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第4章 魔人アモア編
第84話 上級魔族アモア(後編)
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「では、皆さんが興味を持たれたこの都市で実験した魔法をお見せします。ああ。御安心下さい。ここのフロアの床や壁は、特別にミスリルダイトで作っています。崩れたりはしませんよ。」
「させないわ!『電光石火!』」
リヨンさんは、超加速でアモアの懐に入り、双剣で斬撃した。
《カキーン!!》
リヨンさんの斬撃は、アモアには届かず、影のようなモンスターが受け止めていた。
解析によるとシャドウデーモンという中級の魔族だった。アモアは、これを想定して密かに召喚していたようだ。
「クッ!」
「そう慌てないで下さいねぇ。この大魔法は、少々発動に時間がかかるのが欠点でしてねぇ。それまではシャドウデーモンと遊んでいて下さいな。」
三体現れたシャドウデーモンがリヨンさんとミミとアッシュさんの行く手を阻む。
影の異形というだけあって、全身は深い黒色で、顔ないシャドウデーモンからは、表情を伺い知れない。シャドウデーモンからの素早い爪攻撃の連続技に、三人とも防戦一方になってしまう。
他にも何体か召喚されていたシャドウデーモン達は、ミザーリアさんや、ミリモルさん、騎士団の皆さんと交戦状態に入っていた。アモアの思惑通り、詠唱の妨害が入らないための工作が成功しているようだ。
(アモアの魔力が増大しているようだ。このまま魔法を唱えさせてはいけない気がする…。)
そう思って直ぐに私はアモアに銃口を向けて引き金を引いた…。
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュンッ!》
放たれた弾丸は、アモアに向かって飛び出して行った…。空気を切り裂きながら進む弾丸は、目にも止まらぬスピードのハズだが、私はこの時だけは弾丸や弾道がしっかりと見えてしまっているようだ。それだけではない。いつもよりも周りの景色が少しだけスローに見えている気がした。
弾丸は、予定通りアモアに向かっている。これは、確実に命中すると思った矢先。弾道線上に突如現われたのは…ギルバートさんだった。
「えっ…。」
私は、状況がわからず固まっているうちに、全ての弾丸はギルバートさんの胸に命中した…。鋼鉄の鎧も貫通してしまう銃の威力は凄まじく、貫かれた鎧の穴からは、真っ赤な血が流れ出ていた…。
「ギルバートさん!?嘘でしょう?」
膝を付いて倒れたギルバートさんに目を向ける。脳内ウィンドウには、『魅了による支配』と表示されていた。いつの間にかギルバートさんは、アモアに支配され、銃弾から守る盾にされてしまったらしい。
「レイ。すまねぇな。支配されちまってた。だが、おかげで目が覚めたぜ!銃だったか?すげぇ、な…。」
ギルバートさんは、支配からは解放されたが、大量出血で気を失ってしまったようだ。すぐに回復が必要だ!
「サカモトちゃん。回復には及びません。どの道、全員、真っ黒焦げですからねぇ。回復するだけ無駄なんですよねぇ。」
アモアは、メガネをクイッと上げて嬉しそうに話している。これは、不味い…。
「じゃあ、バイバイ!EXフレア!」
アモアの人差し指から豆粒のような小さな光が見えたと思ったら、この広間を埋め尽くす程の火球となった。
「嘘だろ…。」
《ゴバァァァァァーン!!》
魔力の振動が轟音となり広間に鳴り響いた。
極大範囲魔法であろうこの火球からは、誰も逃れることはできなかった…。
恐らく直撃を受けたであろう身体は、黒焦げになり、右腕と右足は無くなり、お腹にも大穴が開いている。辛うじて顔を動かして周りを見てみても、仲間の姿が確認できない。恐らく極大魔法により、みんなが全員消失したのだろう。それくらい凄まじい破壊力だった。気づけば涙が零れ落ちていた。身体の痛みからではない。これは、心の痛みだ。仲間は全員死に、自分だけが何故か生き残ってしまった。スキルのおかげで頑丈になったからだろうか?
「ほう。サカモトちゃんは、あれを受けて炭になりませんでしたか。興味深いですねぇ。まあ、EXフレアは概ね成功と言っていいでしょう。これがあれば、魔王の代わりに私が王になるのも可能かも知れませんねぇ。ですが、一応念の為です。あの実験もやっておきましょう。サカモトちゃん。最後に言っておくことはありますか?」
「く、くたばれ!!」
「クックック。あなたは本当に面白いですねぇ。いつか現れる魔王に使ってやろうと思っている古代魔道具『異空屍』です。この世界とはまた別の異次元空間にあなたを閉じ込めます。永遠にね!今頃多くの魔物が生成されている頃です。餌になるかも知れませんが、きっと退屈はしないでしょう。では、おさらばねぇ。」
『フレアの解析に成功しました。』
『神格が……弐……りました。』
― to be continued ―
「させないわ!『電光石火!』」
リヨンさんは、超加速でアモアの懐に入り、双剣で斬撃した。
《カキーン!!》
リヨンさんの斬撃は、アモアには届かず、影のようなモンスターが受け止めていた。
解析によるとシャドウデーモンという中級の魔族だった。アモアは、これを想定して密かに召喚していたようだ。
「クッ!」
「そう慌てないで下さいねぇ。この大魔法は、少々発動に時間がかかるのが欠点でしてねぇ。それまではシャドウデーモンと遊んでいて下さいな。」
三体現れたシャドウデーモンがリヨンさんとミミとアッシュさんの行く手を阻む。
影の異形というだけあって、全身は深い黒色で、顔ないシャドウデーモンからは、表情を伺い知れない。シャドウデーモンからの素早い爪攻撃の連続技に、三人とも防戦一方になってしまう。
他にも何体か召喚されていたシャドウデーモン達は、ミザーリアさんや、ミリモルさん、騎士団の皆さんと交戦状態に入っていた。アモアの思惑通り、詠唱の妨害が入らないための工作が成功しているようだ。
(アモアの魔力が増大しているようだ。このまま魔法を唱えさせてはいけない気がする…。)
そう思って直ぐに私はアモアに銃口を向けて引き金を引いた…。
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュン!》
《プシュンッ!》
放たれた弾丸は、アモアに向かって飛び出して行った…。空気を切り裂きながら進む弾丸は、目にも止まらぬスピードのハズだが、私はこの時だけは弾丸や弾道がしっかりと見えてしまっているようだ。それだけではない。いつもよりも周りの景色が少しだけスローに見えている気がした。
弾丸は、予定通りアモアに向かっている。これは、確実に命中すると思った矢先。弾道線上に突如現われたのは…ギルバートさんだった。
「えっ…。」
私は、状況がわからず固まっているうちに、全ての弾丸はギルバートさんの胸に命中した…。鋼鉄の鎧も貫通してしまう銃の威力は凄まじく、貫かれた鎧の穴からは、真っ赤な血が流れ出ていた…。
「ギルバートさん!?嘘でしょう?」
膝を付いて倒れたギルバートさんに目を向ける。脳内ウィンドウには、『魅了による支配』と表示されていた。いつの間にかギルバートさんは、アモアに支配され、銃弾から守る盾にされてしまったらしい。
「レイ。すまねぇな。支配されちまってた。だが、おかげで目が覚めたぜ!銃だったか?すげぇ、な…。」
ギルバートさんは、支配からは解放されたが、大量出血で気を失ってしまったようだ。すぐに回復が必要だ!
「サカモトちゃん。回復には及びません。どの道、全員、真っ黒焦げですからねぇ。回復するだけ無駄なんですよねぇ。」
アモアは、メガネをクイッと上げて嬉しそうに話している。これは、不味い…。
「じゃあ、バイバイ!EXフレア!」
アモアの人差し指から豆粒のような小さな光が見えたと思ったら、この広間を埋め尽くす程の火球となった。
「嘘だろ…。」
《ゴバァァァァァーン!!》
魔力の振動が轟音となり広間に鳴り響いた。
極大範囲魔法であろうこの火球からは、誰も逃れることはできなかった…。
恐らく直撃を受けたであろう身体は、黒焦げになり、右腕と右足は無くなり、お腹にも大穴が開いている。辛うじて顔を動かして周りを見てみても、仲間の姿が確認できない。恐らく極大魔法により、みんなが全員消失したのだろう。それくらい凄まじい破壊力だった。気づけば涙が零れ落ちていた。身体の痛みからではない。これは、心の痛みだ。仲間は全員死に、自分だけが何故か生き残ってしまった。スキルのおかげで頑丈になったからだろうか?
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『フレアの解析に成功しました。』
『神格が……弐……りました。』
― to be continued ―
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