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第6章 太陽の聖女と星の聖女
第261話 太陽の神殿の裏部隊
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「あ、あの……アニエスさん。今の光は一体……」
ひとまず落ち着いたところで、ロレッタさんがさっきの屋敷で黒ずくめの人が使った自爆魔法について聞いてきたけど、どう答えようか。
あの人たちは何か連帯していたのか、一人はイナリが眠らせていたはずなのに、三つの光の柱が生まれたし。
……いや、ロレッタさんも巻き込まれた訳だから、正直に話すべきね。
「あれは、術者自身の命を懸けた自爆魔法みたいなの」
「えっ……じ、自爆魔法!?」
「えぇ。以前に、私が土の聖女と間違えられて、ある人たちから命を狙われた事があったんだけど、その人たちがあの魔法を使っていたの」
「そんな事が……では、先程の人たちも、そのアニエスさんたちを狙った人たちの仲間という事なのでしょうか?」
「おそらくね」
元太陽の聖女リタさんに仕えていた、裏部隊。
だけど、今の太陽の聖女ビアンカさんが教会を爆発させて鍵を盗むとは思えない。
となると、あの裏部隊の人たちが独自に太陽の神殿の宝物庫から、何かを盗もうとしているという事だろうか。
「あの、アニエスさん。他にも聞いて良いでしょうか?」
「何でしょう?」
「先程の屋敷の中で、そちらの子狐さんから、強い魔力を感じました。以前にお会いした、あの銀髪の男性に似た魔力だったのですが……」
えぇっ!? ロレッタさんは、イナリみたいに魔力を感じる事が出来るの!?
いやでも、イナリもロレッタさんが凄い魔力を持っているって言っていたっけ。
……あー、更に私の神水で魔力が倍になっているから、そういう感知も出来るようになっていたって事なのかも。
とはいえ、本当の事をどこまで話すべきなんだろう。
チラっと子狐姿のイナリに目をやると……あ、本来の姿に戻った。
「アニエスよ。これ以上は隠せぬようだな」
「イナリ……良いの?」
「仕方あるまい。というより、元より薄々勘付いていたようだしな」
イナリの言葉を聞いてロレッタさんを見ると、小さく頷く。
「もしかしたら……とは思っておりました。とはいえ、確証はありませんでしたが、貴方の魔力が凄まじいので、狐に変身する魔法くらいは使えるだろうなと」
あ、イナリが妖狐だっていう事には気付いていないみたい。
ただ、ロレッタさんが妖狐の伝説の真実を知っているかどうかわからないし、あえて言わなくても良いかも。
「お姉ちゃん。それより、ビアンカさんに説明しておいた方が良いんじゃないかなー? さっきの光の柱を見て、兵士さんたちも集まっているみたいだし」
「そうね。一旦、教会へ戻りましょうか」
もう夜も遅く、かつ先程の光があった場所から戻って来たのがバレたら、またややこしい事になりそうなので、子狐姿に戻ったイナリが人気のない道を選んでくれて、無事に教会へ戻って来た。
それから急ぎの用件だと言って、ビアンカさんの部屋へ入れてもらい、先程の出来事を話す。
「太陽の神殿の裏部隊が……」
「はい。火薬というのを用いて、神殿の宝物庫の鍵を盗んだと」
「え……っ!? 宝物庫の鍵を!? ……あそこには、今は何も残っていないハズですが」
「そう……なんですか?」
「はい。前任の太陽の聖女、リタさんが元よりかなり浪費していたのと、残っていた資金や宝物なども、旧聖都の被害に遭われた方が他の街へ移動する支援に全て使いましたので」
なるほど。
それじゃあ、あの人たちは無駄な事をしたという事なの……かな?
ひとまず、私たちが知った事件の真相を伝えて、今日は休む事になったんだけど……何か引っかかる。
私の気のせいなら良いんだけど。
ひとまず落ち着いたところで、ロレッタさんがさっきの屋敷で黒ずくめの人が使った自爆魔法について聞いてきたけど、どう答えようか。
あの人たちは何か連帯していたのか、一人はイナリが眠らせていたはずなのに、三つの光の柱が生まれたし。
……いや、ロレッタさんも巻き込まれた訳だから、正直に話すべきね。
「あれは、術者自身の命を懸けた自爆魔法みたいなの」
「えっ……じ、自爆魔法!?」
「えぇ。以前に、私が土の聖女と間違えられて、ある人たちから命を狙われた事があったんだけど、その人たちがあの魔法を使っていたの」
「そんな事が……では、先程の人たちも、そのアニエスさんたちを狙った人たちの仲間という事なのでしょうか?」
「おそらくね」
元太陽の聖女リタさんに仕えていた、裏部隊。
だけど、今の太陽の聖女ビアンカさんが教会を爆発させて鍵を盗むとは思えない。
となると、あの裏部隊の人たちが独自に太陽の神殿の宝物庫から、何かを盗もうとしているという事だろうか。
「あの、アニエスさん。他にも聞いて良いでしょうか?」
「何でしょう?」
「先程の屋敷の中で、そちらの子狐さんから、強い魔力を感じました。以前にお会いした、あの銀髪の男性に似た魔力だったのですが……」
えぇっ!? ロレッタさんは、イナリみたいに魔力を感じる事が出来るの!?
いやでも、イナリもロレッタさんが凄い魔力を持っているって言っていたっけ。
……あー、更に私の神水で魔力が倍になっているから、そういう感知も出来るようになっていたって事なのかも。
とはいえ、本当の事をどこまで話すべきなんだろう。
チラっと子狐姿のイナリに目をやると……あ、本来の姿に戻った。
「アニエスよ。これ以上は隠せぬようだな」
「イナリ……良いの?」
「仕方あるまい。というより、元より薄々勘付いていたようだしな」
イナリの言葉を聞いてロレッタさんを見ると、小さく頷く。
「もしかしたら……とは思っておりました。とはいえ、確証はありませんでしたが、貴方の魔力が凄まじいので、狐に変身する魔法くらいは使えるだろうなと」
あ、イナリが妖狐だっていう事には気付いていないみたい。
ただ、ロレッタさんが妖狐の伝説の真実を知っているかどうかわからないし、あえて言わなくても良いかも。
「お姉ちゃん。それより、ビアンカさんに説明しておいた方が良いんじゃないかなー? さっきの光の柱を見て、兵士さんたちも集まっているみたいだし」
「そうね。一旦、教会へ戻りましょうか」
もう夜も遅く、かつ先程の光があった場所から戻って来たのがバレたら、またややこしい事になりそうなので、子狐姿に戻ったイナリが人気のない道を選んでくれて、無事に教会へ戻って来た。
それから急ぎの用件だと言って、ビアンカさんの部屋へ入れてもらい、先程の出来事を話す。
「太陽の神殿の裏部隊が……」
「はい。火薬というのを用いて、神殿の宝物庫の鍵を盗んだと」
「え……っ!? 宝物庫の鍵を!? ……あそこには、今は何も残っていないハズですが」
「そう……なんですか?」
「はい。前任の太陽の聖女、リタさんが元よりかなり浪費していたのと、残っていた資金や宝物なども、旧聖都の被害に遭われた方が他の街へ移動する支援に全て使いましたので」
なるほど。
それじゃあ、あの人たちは無駄な事をしたという事なの……かな?
ひとまず、私たちが知った事件の真相を伝えて、今日は休む事になったんだけど……何か引っかかる。
私の気のせいなら良いんだけど。
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