ギャルゲー主人公に狙われてます

白兪

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5月

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「「おはようございまーす」」
 今日は風紀委員の朝の挨拶当番だ。挨拶をしながら、校則違反の生徒を探す。
 視界の隅に太陽の光を浴びてキラキラ光る髪をみつけた。
「そこの人ー、止まってください。風紀委員です。あなたの金髪は校則違反に該当します。」
すかさず黒瀬がその少女をとめる。
「なに?なんか問題でもあるの?」
少女は黒瀬に反抗的だ。
 彼女は黄川きらり。ギャル系ヒロインだ。初めはツンとしているが、だんだん甘えてくるようになって、、、本当は優しくて寂しがり屋なんだよな。

「金髪は人の風気を乱します。あなたが金髪でいると他の人の意識が緩みます。」
「は?」
 黄川さんと黒瀬の間に火花が散る。
「黒染めしてきてくださいね。金髪もいいけど黒髪も似合うと思いますよ。授業に遅れるので今日はひとまず校舎に入りましょう。」
「はぁ?指図すんなし。」
黄川さんはギャーギャー言いながらも耳が真っ赤に染まっている。意外にウブなのだ、この子は。
 そして、黒瀬。さらっとそんなことを言うなんて罪作りなやつめ。

「秋人、俺らも入ろう」
「うん」
 今日は朝からいいもん見たなー。またニヤついてたら黒瀬に白い目で見られる。直さないと
 頬を手でぐにぐに回していたら、黒瀬がほっぺをぐいっとつねった。
「いたっ!!なにすんだよ!」
「なんかニヤついてたからムカついた。」
 なんだよそれ。黒瀬は鈍感なくせに俺の変化にはすぐ気づいてしまうから困ったもんだ。


「ごめーん!ボールそっち行った!取ってくれない?」
 放課後の体育館に響く大きな明るい声。見るとポニーテールの少女がこちらに向かって手をブンブン振っている。
「はい」
黒瀬が渡す。
「ありがと!
黒瀬玲君だよね!いつもバスケ上手いなって見てるよ。」
「ありがとう。俺も赤星さんバスケ上手いなって思ってる。」
「えぇ~??本当に~??」
 彼女の笑顔はキラキラしていて遠くから見ている俺からでも眩しい。

 彼女は元気系ヒロインの赤星千早。女子バスケ部のメンバーで、明るくて面白い性格が人気だ。普段明るい赤星千早が見せる涙のあのスチルは俺も大好きだった。バスケという共通点で仲良くなった2人は切磋琢磨しながら、お互いをライバルのように思いつつも恋を芽生えさせていく。冷静な黒瀬に元気な赤星さんはピッタリだ。
「赤星さんもいいな、、、」
「秋人、、、1人に絞った方がいいぞ」
「違うわ!俺の話じゃなくて、、えっとー、まあ、そんな感じ」
 黒瀬が俺のことを訝しげに見てくる。
 ヒロインたちとの出会いは順調だが、黒瀬の俺に対する好感度が下がってるような気がする!!
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