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第6章 太陽の聖女と星の聖女
第229話 ドードレックの墓地
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長老さんに案内され、ご先祖さまである前水の聖女の従者という方のお墓へ。
街を出て、少し離れた森の中にあるらしい。
「祖父から聞いた話ですと、元は何もない平地だったらしいんです。ところが、水の聖女様が水を撒かれると、たちまち曾祖父の墓の周りが森に様変わりしたと。まさに、先程アニエス様に見せていただいたお力かと思います」
「そ、そうですね」
以前に、私も同じ事をやらかした事があるのよね。
前の聖女様と違って、森を作ろうとした訳ではなくて、地中に逃げた植物系の魔物を倒そうとして、大量の水を撒いちゃったんだけどさ。
「アニエス様。見えてきました。あちらの森の中に、ドードレックの街の墓地があり、その一つが曾祖父の墓なんです」
長老さんがどんどん森に近付いて行く。
遠目には小さな森かなって思ったけど、近付くと木が高くて、結構密集しているように思える。
うぅ……お昼だから平気だと思っていたけど、森の中の墓地ってちょっと怖いかも。
木々が生い茂って陽の光があまり差しこまないみたいで、ちょっと暗い。
だけど、自分で行くっていったし、イナリやコリンも居るし、何よりまだお昼だし。
大丈夫、大丈夫……行けるっ!
勇気を出して、森の中への一歩を踏み出すと……
「待つのだ、アニエス」
「ひゃぁっ! い、イナリ!? ど、どうしたのよっ! いきなり!」
「ちょっとな……全員、ここで暫し待っているのだ」
「え? イナリ!? ちょっと、理由を説明……行っちゃった」
イナリから待ったがかかり、私たちを置いて一人で森の中へ行ってしまった。
「アニエス様。お連れの方が行ってしまわれましたが、いかがされますか?」
「うーん。イナリは無意味な事をするような人じゃないから、きっと訳があるんだと思う。言う通り、少し待ちましょう」
「畏まりました」
長老さんもわかってくれたようで、三人で木陰に移動し、イナリの帰りを待つ。
最初は休憩って事で、みんな座っていたんだけど、結構……いえ、かなり待ったからか、コリンは弓矢の練習を始め、長老さんは歩けるようになったのが嬉しいからと、同じところをグルグルと回り始めた。
うーん。イナリにしてはかなり遅いわね。
今まで待つように言われた事は何度かあるけど、今回は遅すぎる気がする。
「コリン。イナリが遅すぎると思わない?」
「そうだよねー。いつもは、あっという間に戻ってきて、ドラゴンのお肉とかを持って来るよねー」
「ドラゴン……もしかして、何かの魔物と戦っているって事!?」
そういえば、イナリは今朝のいつ頃に神水を飲んでいたっけ?
もしかして、神水の効果が切れて、大きな狐の姿から元の姿に戻れず、こっちへ帰って来られないとか?
あの姿を長老さんに見られたら、絶対にマズいもんね。S級の魔物にされている妖狐そのものだし。
それに、そもそも神水の効果が切れて苦戦していたりしたら……助けなきゃ!
「長老さん。少しだけ中の様子を見て来ますので、待っていてもらえませんか?」
「それなら私も行きますが……」
「いえ。ちょっと気になるので、走って行こうかと。必ず戻って来ますので、ここで待っていてください。……コリン、行こう!」
「えっ!? アニエス様っ!?」
長老さんには悪いけど、森の入り口で待っていてもらい、私とコリンは森の中へ……入った!
うん。ピンチかもしれないイナリを助けないと……って思ったら、不思議と脚もすくまない!
イナリ、今行くから待っていてねっ!
街を出て、少し離れた森の中にあるらしい。
「祖父から聞いた話ですと、元は何もない平地だったらしいんです。ところが、水の聖女様が水を撒かれると、たちまち曾祖父の墓の周りが森に様変わりしたと。まさに、先程アニエス様に見せていただいたお力かと思います」
「そ、そうですね」
以前に、私も同じ事をやらかした事があるのよね。
前の聖女様と違って、森を作ろうとした訳ではなくて、地中に逃げた植物系の魔物を倒そうとして、大量の水を撒いちゃったんだけどさ。
「アニエス様。見えてきました。あちらの森の中に、ドードレックの街の墓地があり、その一つが曾祖父の墓なんです」
長老さんがどんどん森に近付いて行く。
遠目には小さな森かなって思ったけど、近付くと木が高くて、結構密集しているように思える。
うぅ……お昼だから平気だと思っていたけど、森の中の墓地ってちょっと怖いかも。
木々が生い茂って陽の光があまり差しこまないみたいで、ちょっと暗い。
だけど、自分で行くっていったし、イナリやコリンも居るし、何よりまだお昼だし。
大丈夫、大丈夫……行けるっ!
勇気を出して、森の中への一歩を踏み出すと……
「待つのだ、アニエス」
「ひゃぁっ! い、イナリ!? ど、どうしたのよっ! いきなり!」
「ちょっとな……全員、ここで暫し待っているのだ」
「え? イナリ!? ちょっと、理由を説明……行っちゃった」
イナリから待ったがかかり、私たちを置いて一人で森の中へ行ってしまった。
「アニエス様。お連れの方が行ってしまわれましたが、いかがされますか?」
「うーん。イナリは無意味な事をするような人じゃないから、きっと訳があるんだと思う。言う通り、少し待ちましょう」
「畏まりました」
長老さんもわかってくれたようで、三人で木陰に移動し、イナリの帰りを待つ。
最初は休憩って事で、みんな座っていたんだけど、結構……いえ、かなり待ったからか、コリンは弓矢の練習を始め、長老さんは歩けるようになったのが嬉しいからと、同じところをグルグルと回り始めた。
うーん。イナリにしてはかなり遅いわね。
今まで待つように言われた事は何度かあるけど、今回は遅すぎる気がする。
「コリン。イナリが遅すぎると思わない?」
「そうだよねー。いつもは、あっという間に戻ってきて、ドラゴンのお肉とかを持って来るよねー」
「ドラゴン……もしかして、何かの魔物と戦っているって事!?」
そういえば、イナリは今朝のいつ頃に神水を飲んでいたっけ?
もしかして、神水の効果が切れて、大きな狐の姿から元の姿に戻れず、こっちへ帰って来られないとか?
あの姿を長老さんに見られたら、絶対にマズいもんね。S級の魔物にされている妖狐そのものだし。
それに、そもそも神水の効果が切れて苦戦していたりしたら……助けなきゃ!
「長老さん。少しだけ中の様子を見て来ますので、待っていてもらえませんか?」
「それなら私も行きますが……」
「いえ。ちょっと気になるので、走って行こうかと。必ず戻って来ますので、ここで待っていてください。……コリン、行こう!」
「えっ!? アニエス様っ!?」
長老さんには悪いけど、森の入り口で待っていてもらい、私とコリンは森の中へ……入った!
うん。ピンチかもしれないイナリを助けないと……って思ったら、不思議と脚もすくまない!
イナリ、今行くから待っていてねっ!
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