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第一章 ジンディオールの復讐編
第38話 魔湖(バネーロ編・ジンディオール)
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私の中に住むもう一人の私であるジンディオールは、私に力を貸すのだと言った。
実態を持たないジンディオールは、一体どのようにして力を貸すというのか…。
その時だった。
一瞬、私の意識が遠のいた感覚に襲われた。
そして、意識が戻ったと思った次の瞬間、身体の自由が奪われていることに気づいた。
(何だ?意識はハッキリしているのに身体が動かないぞ!あれ?身体が勝手に動いている?)
驚愕した。自分の意志とは無関係に身体が動き出したのだ。
(まさか…ジンディオール!?お前なのか?)
〘 その通りだ。お前とは違って時間に制限があるが、不甲斐ないお前に代わって真の実力を見せてやろう!〙
(面白い。やってみろ。)
〘ふん。『魔剣士:極』が奪われたから随分弱くなったがな。では行くぞ!〙
ジンディオールは周囲の魔物たちを次々と斬り倒しながら、正門を破壊しようとしているトロールたちの方へと駆けて行った。
トロールは五体。
この巨大な魔物を一人で相手にするというのか…。
『魔・玖式:鬼神喰い!』
ジンディオールは、魔剣士時代に習得した能力『鬼神喰い』を発動させた。
この能力は、鬼神の力を喰らって自らの身体能力を大きく向上させるというものである。
ジンディオールが愛用したバフスキルの一つであった。
(おい!ジンディオール!お前、魔剣士スキルが奪われているのに何故『鬼神喰い』が使えるんだ?)
〘 いい質問だな。今使ったのは、魔剣士スキルの能力ではない。俺は『鬼神喰い』の本質を理解しているから、模倣して使っただけだ。『偽鬼神喰い』とでも呼べばいいか。〙
(スキルの能力を模倣して使うだって?そんなことが本当にできるのか?)
〘 俺には出来るんだよ。まあ、偽物だから『鬼神喰い』の三割程度の効果しか期待できないがな。〙
(だとしても凄いな。俺にも使えるのか?)
〘 残念ながらそれは無理だろう。お前は俺の記憶の一部しか継承していない。それでは、魔剣士スキルの能力の本質を理解することはできないだろう。〙
(チェッ!残念だ。)
〘 無駄話はここまでだ。俺の戦い方をよく見ておけよ!〙
ジンディオールは、五体のトロールに対峙している。
トロールたちもジンディオールに気づいたようだ。
「グォォォォ!」
トロールたちは、門を破壊するための大木を抱えながらジンディオールに突撃したのである。
「馬鹿め!そんな攻撃が通用するかよ!『魔・弐式:阿修羅!』」
ジンディオールは、驚異的な剣速でトロールたちに斬り込んだ。
「ギャァァァァ!」
それは、まるで阿修羅のように、多数の手で敵を切り裂いているかのような凄まじい剣技であった。
トロールたちは、細切れになって次々と倒れた。
(すごい!あの巨大で強靭なトロールをあっという間に切り刻んだぞ!でもトロールは再生能力があるんじゃないのか?)
〘 『鬼神喰い』で身体能力が上がっているし、核となる魔石まで粉々にしてやった。もう再生なんてできないよ。〙
(なるほど…。そんな戦い方があるのか。)
〘 これで正門が破壊されるのを阻止できたな。ここからが本番だ!〙
(ジンディオール…まさか、あの数の魔物を相手にするつもりか?)
〘 ああ。見ていろよ。今からお前に魔剣士の真髄を見せてやる!〙
ジンディオールは、そう言ってまだ半数以上は残っているだろう魔湖の群れに飛び込んでいった。
彼の心は戦場を目の前にして燃え上がっているようだった…。
実態を持たないジンディオールは、一体どのようにして力を貸すというのか…。
その時だった。
一瞬、私の意識が遠のいた感覚に襲われた。
そして、意識が戻ったと思った次の瞬間、身体の自由が奪われていることに気づいた。
(何だ?意識はハッキリしているのに身体が動かないぞ!あれ?身体が勝手に動いている?)
驚愕した。自分の意志とは無関係に身体が動き出したのだ。
(まさか…ジンディオール!?お前なのか?)
〘 その通りだ。お前とは違って時間に制限があるが、不甲斐ないお前に代わって真の実力を見せてやろう!〙
(面白い。やってみろ。)
〘ふん。『魔剣士:極』が奪われたから随分弱くなったがな。では行くぞ!〙
ジンディオールは周囲の魔物たちを次々と斬り倒しながら、正門を破壊しようとしているトロールたちの方へと駆けて行った。
トロールは五体。
この巨大な魔物を一人で相手にするというのか…。
『魔・玖式:鬼神喰い!』
ジンディオールは、魔剣士時代に習得した能力『鬼神喰い』を発動させた。
この能力は、鬼神の力を喰らって自らの身体能力を大きく向上させるというものである。
ジンディオールが愛用したバフスキルの一つであった。
(おい!ジンディオール!お前、魔剣士スキルが奪われているのに何故『鬼神喰い』が使えるんだ?)
〘 いい質問だな。今使ったのは、魔剣士スキルの能力ではない。俺は『鬼神喰い』の本質を理解しているから、模倣して使っただけだ。『偽鬼神喰い』とでも呼べばいいか。〙
(スキルの能力を模倣して使うだって?そんなことが本当にできるのか?)
〘 俺には出来るんだよ。まあ、偽物だから『鬼神喰い』の三割程度の効果しか期待できないがな。〙
(だとしても凄いな。俺にも使えるのか?)
〘 残念ながらそれは無理だろう。お前は俺の記憶の一部しか継承していない。それでは、魔剣士スキルの能力の本質を理解することはできないだろう。〙
(チェッ!残念だ。)
〘 無駄話はここまでだ。俺の戦い方をよく見ておけよ!〙
ジンディオールは、五体のトロールに対峙している。
トロールたちもジンディオールに気づいたようだ。
「グォォォォ!」
トロールたちは、門を破壊するための大木を抱えながらジンディオールに突撃したのである。
「馬鹿め!そんな攻撃が通用するかよ!『魔・弐式:阿修羅!』」
ジンディオールは、驚異的な剣速でトロールたちに斬り込んだ。
「ギャァァァァ!」
それは、まるで阿修羅のように、多数の手で敵を切り裂いているかのような凄まじい剣技であった。
トロールたちは、細切れになって次々と倒れた。
(すごい!あの巨大で強靭なトロールをあっという間に切り刻んだぞ!でもトロールは再生能力があるんじゃないのか?)
〘 『鬼神喰い』で身体能力が上がっているし、核となる魔石まで粉々にしてやった。もう再生なんてできないよ。〙
(なるほど…。そんな戦い方があるのか。)
〘 これで正門が破壊されるのを阻止できたな。ここからが本番だ!〙
(ジンディオール…まさか、あの数の魔物を相手にするつもりか?)
〘 ああ。見ていろよ。今からお前に魔剣士の真髄を見せてやる!〙
ジンディオールは、そう言ってまだ半数以上は残っているだろう魔湖の群れに飛び込んでいった。
彼の心は戦場を目の前にして燃え上がっているようだった…。
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