僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~

めで汰

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エンドレス「地下迷宮」編

第3話 最強LUKの女の子

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「ふぅ、どうにか十二階層まで戻ってこれたぞ」

 二十二階から十二階だから大体半分。

 僕はここまで素早さの高さを活かしてうまく逃げ隠れしたり(コソコソ!)。

 ばったり敵の集団に出くわしたり(LUK「1」のばかぁ~!)。

 気合でボコボコにしながら脅しすかしたり(ガゥ~! ガウガウッ!)。

 いいところで切り上げてまた逃げ隠れしたり(コソコソ!)。

 そんなこんなで無事に十二階層までたどり着いたのだった。

 地下に続く地下迷宮。名前はない。ただ「地下迷宮」と呼ばれている。迷宮は現在四十三階層までが踏破されており、冒険者たちは今日もその記録を更新しようと深層を目指して挑み続けている。

 【地下迷宮】
 十階までが初心者エリア。
 二十階までが中級者エリア。
 三十階までが上級者エリア。
 四十階以降が達人級エリア。
 四十三階層以降は未踏破エリア。

 十階層にまで戻れればかなり楽になる。
 十階には湧き水も湧いてる。
 ごくり。
 僕の喉が鳴る。
 み、水が飲みたい……。
 よし、あと一息だ。
 頑張れ、僕!

 と自分を奮い立たせた瞬間、魔物の声が耳をつんざく。

「グワァァァァァァァア!」

 遠くの方。反響してる。

 うわぁ……いやだなぁ。
 どうかこっちに来ませんように。
 忍び足で立ち去ろうとする僕。
 けど、耳がとらえちゃう。

「……きゃっ!」

 声。人の。
 女の人?
 僕は声の方へとそっと近づき、覗き込んだ。

「ぐっ……!」

 キィンと甲高い音。
 女の子がミノタウロスの斧を剣で弾く。
 けど重量が違いすぎる。
 女の子は勢いに押され、ふらふらとよろめき地面に倒れる。

(ミノタウロス……!? なんでこんなところに……!?)

 本来なら三十階層以降に生息しているはず。

 女の子は一人だけ?
 パーティーは?
 はぐれたか、もしくは。

 もう──死んだか。

 女の子の顔には疲労の色が濃く現れてる。
 ゼェゼェと息を吐いて真っ青。
 今にも倒れそう。

(見捨ててはおけないな)

 ミノタウロスが斧を振り上げる。
 女の子はぷるぷると震える腕で剣を持ち上げようとする。
 が、上がらない。顔が恐怖に歪む。

(今いかなきゃ!)

 僕はスキルを発動させる。


 『枠入自在アクターペイン


 世界がモノクロになる。
 女の子に意識を集中させる。
 女の子からステータス欄が浮かび上がってきて、僕の体を通過する。

 ジュゥゥン──!

 つむった目をあけて驚いた。
 だって、この子……。


 名前 ハル・ミドレーゼ
 称号 村娘
 種族 人間
 性別 女
 年齢 16
 LV 2
 HP 1
 SP 2
 STR 4
 DEX 6
 VIT 3
 AGI 11
 MND 4
 LUK 109
 CRI 38
 CHA 7


 LUK値がめちゃくちゃ高いんだもの!
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