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第6章 太陽の聖女と星の聖女
第277話 船の国ポートガ
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「あのっ! どうしてコリンはダメなんですかっ!?」
国境を越えようとして、正規の手続きを行おうとしたら、何故かコリンだけが止められてしまった。
全員ダメっていうならまだしも、どうしてコリンだけなのよっ!
「どうして……って、規則ですから。まず、A級薬師のアニエスさんと、A級占い師のロレッタさん。あなたたち二人は何の問題もありません」
「はい」
「それから、A級薬師のアニエスさんがテイムされたというシルバー・フォックスは、A級扱いになるので問題ありません。ですが一報で、アニエスさんとコリンさんはB級冒険者です。フランセーズで発行された身分証ですが、ポートガはフランセーズに隣接していないんです」
あっ! そうだ。B級冒険者だと、登録した国の隣国までしか行けないんだ!
確かに……この係の人の言う通りだ。
「ご理解いただけましたか?」
「は、はい。少し、考えます」
ようやく止められた理由を理解し、一旦街へ戻る。
適当な物陰でどうするか話す事に。
「お姉ちゃん。ボクはこの町で待機でも、大丈夫だよ。今はあの王子を止める方が重要だと思うし」
「でも、フランセーズからも遠く離れているし、ビアンカさんのいる聖都からも離れているのに、コリンだけを置いていくなんて……」
「ですが、アニエスさん。急がないと……」
コリンと私とロレッタさんとでどうするか話していると、人の姿に戻ったイナリが困った提案をしてきた。
「コリンがハムスターの姿になれば、忍び込むくらい容易であろう。それで良いのではないか?」
「いや、確かにそうなんだけど……」
「別に悪事を働きに行く訳でもあるまい。むしろ、近隣諸国を守る為に行くのだ。これくらいは良いであろう」
「うーん……」
「それに、以前土の聖女を乗せて、近しい事をしているであろう」
それを言われると、私としては何も言えない。
以前、ソフィアさんを助ける為に、イナリにお願いして国境を飛び越えてもらっちゃったからね。
「た、確かにあれに比べれば、ちゃんと手続きもするもんね」
「そうであろう。こんな事に時間を費やす方がマズいであろう」
イナリの言葉にロレッタさんも頷く。
トリスタン王子を止めなければ、大勢の人に影響があるもんね。
「わ、わかったわ。という訳で、コリン。悪いけど……」
「うん、大丈夫。お姉ちゃん、服は任せるね」
という訳で、コリンには留守番してもらう事にした……と言って国境を越え、船の国ポートガへ。
そのまま馬車に乗り……あっという間に首都イスボアへ到着した。
世界最大の港だと聞いていたけど……本当に凄い。
建物よりも船の方が多いのではないだろうか。
「……お姉ちゃん! 凄いね! 大きな船がいっぱい!」
「そうね。流石は船の国ね」
「……ふむ。我は大きな船よりも、小さな舟の方が好きなのだが……ここまで大きいと、建物が海の上を動くかのようだな」
確かにイナリの言う通りで、昨日泊まった宿よりも大きな船だらけだ。
「……ところで、魔の力ってどこにあるの?」
「あ……」
「……え、えっと、夜まで聞き込みしましょうか」
何とか目的地には着いたものの、その後の事が何も決まっておらず、ひとまず皆で聞き込みする事になった。
国境を越えようとして、正規の手続きを行おうとしたら、何故かコリンだけが止められてしまった。
全員ダメっていうならまだしも、どうしてコリンだけなのよっ!
「どうして……って、規則ですから。まず、A級薬師のアニエスさんと、A級占い師のロレッタさん。あなたたち二人は何の問題もありません」
「はい」
「それから、A級薬師のアニエスさんがテイムされたというシルバー・フォックスは、A級扱いになるので問題ありません。ですが一報で、アニエスさんとコリンさんはB級冒険者です。フランセーズで発行された身分証ですが、ポートガはフランセーズに隣接していないんです」
あっ! そうだ。B級冒険者だと、登録した国の隣国までしか行けないんだ!
確かに……この係の人の言う通りだ。
「ご理解いただけましたか?」
「は、はい。少し、考えます」
ようやく止められた理由を理解し、一旦街へ戻る。
適当な物陰でどうするか話す事に。
「お姉ちゃん。ボクはこの町で待機でも、大丈夫だよ。今はあの王子を止める方が重要だと思うし」
「でも、フランセーズからも遠く離れているし、ビアンカさんのいる聖都からも離れているのに、コリンだけを置いていくなんて……」
「ですが、アニエスさん。急がないと……」
コリンと私とロレッタさんとでどうするか話していると、人の姿に戻ったイナリが困った提案をしてきた。
「コリンがハムスターの姿になれば、忍び込むくらい容易であろう。それで良いのではないか?」
「いや、確かにそうなんだけど……」
「別に悪事を働きに行く訳でもあるまい。むしろ、近隣諸国を守る為に行くのだ。これくらいは良いであろう」
「うーん……」
「それに、以前土の聖女を乗せて、近しい事をしているであろう」
それを言われると、私としては何も言えない。
以前、ソフィアさんを助ける為に、イナリにお願いして国境を飛び越えてもらっちゃったからね。
「た、確かにあれに比べれば、ちゃんと手続きもするもんね」
「そうであろう。こんな事に時間を費やす方がマズいであろう」
イナリの言葉にロレッタさんも頷く。
トリスタン王子を止めなければ、大勢の人に影響があるもんね。
「わ、わかったわ。という訳で、コリン。悪いけど……」
「うん、大丈夫。お姉ちゃん、服は任せるね」
という訳で、コリンには留守番してもらう事にした……と言って国境を越え、船の国ポートガへ。
そのまま馬車に乗り……あっという間に首都イスボアへ到着した。
世界最大の港だと聞いていたけど……本当に凄い。
建物よりも船の方が多いのではないだろうか。
「……お姉ちゃん! 凄いね! 大きな船がいっぱい!」
「そうね。流石は船の国ね」
「……ふむ。我は大きな船よりも、小さな舟の方が好きなのだが……ここまで大きいと、建物が海の上を動くかのようだな」
確かにイナリの言う通りで、昨日泊まった宿よりも大きな船だらけだ。
「……ところで、魔の力ってどこにあるの?」
「あ……」
「……え、えっと、夜まで聞き込みしましょうか」
何とか目的地には着いたものの、その後の事が何も決まっておらず、ひとまず皆で聞き込みする事になった。
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