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第一章 ジンディオールの復讐編
第19話 嫌な予感
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「うりゃあ!」
「やあー!」
《ギャァァァ!》《グァァァ!》
静寂の森を抜けた後、公都に向かっていた私たちは、道中で魔物と遭遇することがあった。
それらは弱いものばかりだったが、私たちは迎撃して戦闘経験を積む良い機会としたのであった。
『レベルが26→30に上がりました。』
私の能力は、幼女神さまの加護によって成長しやすくなっているらしい。
仲間にもその効果が及ぶようになったので、ジュリアも同じようにレベルアップしていた。
(ジュリアはどうかな…?)
《 基礎情報 》
名前:ジュリア
レベル :12
性別:女性
年齢:17歳
種族:人狼族
職業:旅人
《 スキル 》
回復魔法:レベル3
風魔法:レベル1
火魔法:レベル1
弓術:レベル3
魔力増幅:レベル3
《 状態 》
成長加速:ジン・ディオール・フブキのパーティ効果。
「ジュリアもすごく強くなったね!凄いじゃないか。」
「はい!ジンさんの『成長加速』のお陰ですよね?」
「ああ。私もこんなに能力が目覚めるとは思ってもいなかったよ。女神さまのご加護のお陰だな。だが、このことは秘密だよ。」
「もちろんです!私、戦えるようになって嬉しいです。」
私は、レベル20に到達したあたりで幼女神さまの加護が進化していたことを思い出した。
様々な能力が成長し易くなる『成長加速』という効果が、仲間にも反映されるようになったのだ。
これによって、ジュリアの成長が加速され、異常なレベル上昇に繋がったのだ。
◇ ◇ ◇
一方、ジンやジュリアが静寂の森を突破した頃…。
「助けてくれー!」
「ワーハッハッハ!死ねや!」
《ズシュッ!》
「ぎゃあー!!」
公都フェルナンドから離れた静寂の森の近郊にあるルカ村では、突然盗賊の集団に襲われていた。
村の男たちは、問答無用で殺害され、若い女たちは捕縛され犯された。
子供たちは、奴隷として売る為の商品として捕らえられた。
その様子は余りも酷く、まるで地獄を見ているかのようだった。
ボクは、その様子に心を痛めながらも、見守るしかできない歯がゆさを感じていた…。
(ジンくん。君たちが頼りなのだよ…。)
◇ ◇ ◇
「わぁ!何だ!?」
「ジンさん?どうかしましたか?」
「いや…何か嫌な予感がしたんだ。突然、背筋が冷たくなった気がしたよ。」
「ジンさん!見てください!あれって…。」
ジュリアが指差す先には何かの集落があるようだった。
この位置では遠過ぎるが、何か様子がおかしい…。
集落の辺りからは砂埃が舞い上がり、村の一部からは火の手が上がっているようにも見えた。
「ジンさん、これはもしかして…。」
「ああ。あの集落が何らかの襲撃を受けているようだ。ジュリア!」
私はジュリアを一瞥した。
ジュリアは黙ったままコクリと頷いた。
事情まではわからないが、私達は急いで集落へと向うことにした。
集落が近づくに連れ、とうとう状況が把握できるようになった。
裸の女が男に追いかけられており、子供たちが手足を縄で縛られて連れて行かれようとしていた。
「これは…盗賊か!?」
私はジュリアが幼い頃にあった悲劇のエピソードを思い出した。
ジュリアの父は盗賊の襲撃で命を落とし、母は目の前で辱められたのちに連れ去られている。
彼女はそんな悲惨な体験をしており、このまま連れていくのは、彼女の精神状態を考慮すると危険だと思った。
「ジュリア。君はここにいるんだ。これ以上は見ない方がいい…。私が一人で救助にあたる。」
「いいえ!行かせて下さい!あの頃の私は小さくて、弱くかった。だから、お父さんやお母さん、村の人たちを助けられませんでした。でも、今はジンさんのお陰で戦う力を身につけました。あの頃出来なかったことを今果たしたいんです!」
(そうか…。ジュリアは過去の悲しみや悔しさを乗り越えようとしているのか。それにレベルが上がった彼女ならきっと大丈夫だろう。)
「わかった。ジュリア!できる限り救うぞ!」
「はい!ジンさん!」
私達は村へと足を踏み入れることにした…。
「やあー!」
《ギャァァァ!》《グァァァ!》
静寂の森を抜けた後、公都に向かっていた私たちは、道中で魔物と遭遇することがあった。
それらは弱いものばかりだったが、私たちは迎撃して戦闘経験を積む良い機会としたのであった。
『レベルが26→30に上がりました。』
私の能力は、幼女神さまの加護によって成長しやすくなっているらしい。
仲間にもその効果が及ぶようになったので、ジュリアも同じようにレベルアップしていた。
(ジュリアはどうかな…?)
《 基礎情報 》
名前:ジュリア
レベル :12
性別:女性
年齢:17歳
種族:人狼族
職業:旅人
《 スキル 》
回復魔法:レベル3
風魔法:レベル1
火魔法:レベル1
弓術:レベル3
魔力増幅:レベル3
《 状態 》
成長加速:ジン・ディオール・フブキのパーティ効果。
「ジュリアもすごく強くなったね!凄いじゃないか。」
「はい!ジンさんの『成長加速』のお陰ですよね?」
「ああ。私もこんなに能力が目覚めるとは思ってもいなかったよ。女神さまのご加護のお陰だな。だが、このことは秘密だよ。」
「もちろんです!私、戦えるようになって嬉しいです。」
私は、レベル20に到達したあたりで幼女神さまの加護が進化していたことを思い出した。
様々な能力が成長し易くなる『成長加速』という効果が、仲間にも反映されるようになったのだ。
これによって、ジュリアの成長が加速され、異常なレベル上昇に繋がったのだ。
◇ ◇ ◇
一方、ジンやジュリアが静寂の森を突破した頃…。
「助けてくれー!」
「ワーハッハッハ!死ねや!」
《ズシュッ!》
「ぎゃあー!!」
公都フェルナンドから離れた静寂の森の近郊にあるルカ村では、突然盗賊の集団に襲われていた。
村の男たちは、問答無用で殺害され、若い女たちは捕縛され犯された。
子供たちは、奴隷として売る為の商品として捕らえられた。
その様子は余りも酷く、まるで地獄を見ているかのようだった。
ボクは、その様子に心を痛めながらも、見守るしかできない歯がゆさを感じていた…。
(ジンくん。君たちが頼りなのだよ…。)
◇ ◇ ◇
「わぁ!何だ!?」
「ジンさん?どうかしましたか?」
「いや…何か嫌な予感がしたんだ。突然、背筋が冷たくなった気がしたよ。」
「ジンさん!見てください!あれって…。」
ジュリアが指差す先には何かの集落があるようだった。
この位置では遠過ぎるが、何か様子がおかしい…。
集落の辺りからは砂埃が舞い上がり、村の一部からは火の手が上がっているようにも見えた。
「ジンさん、これはもしかして…。」
「ああ。あの集落が何らかの襲撃を受けているようだ。ジュリア!」
私はジュリアを一瞥した。
ジュリアは黙ったままコクリと頷いた。
事情まではわからないが、私達は急いで集落へと向うことにした。
集落が近づくに連れ、とうとう状況が把握できるようになった。
裸の女が男に追いかけられており、子供たちが手足を縄で縛られて連れて行かれようとしていた。
「これは…盗賊か!?」
私はジュリアが幼い頃にあった悲劇のエピソードを思い出した。
ジュリアの父は盗賊の襲撃で命を落とし、母は目の前で辱められたのちに連れ去られている。
彼女はそんな悲惨な体験をしており、このまま連れていくのは、彼女の精神状態を考慮すると危険だと思った。
「ジュリア。君はここにいるんだ。これ以上は見ない方がいい…。私が一人で救助にあたる。」
「いいえ!行かせて下さい!あの頃の私は小さくて、弱くかった。だから、お父さんやお母さん、村の人たちを助けられませんでした。でも、今はジンさんのお陰で戦う力を身につけました。あの頃出来なかったことを今果たしたいんです!」
(そうか…。ジュリアは過去の悲しみや悔しさを乗り越えようとしているのか。それにレベルが上がった彼女ならきっと大丈夫だろう。)
「わかった。ジュリア!できる限り救うぞ!」
「はい!ジンさん!」
私達は村へと足を踏み入れることにした…。
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