うん!」
こうして、半ばなし崩し的に。
僕たちは、凄腕天才ロリ魔法少女たぬき獣人ラク・ブレロとパーティーを組むこととなったのだった。
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