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還ってきた「辺境の街」編
第107話 バランスブレイカー
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洋服屋さんで無料で服を貰えたボクたちは、ゴキゲンで教会へと戻ってきた。
「ただいまぁ~! やっぱり我が家は落ち着くわね~!」
「勝手に自分の家にしないでください! これはボクの教会です!」
セレアナに突っ込むラルクくん。
「いや、ワシの教会なんじゃがな」
「ゼノスさんまで何わけのわからないこと言ってるんですか! っていうか、なんであなたまで着いてきてるんですか!」
ゼノスに突っ込むラルクくん。
「え~、だって、ほら? ワシ、アイドルちゅわん達の旅についていって、スーパーパワーで大活躍して、アイドルちゅわんとその一味を惚れさせて、股を開かせなきゃいけないし?」
「下品ですっ! ゼノスさんは、あまりにも色欲に振り回されすぎです!」
文字通り、釈迦に説法を食らわすラルクくん。
「そもそもなんなんですか、そのアイドルちゅわんって! 彼女はルード! れっきとした女の子ですよ! ちゃんと名前で呼んであげてください、あまりにも失礼すぎます!」
おぉ……ラルクくん、ボクを女の子扱いしてくれてありがとう。
なぜかほんのりと胸があたたかくなる。
「え~、だってアイドルちゅわんはアイドルちゅわんだからのぅ……。知らない? 職業」
「知りません! 聞いたこともありません、そんな職業!」
「うぬぬ……そうか……では、まずイシュタムに着いたらアイドルちゅわんに職業鑑定を受けさせて……」
「だぁ~かぁ~ら、ルード! 彼女はルードです! アイドルちゅわんじゃありません!」
「ふむ……ルード。めんどくさいのぅ。どうせ人間なんかすぐ死ぬのに」
「なに目線なんですか! あなたも人ですよ! 死ぬんです! 今まで浮浪者やってたからって世間に興味持たなさすぎでしょ!」
怒涛の勢いで頂上神にツッコミまくるラルクくん。
それを見たボクの中のサタンが呟く。
『すごいよな……相手が神って知らないがゆえにあんなに言えるんだから……』
(うん……ボクらめっちゃ気を遣ってるのにね……)
『今、この瞬間、世界でもっとも最強なのはあいつかもしれんな……』
(うん、そうだね……)
こうしてガミガミと小うるさく説法を説いたラルクくんの甲斐あって、ゼノスは近くの宿屋へと泊まることとなった。
宿泊費はラルクくん持ち。
ゼノスの怪しすぎた洋服も、ラルクくんが普通の地味な色合いの布地の服を買い与えて着替えさせている。
今では怪しさも貴族っぽさも減って、デリケートな詩人の青年、みたいな見た目の雰囲気になっている。
ま、ラルクくんも自分の信仰する宗教の神へと課金してるわけだから本望だろう。
問題は、彼がゼノスのことを神だとはみじんも気付いてないことなんだけど。
いや、気づかないほうがいいのか……。
そうして、騒がしいゼノスの去った教会の中には、ボク、リサ、ルゥ、セレアナ、テス、ラルクくんだけとなり、ゼノスから解放されたリラックス感満載で、質素な夕食を和気あいあいと取っていた。
ドバァ~ン!
そんな夕餉《ゆうげ》の集いをぶち壊すように、扉が荒々しく開かれる。
「おぅおぅ、ここの神父様たちがオレ様の部下を可愛がってくれたって聞いたんだが……って、なにこれぇ~~~~~!?」
むさ苦しい男たちを引き連れて入ってきた金髪の後ろ髪が長い男が、ボクたちを見て驚きの声を上げる。
「魔物がいるじゃねぇか! しかも巨乳! エッロッ!」
ゼウスのストレスから解き放たれたセレアナは魔物の姿に戻っており。
「よ、幼女の体から人が飛び出してきてるしぃ~!」
テスの体からは、完全に一体化してしまわないように偽モモがちょうど一瞬離れてたところだったし。
「しかも幼女のお尻から悪魔っぽい尻尾出てるし!」
気の抜けたテスのお尻からは悪魔の尻尾がぴょこんと見えてるし。
「つ~か、あの黒髪ボブくっそかわえぇぇぇぇえじゃねぇか!」
ボクは可愛いし。
「魔物に悪魔! しかも幼女からお姉さん系まで全員美女! おいおいおい、この神父、とんでもねぇ堕落主義者の悪魔信奉主義者じゃねぇか!」
う~ん、まぁ、そう見えちゃうよね。
タイミングが悪いよ、来るタイミングが。
ノックくらいしてくれたら、みんなちゃんと人間の格好したのに。
めんどくさいから……。
【魅了】
洗脳して忘れて帰ってもらおう。
男たちが、ぐらぁとよろめく。
「うん、じゃあ、命令。ここで見たことは忘れて帰って。で、もう二度とボクらにはちょっかいをかけないこと。いいね?」
「……はい」
そう言って、男たちはとぼとぼと教会から出ていく。
ふぅ。
それにしても、お礼参りかぁ。
めんどくさい町だなぁ。
ややこしくなるまえに、さっさとおさらばしよう。
そう思って夕食の続きに戻ろうとすると。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ……! オレはかからねぇ、オレは天才! オレはスーパーだ! オレの魔法抵抗力はウルトラなソウルだぁぁぁぁぁぁ!」
と、声が聞こえた。
へ?
振り返ると、あの金髪で襟足の長いツッコミまくってた男が踏ん張って立っている。
……は? 耐えた? ボクの『魅了』に……?
なんだこいつ、人間なのに……。
すかさず。
【鑑定眼】
ボクの右目に、ボクにしか見えない赤い炎が宿る。
名前:ドミー・ボウガン
種族:人間(異世界Bn6)
職業:弩弓兵
レベル:1
体力:7
魔力:11
職業特性:【射撃】
スキル:【虚勢】
レベル1。
ステータスも低い。
弩弓兵ってことは、城壁を守ってる兵士か。
「種族:人間(異世界Bn6)」ってのはちょっとよくわからない。
で、ボクのスキルに耐えたのは『虚勢』ってのの効果?
サタンが話しかけてくる。
『おいおい……異世界Bn6ぅ? これ、あれだぞ、異世界人ってやつだぞ』
(異世界人? あの、勇者ラベル=ヤマギシみたいな?)
『ラベルってやつのことは知らんが、転移でこっちにやって来たやつのことだな』
(転移?)
『ま、それについてはのちのち説明してやってもいいが、それより、あれ。なんとかした方がいいんじゃないか?』
見ると、ドミー・ボウガンという男がまだまだ調子に乗って喋り続けている。
「オレは無敵、オレは無敵、オレは無敵、オレは無敵ッ! どんなやつが相手でも絶対に負けることはない! なぜならオレ様は、神さえも殺……」
【身体強化】
ダンッ──!
地面を蹴って、ドミー。ボーガンの背後へと回ると。
【擬態】
太い縄へと擬態し、彼の口を塞ぐ。
「もが……! もがががが……! おへはまは……!」
その状態からの。
【吸収眼】
ボクの左目(のあたりの縄の結び目)に見えない青い炎が宿る。
ドッ
クン。
全身(縄)が脈打つ。
よし、【虚勢】を奪うことが出来た。
『やっぱりハッタリを喋り続けてる間だけ効力を発揮する系のスキルだったな』
(だね、じゃないと)
──あまりにもバランスブレイカーすぎる。
しかし、もしかしたらこれは思わぬ拾い物なのかもしれない。
だってこれ──。
使いようによっては、神をも殺せるかもしれないスキルなんじゃないのか?
『擬態』を解いてルードの姿に戻ったボクは、目の前でぽかんと口を開けているドミー・ボーガンの首筋にシュタッっと手刀を食らわせた。
「ただいまぁ~! やっぱり我が家は落ち着くわね~!」
「勝手に自分の家にしないでください! これはボクの教会です!」
セレアナに突っ込むラルクくん。
「いや、ワシの教会なんじゃがな」
「ゼノスさんまで何わけのわからないこと言ってるんですか! っていうか、なんであなたまで着いてきてるんですか!」
ゼノスに突っ込むラルクくん。
「え~、だって、ほら? ワシ、アイドルちゅわん達の旅についていって、スーパーパワーで大活躍して、アイドルちゅわんとその一味を惚れさせて、股を開かせなきゃいけないし?」
「下品ですっ! ゼノスさんは、あまりにも色欲に振り回されすぎです!」
文字通り、釈迦に説法を食らわすラルクくん。
「そもそもなんなんですか、そのアイドルちゅわんって! 彼女はルード! れっきとした女の子ですよ! ちゃんと名前で呼んであげてください、あまりにも失礼すぎます!」
おぉ……ラルクくん、ボクを女の子扱いしてくれてありがとう。
なぜかほんのりと胸があたたかくなる。
「え~、だってアイドルちゅわんはアイドルちゅわんだからのぅ……。知らない? 職業」
「知りません! 聞いたこともありません、そんな職業!」
「うぬぬ……そうか……では、まずイシュタムに着いたらアイドルちゅわんに職業鑑定を受けさせて……」
「だぁ~かぁ~ら、ルード! 彼女はルードです! アイドルちゅわんじゃありません!」
「ふむ……ルード。めんどくさいのぅ。どうせ人間なんかすぐ死ぬのに」
「なに目線なんですか! あなたも人ですよ! 死ぬんです! 今まで浮浪者やってたからって世間に興味持たなさすぎでしょ!」
怒涛の勢いで頂上神にツッコミまくるラルクくん。
それを見たボクの中のサタンが呟く。
『すごいよな……相手が神って知らないがゆえにあんなに言えるんだから……』
(うん……ボクらめっちゃ気を遣ってるのにね……)
『今、この瞬間、世界でもっとも最強なのはあいつかもしれんな……』
(うん、そうだね……)
こうしてガミガミと小うるさく説法を説いたラルクくんの甲斐あって、ゼノスは近くの宿屋へと泊まることとなった。
宿泊費はラルクくん持ち。
ゼノスの怪しすぎた洋服も、ラルクくんが普通の地味な色合いの布地の服を買い与えて着替えさせている。
今では怪しさも貴族っぽさも減って、デリケートな詩人の青年、みたいな見た目の雰囲気になっている。
ま、ラルクくんも自分の信仰する宗教の神へと課金してるわけだから本望だろう。
問題は、彼がゼノスのことを神だとはみじんも気付いてないことなんだけど。
いや、気づかないほうがいいのか……。
そうして、騒がしいゼノスの去った教会の中には、ボク、リサ、ルゥ、セレアナ、テス、ラルクくんだけとなり、ゼノスから解放されたリラックス感満載で、質素な夕食を和気あいあいと取っていた。
ドバァ~ン!
そんな夕餉《ゆうげ》の集いをぶち壊すように、扉が荒々しく開かれる。
「おぅおぅ、ここの神父様たちがオレ様の部下を可愛がってくれたって聞いたんだが……って、なにこれぇ~~~~~!?」
むさ苦しい男たちを引き連れて入ってきた金髪の後ろ髪が長い男が、ボクたちを見て驚きの声を上げる。
「魔物がいるじゃねぇか! しかも巨乳! エッロッ!」
ゼウスのストレスから解き放たれたセレアナは魔物の姿に戻っており。
「よ、幼女の体から人が飛び出してきてるしぃ~!」
テスの体からは、完全に一体化してしまわないように偽モモがちょうど一瞬離れてたところだったし。
「しかも幼女のお尻から悪魔っぽい尻尾出てるし!」
気の抜けたテスのお尻からは悪魔の尻尾がぴょこんと見えてるし。
「つ~か、あの黒髪ボブくっそかわえぇぇぇぇえじゃねぇか!」
ボクは可愛いし。
「魔物に悪魔! しかも幼女からお姉さん系まで全員美女! おいおいおい、この神父、とんでもねぇ堕落主義者の悪魔信奉主義者じゃねぇか!」
う~ん、まぁ、そう見えちゃうよね。
タイミングが悪いよ、来るタイミングが。
ノックくらいしてくれたら、みんなちゃんと人間の格好したのに。
めんどくさいから……。
【魅了】
洗脳して忘れて帰ってもらおう。
男たちが、ぐらぁとよろめく。
「うん、じゃあ、命令。ここで見たことは忘れて帰って。で、もう二度とボクらにはちょっかいをかけないこと。いいね?」
「……はい」
そう言って、男たちはとぼとぼと教会から出ていく。
ふぅ。
それにしても、お礼参りかぁ。
めんどくさい町だなぁ。
ややこしくなるまえに、さっさとおさらばしよう。
そう思って夕食の続きに戻ろうとすると。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ……! オレはかからねぇ、オレは天才! オレはスーパーだ! オレの魔法抵抗力はウルトラなソウルだぁぁぁぁぁぁ!」
と、声が聞こえた。
へ?
振り返ると、あの金髪で襟足の長いツッコミまくってた男が踏ん張って立っている。
……は? 耐えた? ボクの『魅了』に……?
なんだこいつ、人間なのに……。
すかさず。
【鑑定眼】
ボクの右目に、ボクにしか見えない赤い炎が宿る。
名前:ドミー・ボウガン
種族:人間(異世界Bn6)
職業:弩弓兵
レベル:1
体力:7
魔力:11
職業特性:【射撃】
スキル:【虚勢】
レベル1。
ステータスも低い。
弩弓兵ってことは、城壁を守ってる兵士か。
「種族:人間(異世界Bn6)」ってのはちょっとよくわからない。
で、ボクのスキルに耐えたのは『虚勢』ってのの効果?
サタンが話しかけてくる。
『おいおい……異世界Bn6ぅ? これ、あれだぞ、異世界人ってやつだぞ』
(異世界人? あの、勇者ラベル=ヤマギシみたいな?)
『ラベルってやつのことは知らんが、転移でこっちにやって来たやつのことだな』
(転移?)
『ま、それについてはのちのち説明してやってもいいが、それより、あれ。なんとかした方がいいんじゃないか?』
見ると、ドミー・ボウガンという男がまだまだ調子に乗って喋り続けている。
「オレは無敵、オレは無敵、オレは無敵、オレは無敵ッ! どんなやつが相手でも絶対に負けることはない! なぜならオレ様は、神さえも殺……」
【身体強化】
ダンッ──!
地面を蹴って、ドミー。ボーガンの背後へと回ると。
【擬態】
太い縄へと擬態し、彼の口を塞ぐ。
「もが……! もがががが……! おへはまは……!」
その状態からの。
【吸収眼】
ボクの左目(のあたりの縄の結び目)に見えない青い炎が宿る。
ドッ
クン。
全身(縄)が脈打つ。
よし、【虚勢】を奪うことが出来た。
『やっぱりハッタリを喋り続けてる間だけ効力を発揮する系のスキルだったな』
(だね、じゃないと)
──あまりにもバランスブレイカーすぎる。
しかし、もしかしたらこれは思わぬ拾い物なのかもしれない。
だってこれ──。
使いようによっては、神をも殺せるかもしれないスキルなんじゃないのか?
『擬態』を解いてルードの姿に戻ったボクは、目の前でぽかんと口を開けているドミー・ボーガンの首筋にシュタッっと手刀を食らわせた。
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