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第一章 ジンディオールの復讐編
第25話 冒険者ギルド
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私たちはついにイースラン公国の公都フェルナンドに到着した。
フェルナンドは中世ヨーロッパの世界観がそのまま具現化されたような美しい街だった。
古風な建物や石畳の道が整然と並び、モダンな要素も見受けられた。
私はこれぞ異世界な景観に感動した。
ジュリアも村とは全く異なる大都会の光景に目を輝かせていた。
身分証を持たない私たちは、正門の兵士に勧められて冒険者ギルドで作成することにした。
街道沿いにあるということで、街の景色を楽しみながら歩き続けた。
この都市には、エルフやドワーフ、獣人などの亜人種や、ヒューマンなども多く住んでいるようだった。
街の至る所で多種多様な人種が見られた。
私たちは兵士に言われた通りに街道をまっすぐ進んだ。
やがて、冒険者ギルドと書かれた建物が目に入った。
◇ 冒険者ギルド ◇
冒険者ギルドは街の景観に溶け込むような外観をしていた。
私たちは中に入ると、奥のカウンターから元気な声が聞こえた。
「いらっしゃいませ!」
どうやら受付の女性が私たちに気づき、声をかけてくれたらしい。
私たちはギルドホールの様子をキョロキョロと見回しながら受付の方に向かった。
ホールには様々な人々がいた。
掲示板のような場所には、多くの人が集まり依頼を確認しているようだった。
(仕事を探しているのだろうか?)
また、隣接している酒場にはお酒を飲みながら談笑している人々の姿もあった。
(昼間から飲むのが異世界流なのだろうか?)
カウンターの女性と話し込む人の姿もあった。
(この受付では一体どんなことをするのだろうか?)
色々な人々が色々なことをしており、何だか面白いなと感じた。
私たちは空いている受付のカウンターに向かい、担当の女性に声をかけた。
「いらっしゃいませ!本日はどのようなご用件でしょうか?」
丁寧な言葉をかけてくれたのは、猫耳の獣人の女性だった。
容姿もスタイルも良く、異世界の女性は素晴らしいと思わずにはいられなかった。
「身分証明証を発行してもらいたくて来たんだが…。」
「そうでしたか。では、冒険者にご登録ということになりますが、大丈夫でしょうか?」
予想はしていたが、冒険者ギルドで身分証明証を作るということは、冒険者になるということだ。
私はジュリアの方に目を向けた。
ジュリアは私に目を向けてゆっくりと頷いた。
ジュリアは覚悟ができているようだった。
私も彼女に頷き返した。
「ああ。冒険者になろうと思う。登録をお願いできるか?」
「かしこまりました!喜んでご登録のサポートをさせていただきます。私はギルド職員のサニーと申します。」
「私はジン。こちらはジュリアだ。よろしく頼む。」
「では、まずはこちらにご記入ください。」
渡されたのは一枚の用紙だった。
名前や性別や年齢など一般的な情報を書くだけだった。
私にはジン・ディオール・フブキという立派な名前がある。
しかし、セカンドネームなどの長い名前は、貴族などの身分が高い者であることを意味することをジンディオールの記憶から知っている。
私はシンプルに『ジン』とだけ記入した。
年齢は18歳。性別は男性と記入した。
地球では42歳だったことが少し懐かしい。
「はい。これで記入は終わりです。では、次にこの球体に手を触れてください。」
サニーさんが取り出したのは、透明な球体だった。
「これは?」
「こちらは、犯罪歴を確認するものです。当然ですが、犯罪者を冒険者にすることはできませんので…。」
私たちは交互に球体に触れた。球体は少しだけ光を放つと、すぐに明かりは消えた。
「はい、二人とも合格ですよ!これからギルドカードの作成をします。待っていただいている間に冒険者について説明しますがよろしいですか?」
「構わない。よろしくお願いする。」
私たちは、サニーさんから冒険者についての様々な知識を教えてもらった。
冒険者は、魔物や盗賊の討伐や、護衛任務を行ったり、様々な素材採取や獣の狩りなども行う。
掃除や運搬などの雑用もあるので、依頼さえあれば何でもやるのだそうだ。
そして、冒険者はその実力をランクによって分類される。
Eランクから始まりトップクラスはSランクとなる。
私たちはEランクになるのだと言う。
様々な依頼をこなし、その実力が認められればランクが上がるのだという。
その他にも冒険者ギルドのルールなども存在し、ルール違反をすると罰金やランクダウンなどのペナルティもあるとのことだった。
「いかがでしょうか?おわかりいただけましたか?」
「ああ。よくわかったよ。ありがとう。」
「カードも完成しました。ジンさんのカードと、ジュリアさんのカードです。お受け取りください。」
サニーさんに礼を述べて受付を後にした。
掲示板の依頼が気になるが、長旅による疲労も蓄積しており、今日は宿屋で休むことにした。
◇ 宿屋 銀湖 ◇
「なぜジュリアまで同じ部屋で同じベッドなんだ?」
「いいじゃないですか!旅を共にする仲ですもん!」
「いや、だがな…。」
若い娘が同衾など、どうしたものか…。
42歳のオッサンには刺激が強いというか、なんというか…。
「ジンさん、私と同じベッドは嫌ですか?」
(ジュリア、涙目で見るのは反則だぞ!)
「いや、そんなことはない。そんなことはないんだ…。」
「うふふ。じゃあ、一緒に寝ましょ!」
私は微動だにできずに眠れない夜を過ごしたのであった…。
フェルナンドは中世ヨーロッパの世界観がそのまま具現化されたような美しい街だった。
古風な建物や石畳の道が整然と並び、モダンな要素も見受けられた。
私はこれぞ異世界な景観に感動した。
ジュリアも村とは全く異なる大都会の光景に目を輝かせていた。
身分証を持たない私たちは、正門の兵士に勧められて冒険者ギルドで作成することにした。
街道沿いにあるということで、街の景色を楽しみながら歩き続けた。
この都市には、エルフやドワーフ、獣人などの亜人種や、ヒューマンなども多く住んでいるようだった。
街の至る所で多種多様な人種が見られた。
私たちは兵士に言われた通りに街道をまっすぐ進んだ。
やがて、冒険者ギルドと書かれた建物が目に入った。
◇ 冒険者ギルド ◇
冒険者ギルドは街の景観に溶け込むような外観をしていた。
私たちは中に入ると、奥のカウンターから元気な声が聞こえた。
「いらっしゃいませ!」
どうやら受付の女性が私たちに気づき、声をかけてくれたらしい。
私たちはギルドホールの様子をキョロキョロと見回しながら受付の方に向かった。
ホールには様々な人々がいた。
掲示板のような場所には、多くの人が集まり依頼を確認しているようだった。
(仕事を探しているのだろうか?)
また、隣接している酒場にはお酒を飲みながら談笑している人々の姿もあった。
(昼間から飲むのが異世界流なのだろうか?)
カウンターの女性と話し込む人の姿もあった。
(この受付では一体どんなことをするのだろうか?)
色々な人々が色々なことをしており、何だか面白いなと感じた。
私たちは空いている受付のカウンターに向かい、担当の女性に声をかけた。
「いらっしゃいませ!本日はどのようなご用件でしょうか?」
丁寧な言葉をかけてくれたのは、猫耳の獣人の女性だった。
容姿もスタイルも良く、異世界の女性は素晴らしいと思わずにはいられなかった。
「身分証明証を発行してもらいたくて来たんだが…。」
「そうでしたか。では、冒険者にご登録ということになりますが、大丈夫でしょうか?」
予想はしていたが、冒険者ギルドで身分証明証を作るということは、冒険者になるということだ。
私はジュリアの方に目を向けた。
ジュリアは私に目を向けてゆっくりと頷いた。
ジュリアは覚悟ができているようだった。
私も彼女に頷き返した。
「ああ。冒険者になろうと思う。登録をお願いできるか?」
「かしこまりました!喜んでご登録のサポートをさせていただきます。私はギルド職員のサニーと申します。」
「私はジン。こちらはジュリアだ。よろしく頼む。」
「では、まずはこちらにご記入ください。」
渡されたのは一枚の用紙だった。
名前や性別や年齢など一般的な情報を書くだけだった。
私にはジン・ディオール・フブキという立派な名前がある。
しかし、セカンドネームなどの長い名前は、貴族などの身分が高い者であることを意味することをジンディオールの記憶から知っている。
私はシンプルに『ジン』とだけ記入した。
年齢は18歳。性別は男性と記入した。
地球では42歳だったことが少し懐かしい。
「はい。これで記入は終わりです。では、次にこの球体に手を触れてください。」
サニーさんが取り出したのは、透明な球体だった。
「これは?」
「こちらは、犯罪歴を確認するものです。当然ですが、犯罪者を冒険者にすることはできませんので…。」
私たちは交互に球体に触れた。球体は少しだけ光を放つと、すぐに明かりは消えた。
「はい、二人とも合格ですよ!これからギルドカードの作成をします。待っていただいている間に冒険者について説明しますがよろしいですか?」
「構わない。よろしくお願いする。」
私たちは、サニーさんから冒険者についての様々な知識を教えてもらった。
冒険者は、魔物や盗賊の討伐や、護衛任務を行ったり、様々な素材採取や獣の狩りなども行う。
掃除や運搬などの雑用もあるので、依頼さえあれば何でもやるのだそうだ。
そして、冒険者はその実力をランクによって分類される。
Eランクから始まりトップクラスはSランクとなる。
私たちはEランクになるのだと言う。
様々な依頼をこなし、その実力が認められればランクが上がるのだという。
その他にも冒険者ギルドのルールなども存在し、ルール違反をすると罰金やランクダウンなどのペナルティもあるとのことだった。
「いかがでしょうか?おわかりいただけましたか?」
「ああ。よくわかったよ。ありがとう。」
「カードも完成しました。ジンさんのカードと、ジュリアさんのカードです。お受け取りください。」
サニーさんに礼を述べて受付を後にした。
掲示板の依頼が気になるが、長旅による疲労も蓄積しており、今日は宿屋で休むことにした。
◇ 宿屋 銀湖 ◇
「なぜジュリアまで同じ部屋で同じベッドなんだ?」
「いいじゃないですか!旅を共にする仲ですもん!」
「いや、だがな…。」
若い娘が同衾など、どうしたものか…。
42歳のオッサンには刺激が強いというか、なんというか…。
「ジンさん、私と同じベッドは嫌ですか?」
(ジュリア、涙目で見るのは反則だぞ!)
「いや、そんなことはない。そんなことはないんだ…。」
「うふふ。じゃあ、一緒に寝ましょ!」
私は微動だにできずに眠れない夜を過ごしたのであった…。
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