ギャルゲー主人公に狙われてます

白兪

文字の大きさ
上 下
7 / 17

6月

しおりを挟む
 黒瀬が俺を誘った。
 これはどういうことだ?
 友情ルート?それともまだ決まってない?
 普通に考えて、こんなに早く誰か1人に心を決めて好きなるなんてことは難しいのかもしれない。ここは限りなくゲームの世界に類似しているが、現実には間違いないから。

 この後にもまだルート変更ができる重要選択イベントがあったはずだ。そこでわかるのだろうか。
 ん?でも、そういえば黒瀬には好きな人がいるとかいないとか、、、
 その人のことは海に誘わなくていいのだろうか。

「何ぼーっとしてんの。海楽しみにしてただろ。行こう。」
「あ、うん!ごめんごめん。」

「冷たー!!!」
靴を脱いで裸足になって海に入る。
今日は比較的あったかい。海の冷たさが心地いい。
「黒瀬も入ろうよ。冷たくて気持ちいいよ」
 それでもまだ渋ってる黒瀬にえいっと水をかける。
「うわっっ!なにすんだよ。」
黒瀬も俺に向かって水をかける。


 気づいた時には2人ともベチョベチョに濡れていた。
「帰りのバスどうしよう、、、」
そんな俺を見てはぁっと黒瀬はため息をつく。
「どうせこんなことになるだろうとは思ってた。タオル2枚分用意してあるから。あと念のため替えの服も。」
「さすが友よ!!じゃあもう少し濡れてもいいってことだな!」
「っ!!おい!もう水かけんな!」
 セリフとは反対に黒瀬はとても楽しそうに笑った。


帰りのバスの中。着いたぞという声にハッと目を覚ますと、黒瀬にもたれかかっていた。いつのまにか眠ってしまっていたみたいだ。
「ごめん!いつの間にか寝てた。
よだれついてない?」
「大丈夫だよ。
でも寝言言ってたぞ。『もう肉は食えない~』って。」
黒瀬が口を押さえて笑う。
「からかうなよ。」
ジトっと黒瀬の顔を見る。笑いすぎだ。

 遠足楽しかったなーと1日を振り返る。イベントが間近で見られると楽しみにしていたが、結局見られなかった。でも、そこまで残念な気持ちではない。どちらかというとホッとしている。
 自分がモテる親友のことをねたんでしまう性格の悪いやつだなんて思っても見なかった。
 こんなんでちゃんと親友やれるかな、、、
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺に告白すると本命と結ばれる伝説がある。

はかまる
BL
恋愛成就率100%のプロの当て馬主人公が拗らせストーカーに好かれていたけど気づけない話

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する

知世
BL
大輝は悩んでいた。 完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。 自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは? 自分は聖の邪魔なのでは? ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。 幼なじみ離れをしよう、と。 一方で、聖もまた、悩んでいた。 彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。 自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。 心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。 大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。 だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。 それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。 小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました) 受けと攻め、交互に視点が変わります。 受けは現在、攻めは過去から現在の話です。 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

彼はオレを推しているらしい

まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。 どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...? きっかけは突然の雨。 ほのぼのした世界観が書きたくて。 4話で完結です(執筆済み) 需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*) もし良ければコメントお待ちしております。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

とある冒険者達の話

灯倉日鈴(合歓鈴)
BL
平凡な魔法使いのハーシュと、美形天才剣士のサンフォードは幼馴染。 ある日、ハーシュは冒険者パーティから追放されることになって……。 ほのぼの執着な短いお話です。

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?

桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。 前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。 ほんの少しの間お付き合い下さい。

処理中です...