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恐怖の学園編

学園の魔女⑦

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 やっぱりというべきか、登丸先輩は複数の女生徒に囲まれていた。

「登丸先輩――ッ!!」

 冬夜の声に驚いたように顔をあげる。
 まるで自分を助けに来る存在などいない――予期していなかったという顔だ。

「先輩方、こんなところで何やっているんですか!?」

「何をって……ねぇ?」
「あなた達はコイツを庇うの?」

「当たり前です! 妖怪とか、魔女とか、人間とか、そんなの関係ない!! お互いの事を知らないから恐れているんだ。自分たちとは違う何かを――でも、違うのなんて当然なんだ。全く同じなんてありえない。でも、だからこそ個性があるんじゃないですか」

「知ったことか!」

 逆上した一人の女生徒が直情的に突っ込んでくる。

「短絡的だな」

 冬夜の前に出ると真白は脚を振り下ろす。
 女生徒の身体は激しく地面にたたきつけられ、その衝撃で地面には亀裂が走った。
 女生徒は白目をむいて倒れている。

「よくも!」

「なんだ? 続く言葉は「やってくれたな!」か? だがそれはこっちのセリフだぞ先輩」

 女生徒は全員で真白に飛びかかる。
 その隙に冬夜と希望は、登丸先輩の下に駆け寄る。

「立てますか登丸先輩?」
「…………」

 自力で立つのは厳しそうだったので肩を貸す。
 希望は嫉妬心を隠そうともしない。
 肩を貸してくれとは頼みづらい。
 仕方がないので、背におぶることにする。

 よっこらせ。
 先輩をおぶり、立ち上がる。
 すでに戦闘の決着はつき、先輩方は地面に転がっていた。

「帰るぞ」
「ちょっと待ってよ、真白さん」

 真白はこちらを振り返ることなく去る。
 ほんの少し怒っているように見えたのは気のせいだろう。

 …………
 ……
 …

「あの女……いや、人間研究部の奴ら……」

 気を失っていた女生徒たちが目を覚ます。
 復讐心を燃やしていると、

「ウチの可愛い部員に手を出してくれるなよ。小娘ども」
「児島……」
「教師を呼び捨てとは……――教育的指導が必要だな」

 すでに満身創痍まんしんそういの相手にも、容赦なく児島の教育的指導は行われた。

 次の日から人間研究部へのあからさまな嫌がらせはなくなった――

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