ギャルゲー主人公に狙われてます

白兪

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6月

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 黒瀬が俺を誘った。
 これはどういうことだ?
 友情ルート?それともまだ決まってない?
 普通に考えて、こんなに早く誰か1人に心を決めて好きなるなんてことは難しいのかもしれない。ここは限りなくゲームの世界に類似しているが、現実には間違いないから。

 この後にもまだルート変更ができる重要選択イベントがあったはずだ。そこでわかるのだろうか。
 ん?でも、そういえば黒瀬には好きな人がいるとかいないとか、、、
 その人のことは海に誘わなくていいのだろうか。

「何ぼーっとしてんの。海楽しみにしてただろ。行こう。」
「あ、うん!ごめんごめん。」

「冷たー!!!」
靴を脱いで裸足になって海に入る。
今日は比較的あったかい。海の冷たさが心地いい。
「黒瀬も入ろうよ。冷たくて気持ちいいよ」
 それでもまだ渋ってる黒瀬にえいっと水をかける。
「うわっっ!なにすんだよ。」
黒瀬も俺に向かって水をかける。


 気づいた時には2人ともベチョベチョに濡れていた。
「帰りのバスどうしよう、、、」
そんな俺を見てはぁっと黒瀬はため息をつく。
「どうせこんなことになるだろうとは思ってた。タオル2枚分用意してあるから。あと念のため替えの服も。」
「さすが友よ!!じゃあもう少し濡れてもいいってことだな!」
「っ!!おい!もう水かけんな!」
 セリフとは反対に黒瀬はとても楽しそうに笑った。


帰りのバスの中。着いたぞという声にハッと目を覚ますと、黒瀬にもたれかかっていた。いつのまにか眠ってしまっていたみたいだ。
「ごめん!いつの間にか寝てた。
よだれついてない?」
「大丈夫だよ。
でも寝言言ってたぞ。『もう肉は食えない~』って。」
黒瀬が口を押さえて笑う。
「からかうなよ。」
ジトっと黒瀬の顔を見る。笑いすぎだ。

 遠足楽しかったなーと1日を振り返る。イベントが間近で見られると楽しみにしていたが、結局見られなかった。でも、そこまで残念な気持ちではない。どちらかというとホッとしている。
 自分がモテる親友のことをねたんでしまう性格の悪いやつだなんて思っても見なかった。
 こんなんでちゃんと親友やれるかな、、、
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