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「でも、どうやったらこの世界から出られるんだ…?」
ゲームから抜け出すには何か目的を果たさなくてはならない、というのがラノベでは定石だった。
今なら、ゲームクリアだろうか?
「そういえば俺って何してたっけ?」
恭弥の頃の最後の記憶があやふやなことに気がつく。
高校3年生になって受験が終わって、卒業式をして…。
そこから何も思い出せない。
思い出そうとすると頭がガンガンと痛い。
(もしかして、これって憑依じゃなくて…)
そう考えて思考を放棄した。
そんなこと信じたくない。絶対に家に帰るのだ。
(でも、全くストーリーを知らないんだよな。妹がハマってただけだし。妹もBLの話なんて家族にしないし。)
恭弥はできる限りの知識を総動員して考える。
(大抵エンディングは誰かと結ばれるハッピーエンドと、誰とも結ばれない友情エンド、あとはバッドエンドがあるよな。
俺が目指すべきはやっぱり、友情エンドだな。)
しかし、友情エンドをどうすれば迎えれるのか恭弥は見当もつかなかった。
「分からないからって諦めちゃダメだ。
絶対に日本に帰るんだ」
恭弥が唇を噛み締めると、鏡の中のリリスも唇を噛み締めた。
次の日、食堂で朝ごはんを食べているとダニエルが話しかけて来た。
「やあ!体調はどう?」
「ああ、すっかり元気だよ。本当にありがとな」
「今日は登校初日だろ?良かったら一緒に行こうか?」
すると突然、目の前に謎の画面が現れた。
▷一緒に行こう!
1人で行くね!
何でお前なんかと行かなきゃいけねぇんだよ
「何これ!?」
「?どうかした?」
「いや、何でも…」
突如として目の前に現れたゲーム画面のようなものに動揺を隠せない。
「えっと、い、一緒に行こう?」
画面通りの言葉を言うとピコンと音が鳴って、画面はたちまち消えてしまった。
「よし、じゃあ行こうか!学校までは少し歩くからね」
ダニエルは微笑んだ。
学校までの道のりにはたくさんの桜の木が植えられていた。
「綺麗…」
恭弥がキョロキョロと見回していると、誰かにぶつかってしまった。
「わっ!ごめんなさい!」
「いや、こちらこそすまないね」
ぶつかった相手は今までに見たことがないほどの美少年だった。金髪碧眼でホリは深く、背も高い。
「…ん?君はもしかしてリリスかい?」
「はい。どうして僕の名前を?」
「君の入学は噂になっているからね。聖魔法を使える人は100年に一度現れるか現れないかだ。皆んなが君に注目しているよ」
彼はクスリと笑った。
▷え…!緊張しちゃうな
そう言うあなたは誰なんですか?
は?きも
また選択肢が現れた。
最後の選択肢を見て、流石に初対面の人にこの口の悪さはないだろうと思わず笑ってしまう。
「そう言うあなたは誰なんですか?」
「無礼者!お前、この方を知らないのか?」
突然、銀髪のメガネに叱られる。
「ごめんなさい…?」
「仕方ないよ、エディス。この子は少し前まで孤児院で暮らしてたんだから。
自己紹介が遅れたね。私はルシファー。この国の王太子だ」
「お、王太子!?」
(ということは攻略対象者じゃねぇか!て言うことはこの銀髪メガネも…?)
「僕は、エディス・クローアルだ」
「俺も自己紹介する!俺はバン!剣と肉が好きだ!よろしくな!」
また1人、赤髪の少年が王太子の後ろから現れた。
コイツも攻略対象者だろう。
こういうのは大抵、エディスが公爵家の息子で、バンが騎士団長の息子だ。
「よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げると、ルシファーが優しく笑った。
「慣れないことも多いだろうから私を積極的に頼ってくれ。いつでも力になるよ」
その美しい笑みを見て、そういえば王太子が1番人気だったな、なんてくだらない事を思い出した。
ゲームから抜け出すには何か目的を果たさなくてはならない、というのがラノベでは定石だった。
今なら、ゲームクリアだろうか?
「そういえば俺って何してたっけ?」
恭弥の頃の最後の記憶があやふやなことに気がつく。
高校3年生になって受験が終わって、卒業式をして…。
そこから何も思い出せない。
思い出そうとすると頭がガンガンと痛い。
(もしかして、これって憑依じゃなくて…)
そう考えて思考を放棄した。
そんなこと信じたくない。絶対に家に帰るのだ。
(でも、全くストーリーを知らないんだよな。妹がハマってただけだし。妹もBLの話なんて家族にしないし。)
恭弥はできる限りの知識を総動員して考える。
(大抵エンディングは誰かと結ばれるハッピーエンドと、誰とも結ばれない友情エンド、あとはバッドエンドがあるよな。
俺が目指すべきはやっぱり、友情エンドだな。)
しかし、友情エンドをどうすれば迎えれるのか恭弥は見当もつかなかった。
「分からないからって諦めちゃダメだ。
絶対に日本に帰るんだ」
恭弥が唇を噛み締めると、鏡の中のリリスも唇を噛み締めた。
次の日、食堂で朝ごはんを食べているとダニエルが話しかけて来た。
「やあ!体調はどう?」
「ああ、すっかり元気だよ。本当にありがとな」
「今日は登校初日だろ?良かったら一緒に行こうか?」
すると突然、目の前に謎の画面が現れた。
▷一緒に行こう!
1人で行くね!
何でお前なんかと行かなきゃいけねぇんだよ
「何これ!?」
「?どうかした?」
「いや、何でも…」
突如として目の前に現れたゲーム画面のようなものに動揺を隠せない。
「えっと、い、一緒に行こう?」
画面通りの言葉を言うとピコンと音が鳴って、画面はたちまち消えてしまった。
「よし、じゃあ行こうか!学校までは少し歩くからね」
ダニエルは微笑んだ。
学校までの道のりにはたくさんの桜の木が植えられていた。
「綺麗…」
恭弥がキョロキョロと見回していると、誰かにぶつかってしまった。
「わっ!ごめんなさい!」
「いや、こちらこそすまないね」
ぶつかった相手は今までに見たことがないほどの美少年だった。金髪碧眼でホリは深く、背も高い。
「…ん?君はもしかしてリリスかい?」
「はい。どうして僕の名前を?」
「君の入学は噂になっているからね。聖魔法を使える人は100年に一度現れるか現れないかだ。皆んなが君に注目しているよ」
彼はクスリと笑った。
▷え…!緊張しちゃうな
そう言うあなたは誰なんですか?
は?きも
また選択肢が現れた。
最後の選択肢を見て、流石に初対面の人にこの口の悪さはないだろうと思わず笑ってしまう。
「そう言うあなたは誰なんですか?」
「無礼者!お前、この方を知らないのか?」
突然、銀髪のメガネに叱られる。
「ごめんなさい…?」
「仕方ないよ、エディス。この子は少し前まで孤児院で暮らしてたんだから。
自己紹介が遅れたね。私はルシファー。この国の王太子だ」
「お、王太子!?」
(ということは攻略対象者じゃねぇか!て言うことはこの銀髪メガネも…?)
「僕は、エディス・クローアルだ」
「俺も自己紹介する!俺はバン!剣と肉が好きだ!よろしくな!」
また1人、赤髪の少年が王太子の後ろから現れた。
コイツも攻略対象者だろう。
こういうのは大抵、エディスが公爵家の息子で、バンが騎士団長の息子だ。
「よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げると、ルシファーが優しく笑った。
「慣れないことも多いだろうから私を積極的に頼ってくれ。いつでも力になるよ」
その美しい笑みを見て、そういえば王太子が1番人気だったな、なんてくだらない事を思い出した。
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