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第6章 地下ドワーフ編
第133話 ドワルコ帝国(魔法大臣1)ミミ視点
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◇◇◇◇ ミミ視点 ◇◇◇◇
「にゃにゃ!ここはどこなのにゃ?」
私は、ご主人様から頼まれて魔法官邸へ向かっていた。
魔法官邸は王城の東にあって、ご主人様はこの道をまっすぐ行けば着くと教えてくれた。
だから、そのとおりに歩いていたつもりなんだけど…。
〘 ミミ、あなたは途中で大道芸に出会って見入ってしまったのですよね?そのせいで方向を間違えてしまって、目的地からずれてしまいました。〙
(にゃにゃ!もしかして…エイチにゃん?)
〘 肯定します。一番早く着けるルートを教えますから、急いでください。予定より5分39秒遅れています。〙
(ごめんなさいにゃあ。わかったにゃん!)
私はさっき大道芸の一座に引き寄せられて、面白そうな芸をやっているのを見てしまったのだ。
気がついたら方角が変わっていて、知らない場所に来てしまっていた。
でも、エイチにゃんが正しいルートを教えてくれたおかげで、全力で走って3分で魔法官邸に着くことができた。
「わぁ!これが魔法官邸なのにゃ!すごい建物なのにゃあ。」
目の前に現れたのはとても立派な洋風の建物だった。
近代的で美しい建築で私は感嘆した。この中には魔法大臣のミナ・エスパスがいるという。
敷地は広くて壁で囲まれていて、普通なら正門から入るのだろうけど、私はドワルコ族ではないので不審者扱いされるだろうし、時間もなかったので、壁を飛び越えて侵入することにした。
壁は3mくらいあったが、私なら飛び越えられると確信していた。
助走をつけてジャンプしたら何とか乗り越えられた。
敷地の中に入ると建物がいくつもあって、どれが何の建物かわからなかった。
でも、ご主人様が私のためにエイチにゃんを貸してくれたから、大臣のところまで迷わず行けるだろう。
エイチにゃんに聞いたら、私やリヨンやミザリがエイチにゃんを使えるのは、ご主人様との深い愛情が絆となってリンクできるようになったからだと言っていた。
エイチにゃんの案内で着いたのは一番大きな建物だった。
恐る恐る中に入ると、広々とした空間があって真ん中に黒いとんがり帽子をかぶった老婆が立っていた。
彼女の近くでは水晶玉のようなものが浮かんでいた。
きっと、浮遊魔法を使っているのだと思う。彼女は本を見ながら何か呪文を唱えているみたいだった。
私はそっと老婆に近づいた。
「ん?誰だお前は!ね、猫人だと!?どうやってこの国に入ったんだ?」
「ご主人様に連れてきてもらったのにゃあ。」
「なるほど、仲間がいるのか。」
「おばあさんは魔法大臣なのかにゃ?」
「いかにも。ワシが魔法大臣のミナ・エスパスじゃ。じゃが、お前は怪しいの。一体何の用じゃ?」
「王様を助けるために魔法の鍵をもらいにきたのにゃ。」
「王を助けるだと!ハッハッハ!冗談じゃろう?あいつは無能な王じゃ!じゃから、我々が代わりに国を治めることにしたのじゃ。部外者が邪魔をするな!」
「嫌だにゃん!にゃんはご主人様の命令が一番大事なのにゃん。」
「ふん、何を企んでるか知らんが、お前は害悪じゃ!悪いが捕らえさせて貰うぞ!」
〘 ミミ、気をつけてください。大臣ミナの魔力が上昇しています。魔法を使おうとしています。〙
(わかったにゃん!)
「捕縛輪!」
大臣が呪文を唱えると、光の輪が三つ私の頭上に現れると、勢い良く落ちてきて身体に巻きついた。
「にゃにゃ!動けないにゃん!」
「ハッハッハ!呆気ないのぅ。」
光の輪は胸とお腹と太ももをきつく締め付けて、身動きできなくしていた。
「フォッフォッ。このまま警備兵に引き渡してもいいが、ちょうどいい実験材料になるな。亜人なら罪に問われないだろう。新しい魔法の効果を調べるのに使ってやろうか。それともワームの餌にしてやろうか。」
「やめてにゃあ!放してにゃあ!」
私は危険を感じて体をふるわせて拘束を解こうとしたけど、全然ダメだった。
油断してしまった。攻撃魔法が来ると思って身構えてたけど、こんなやり方で来るとは思わなかった。
〘 ミミ、落ち着いてください。あなたは神獣です。今までは人間と変わらない能力でしたが、あなたもマスターと同じように神力が成長しています。今なら能力の一部を解放可能です。〙
(本当にゃん?)
〘 肯定します。神獣の能力の『獣化』と『水使い』を解放します。〙
〘 解放シーケンス開始…。〙
〘 実行中…。〙
〘 『獣化』『風使い』が解放されました。ミミ、サポートしますから、まずは獣化を試してみてください。〙
(わかったにゃあ!)
「『獣化』するにゃあ!」
《ホワン!》
私の身体が変化し始めた。
こちらの世界に来て猫人となりスベスベの皮膚になったが、真っ黒な毛が生えてきて、全身を覆った。
身体もどんどん大きくなっていった…。
《パキンッ!》
身体が大きくなると、大臣のかけた光の輪は破れて消えた。
(わぁ、すごいにゃん!力が溢れてるにゃん!)
〘 肯定します。見た目は日本にいたときの黒猫ですが、巨大化して身体能力が格段に向上しました。〙
(やったにゃん!エイチにゃんありがとう!)
私は黒猫になった感覚がある。でも、懐かしい感覚でもある。
力の使い方はまだわからないが、身体を動かすのは問題なさそうだ。
「な、なんだと!猫人が巨大な猫に変わったと!?そ、そんなばかな…。ええい!こうなったらこれだ!ウインドカッター!」
大臣は手から鋭い風の刃を出して、私に向かって飛ばしてきた。
普通なら当たったら切り裂かれて大怪我するだろう。でも…。
《キーン!》
私は大丈夫だと思って避けなかったけど、風の刃は私の身体に当たっても跳ね返った。
私の毛はただの毛じゃなかったみたいだ。
獣化すると毛も強くなって、初級魔法くらいじゃ傷つかないみたいだ。
「なん…だと…。私の魔法が効かないと!?そんな…ばかな。」
大臣は驚いて固まっている。魔法が通じなかったことがショックだったみたいだ。
「おばあさん、わかったかにゃ。にゃんには勝てないにゃあ。素直に魔法の鍵を渡すにゃん!」
「うるさい!うるさい!この化け猫め!せっかくここまで来てこの地位を手に入れたんじゃ。お前みたいな者に邪魔されるものか!そうだ!あれじゃ!あれを呼び出そう。来い!ワームよ!」
―――― to be continued ――――
「にゃにゃ!ここはどこなのにゃ?」
私は、ご主人様から頼まれて魔法官邸へ向かっていた。
魔法官邸は王城の東にあって、ご主人様はこの道をまっすぐ行けば着くと教えてくれた。
だから、そのとおりに歩いていたつもりなんだけど…。
〘 ミミ、あなたは途中で大道芸に出会って見入ってしまったのですよね?そのせいで方向を間違えてしまって、目的地からずれてしまいました。〙
(にゃにゃ!もしかして…エイチにゃん?)
〘 肯定します。一番早く着けるルートを教えますから、急いでください。予定より5分39秒遅れています。〙
(ごめんなさいにゃあ。わかったにゃん!)
私はさっき大道芸の一座に引き寄せられて、面白そうな芸をやっているのを見てしまったのだ。
気がついたら方角が変わっていて、知らない場所に来てしまっていた。
でも、エイチにゃんが正しいルートを教えてくれたおかげで、全力で走って3分で魔法官邸に着くことができた。
「わぁ!これが魔法官邸なのにゃ!すごい建物なのにゃあ。」
目の前に現れたのはとても立派な洋風の建物だった。
近代的で美しい建築で私は感嘆した。この中には魔法大臣のミナ・エスパスがいるという。
敷地は広くて壁で囲まれていて、普通なら正門から入るのだろうけど、私はドワルコ族ではないので不審者扱いされるだろうし、時間もなかったので、壁を飛び越えて侵入することにした。
壁は3mくらいあったが、私なら飛び越えられると確信していた。
助走をつけてジャンプしたら何とか乗り越えられた。
敷地の中に入ると建物がいくつもあって、どれが何の建物かわからなかった。
でも、ご主人様が私のためにエイチにゃんを貸してくれたから、大臣のところまで迷わず行けるだろう。
エイチにゃんに聞いたら、私やリヨンやミザリがエイチにゃんを使えるのは、ご主人様との深い愛情が絆となってリンクできるようになったからだと言っていた。
エイチにゃんの案内で着いたのは一番大きな建物だった。
恐る恐る中に入ると、広々とした空間があって真ん中に黒いとんがり帽子をかぶった老婆が立っていた。
彼女の近くでは水晶玉のようなものが浮かんでいた。
きっと、浮遊魔法を使っているのだと思う。彼女は本を見ながら何か呪文を唱えているみたいだった。
私はそっと老婆に近づいた。
「ん?誰だお前は!ね、猫人だと!?どうやってこの国に入ったんだ?」
「ご主人様に連れてきてもらったのにゃあ。」
「なるほど、仲間がいるのか。」
「おばあさんは魔法大臣なのかにゃ?」
「いかにも。ワシが魔法大臣のミナ・エスパスじゃ。じゃが、お前は怪しいの。一体何の用じゃ?」
「王様を助けるために魔法の鍵をもらいにきたのにゃ。」
「王を助けるだと!ハッハッハ!冗談じゃろう?あいつは無能な王じゃ!じゃから、我々が代わりに国を治めることにしたのじゃ。部外者が邪魔をするな!」
「嫌だにゃん!にゃんはご主人様の命令が一番大事なのにゃん。」
「ふん、何を企んでるか知らんが、お前は害悪じゃ!悪いが捕らえさせて貰うぞ!」
〘 ミミ、気をつけてください。大臣ミナの魔力が上昇しています。魔法を使おうとしています。〙
(わかったにゃん!)
「捕縛輪!」
大臣が呪文を唱えると、光の輪が三つ私の頭上に現れると、勢い良く落ちてきて身体に巻きついた。
「にゃにゃ!動けないにゃん!」
「ハッハッハ!呆気ないのぅ。」
光の輪は胸とお腹と太ももをきつく締め付けて、身動きできなくしていた。
「フォッフォッ。このまま警備兵に引き渡してもいいが、ちょうどいい実験材料になるな。亜人なら罪に問われないだろう。新しい魔法の効果を調べるのに使ってやろうか。それともワームの餌にしてやろうか。」
「やめてにゃあ!放してにゃあ!」
私は危険を感じて体をふるわせて拘束を解こうとしたけど、全然ダメだった。
油断してしまった。攻撃魔法が来ると思って身構えてたけど、こんなやり方で来るとは思わなかった。
〘 ミミ、落ち着いてください。あなたは神獣です。今までは人間と変わらない能力でしたが、あなたもマスターと同じように神力が成長しています。今なら能力の一部を解放可能です。〙
(本当にゃん?)
〘 肯定します。神獣の能力の『獣化』と『水使い』を解放します。〙
〘 解放シーケンス開始…。〙
〘 実行中…。〙
〘 『獣化』『風使い』が解放されました。ミミ、サポートしますから、まずは獣化を試してみてください。〙
(わかったにゃあ!)
「『獣化』するにゃあ!」
《ホワン!》
私の身体が変化し始めた。
こちらの世界に来て猫人となりスベスベの皮膚になったが、真っ黒な毛が生えてきて、全身を覆った。
身体もどんどん大きくなっていった…。
《パキンッ!》
身体が大きくなると、大臣のかけた光の輪は破れて消えた。
(わぁ、すごいにゃん!力が溢れてるにゃん!)
〘 肯定します。見た目は日本にいたときの黒猫ですが、巨大化して身体能力が格段に向上しました。〙
(やったにゃん!エイチにゃんありがとう!)
私は黒猫になった感覚がある。でも、懐かしい感覚でもある。
力の使い方はまだわからないが、身体を動かすのは問題なさそうだ。
「な、なんだと!猫人が巨大な猫に変わったと!?そ、そんなばかな…。ええい!こうなったらこれだ!ウインドカッター!」
大臣は手から鋭い風の刃を出して、私に向かって飛ばしてきた。
普通なら当たったら切り裂かれて大怪我するだろう。でも…。
《キーン!》
私は大丈夫だと思って避けなかったけど、風の刃は私の身体に当たっても跳ね返った。
私の毛はただの毛じゃなかったみたいだ。
獣化すると毛も強くなって、初級魔法くらいじゃ傷つかないみたいだ。
「なん…だと…。私の魔法が効かないと!?そんな…ばかな。」
大臣は驚いて固まっている。魔法が通じなかったことがショックだったみたいだ。
「おばあさん、わかったかにゃ。にゃんには勝てないにゃあ。素直に魔法の鍵を渡すにゃん!」
「うるさい!うるさい!この化け猫め!せっかくここまで来てこの地位を手に入れたんじゃ。お前みたいな者に邪魔されるものか!そうだ!あれじゃ!あれを呼び出そう。来い!ワームよ!」
―――― to be continued ――――
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