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第一章 ジンディオールの復讐編
第28話 ギルドランクアップへ(前編)
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「ジンさん、ルカ村で捕縛したサンギョ盗賊団の懸賞金が到着しました。金貨10枚です。それに加えてラビオンの依頼とゴブリンリーダーの素材分で合わせて金貨5枚です。ご確認ください。」
「ジンさん、全部で金貨15枚ですよ!?凄いですね!」
「ジュリア、落ち着いて!あまり大声は不味い…。」
「あっ…大金ですもんね。ごめんなさい。」
「それにしても、本当にあのサンギョを倒すとは驚きました。ゴブリンリーダーを倒した実績も合わせて、納得がいきました。」
「サニーさん。そのことだが、確か昨日ランクアップに関する話があったような気がしたのだが…。」
「はい、その件はギルマスにも報告してあります。もし時間があれば、ギルマスにお会いいただけませんか?」
ジュリアと視線を交わす。
彼女は問題なさそうだ。
「承知した。伺おう。」
「ありがとうございます。こちらへどうぞ…。」
私たちはサニーさんに案内され、ギルマスの部屋へ向かうことになった…。
◇ 冒険者ギルド マスタールーム ◇
「失礼します。Eランクのジンさんとジュリアさんをお連れしました。」
「中に入れ!」
部屋の中からの返事にサニーさんが扉を開けて案内してくれた。
私たちは、ギルドマスターであるらしい女性の前に立ちお辞儀した。
目の前の女性は、非常に鍛え抜かれた肉体を持つ方であった…。
(これがギルマスか…?水着のような服装からボディービルダーかと思ったが…。)
彼女は、前世でいうところのボディービルダーのように筋肉隆々な外見で、露出度が高い服を身にまとっていた。
「あなたがギルマス…。」
「そうさっ!私はギルドマスターのランピヨだ。」
ギルマスは筋肉をアピールするようにポージングしながらそう答えた。
「ランピヨさんね…。私はジン。こちらはジュリアだ。」
「聞いているよ!ジンとジュリアだな!ゴブリンリーダーを倒し、あのサンギョに勝利するとは、やるじゃないか!」
「ええ、まあ…。」
私はランピヨさんの独特な雰囲気に完全に引いてしまっている。
「ジン!あんた!いい筋肉しているじゃないか。どれどれ…。」
ギルマスが近づいてきて私に触れようと手を伸ばしてきた。
「触るのはやめてくれ…。」
「ワハハ!何を恥ずかしがってんだよ!お前、見かけによらずウブなんだな!」
(あなたが色々と怖いだけだ…。)
「まあいいや!あんた達の実績を考慮すれば、すぐにでもCランクに昇格させたいところだが、本当に実力があるのか、この目で確かめさせてもらう必要がある。」
「確かにそうだな。では、どのように評価するんだ?」
「ジュリアは魔法が得意だそうね?彼女には、魔法を披露してもらおう。Cランク相当の能力があれば合格だ。」
「私は魔法は使えないが…。」
「ジンは剣士だろ?剣士なら戦いで評価するのが一番わかりやすい。つまり、模擬戦だ。どうだ、二人とも挑戦してみるか?」
「構わない。」「もちろんです!」
私たちは即答した。
こうして、私たちはそれぞれの力を試し、Cランクへの昇格チャンスを手に入れることとなったのであった…。
◇ ギルド 地下訓練場 ◇
私たちはギルドの地下にある訓練場へ向かった。
ここは冒険者が自由に訓練できる場所で、広大なスペースが広がっていた。
広場の周りは観客席になっており、普段は訓練場として使われている他、闘技場としても利用されることがあるらしい。
「ああ。観客席ね?驚いたかしら?ここはね、普段は訓練場だけど、闘技場としても利用されることもあるのよ。その為の観客席なのよ。」
(ランピヨさん…喋りながら一々ポージングするのはやめてほしい…。)
どういう訳か、ちらほらと観客席に人が集まってきている…。
(もしかして、俺たちを見に来たのか?)
「ランピヨさん、あの人たちは…?」
「当然、あんた達を見に来たに決まっているだろう?」
「やはりそうか…。」
「凄腕の剣士ジンと、美しい魔法士ジュリア。あんたたちは既に噂の的になっているぞ!」
「うふふ。ジンさん、私は美しい魔法士と言われちゃいました!」
ジュリアは恥ずかしそうにも嬉しそうにも見えながら、私を見つめてきた。
「お、おう。良かったな…。」
「もう!冷たいわね!もっといい反応はできないのかしら?」
「ほれ、二人とも!じゃれあっていないで準備しろ!まずはジュリアからだ!」
「はい!」
ジュリアは魔法の実力を試すことになった。
ジュリアのいる場所から75メートルの地点には、並べられた二つの木製人形が配置されている。
彼女は魔法攻撃の威力と精度を測るために、木製人形に向けて二回の攻撃魔法を使うことになった。
「風の刃、ウインドカッター!」
《シュンッ!》
鋭い風の音と共に、木製人形に向けて風の刃が飛んでいった。
《パキッ!》
風の刃が木製人形に命中し、木は切り裂かれて地面に崩れ落ちた。
「うぉー!」「すごい!」
観客席からはジュリアの魔法に対する驚きの声が上がっていた。
「水の礫よ、迸れ!『ウォーターショット!』」
ジュリアは次に水魔法のウォーターショットを放った。
この魔法は水を高い圧力で飛ばして攻撃するもので、以前に見た際はその速度と威力に驚いたことを思い出した。
今回も見事な破壊力で木製人形をまるで銃弾で撃ち抜いたように粉々にしていった…。
(やはり、ジュリアの魔法は素晴らしい…)
「すごい!」「見たか!」「速くて見えなかったよ!」「木製人形がバラバラだぞ!」「あの子は逸材だ!」
「はい!そこまで!魔法士ミハエル。ジュリアの魔法はどうだった?」
「正直、私の魔法より強力だ。文句なしの合格だ。」
「よろしい。魔法士ジュリアはCランクの昇格をここに認める。」
ギルマスとミハエルの合格宣言に、観客席は歓声で湧き上がっていた。
「さて、次はお前さんの番だぞ!ジン!」
「ああ…。」
「ジンさん、全部で金貨15枚ですよ!?凄いですね!」
「ジュリア、落ち着いて!あまり大声は不味い…。」
「あっ…大金ですもんね。ごめんなさい。」
「それにしても、本当にあのサンギョを倒すとは驚きました。ゴブリンリーダーを倒した実績も合わせて、納得がいきました。」
「サニーさん。そのことだが、確か昨日ランクアップに関する話があったような気がしたのだが…。」
「はい、その件はギルマスにも報告してあります。もし時間があれば、ギルマスにお会いいただけませんか?」
ジュリアと視線を交わす。
彼女は問題なさそうだ。
「承知した。伺おう。」
「ありがとうございます。こちらへどうぞ…。」
私たちはサニーさんに案内され、ギルマスの部屋へ向かうことになった…。
◇ 冒険者ギルド マスタールーム ◇
「失礼します。Eランクのジンさんとジュリアさんをお連れしました。」
「中に入れ!」
部屋の中からの返事にサニーさんが扉を開けて案内してくれた。
私たちは、ギルドマスターであるらしい女性の前に立ちお辞儀した。
目の前の女性は、非常に鍛え抜かれた肉体を持つ方であった…。
(これがギルマスか…?水着のような服装からボディービルダーかと思ったが…。)
彼女は、前世でいうところのボディービルダーのように筋肉隆々な外見で、露出度が高い服を身にまとっていた。
「あなたがギルマス…。」
「そうさっ!私はギルドマスターのランピヨだ。」
ギルマスは筋肉をアピールするようにポージングしながらそう答えた。
「ランピヨさんね…。私はジン。こちらはジュリアだ。」
「聞いているよ!ジンとジュリアだな!ゴブリンリーダーを倒し、あのサンギョに勝利するとは、やるじゃないか!」
「ええ、まあ…。」
私はランピヨさんの独特な雰囲気に完全に引いてしまっている。
「ジン!あんた!いい筋肉しているじゃないか。どれどれ…。」
ギルマスが近づいてきて私に触れようと手を伸ばしてきた。
「触るのはやめてくれ…。」
「ワハハ!何を恥ずかしがってんだよ!お前、見かけによらずウブなんだな!」
(あなたが色々と怖いだけだ…。)
「まあいいや!あんた達の実績を考慮すれば、すぐにでもCランクに昇格させたいところだが、本当に実力があるのか、この目で確かめさせてもらう必要がある。」
「確かにそうだな。では、どのように評価するんだ?」
「ジュリアは魔法が得意だそうね?彼女には、魔法を披露してもらおう。Cランク相当の能力があれば合格だ。」
「私は魔法は使えないが…。」
「ジンは剣士だろ?剣士なら戦いで評価するのが一番わかりやすい。つまり、模擬戦だ。どうだ、二人とも挑戦してみるか?」
「構わない。」「もちろんです!」
私たちは即答した。
こうして、私たちはそれぞれの力を試し、Cランクへの昇格チャンスを手に入れることとなったのであった…。
◇ ギルド 地下訓練場 ◇
私たちはギルドの地下にある訓練場へ向かった。
ここは冒険者が自由に訓練できる場所で、広大なスペースが広がっていた。
広場の周りは観客席になっており、普段は訓練場として使われている他、闘技場としても利用されることがあるらしい。
「ああ。観客席ね?驚いたかしら?ここはね、普段は訓練場だけど、闘技場としても利用されることもあるのよ。その為の観客席なのよ。」
(ランピヨさん…喋りながら一々ポージングするのはやめてほしい…。)
どういう訳か、ちらほらと観客席に人が集まってきている…。
(もしかして、俺たちを見に来たのか?)
「ランピヨさん、あの人たちは…?」
「当然、あんた達を見に来たに決まっているだろう?」
「やはりそうか…。」
「凄腕の剣士ジンと、美しい魔法士ジュリア。あんたたちは既に噂の的になっているぞ!」
「うふふ。ジンさん、私は美しい魔法士と言われちゃいました!」
ジュリアは恥ずかしそうにも嬉しそうにも見えながら、私を見つめてきた。
「お、おう。良かったな…。」
「もう!冷たいわね!もっといい反応はできないのかしら?」
「ほれ、二人とも!じゃれあっていないで準備しろ!まずはジュリアからだ!」
「はい!」
ジュリアは魔法の実力を試すことになった。
ジュリアのいる場所から75メートルの地点には、並べられた二つの木製人形が配置されている。
彼女は魔法攻撃の威力と精度を測るために、木製人形に向けて二回の攻撃魔法を使うことになった。
「風の刃、ウインドカッター!」
《シュンッ!》
鋭い風の音と共に、木製人形に向けて風の刃が飛んでいった。
《パキッ!》
風の刃が木製人形に命中し、木は切り裂かれて地面に崩れ落ちた。
「うぉー!」「すごい!」
観客席からはジュリアの魔法に対する驚きの声が上がっていた。
「水の礫よ、迸れ!『ウォーターショット!』」
ジュリアは次に水魔法のウォーターショットを放った。
この魔法は水を高い圧力で飛ばして攻撃するもので、以前に見た際はその速度と威力に驚いたことを思い出した。
今回も見事な破壊力で木製人形をまるで銃弾で撃ち抜いたように粉々にしていった…。
(やはり、ジュリアの魔法は素晴らしい…)
「すごい!」「見たか!」「速くて見えなかったよ!」「木製人形がバラバラだぞ!」「あの子は逸材だ!」
「はい!そこまで!魔法士ミハエル。ジュリアの魔法はどうだった?」
「正直、私の魔法より強力だ。文句なしの合格だ。」
「よろしい。魔法士ジュリアはCランクの昇格をここに認める。」
ギルマスとミハエルの合格宣言に、観客席は歓声で湧き上がっていた。
「さて、次はお前さんの番だぞ!ジン!」
「ああ…。」
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