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第2章 辺境の地で快適に暮らす土の聖女

第51話 バステトさんからのプレゼント

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 子供が好きそうなご飯! という訳で、本当はハンバーグとかパスタを作りたかったんだけど、バステトさんが作り易そうな物……という事で、ピザにしてみた。
 もちろん猫舌だと思うので、少し冷ましてから食べてもらい……凄い勢いで無くなっていくわね。

「うむ。やはり、セシリアの作るピザは最高だな!」
「うん! すっごく美味しいよねー!」

 って、肝心のマヘス君よりも、セマルグルさんとヴォーロスの方が沢山食べているよね!?
 いや、確かに前からピザは大好評だったし、今回はベーコンを乗せたり、マヘス君用にパイナップルを乗せたりしているから、いろんな味が楽しめて……って、多めに準備しておいたから、追加で焼いた方が良さそうね。

「くっ……あの小麦粉から、こんなに美味しい物が作れるとは! セシリアよ、後で作り方を教えて欲しいのじゃ!」
「もちろんです。とりあえず、チーズとトマトが大事です。あと、バジルやナスとか、いろんな食材を乗せても美味しいですよ」

 追加分が焼けるの待ちながら、バステトさんにピザの作り方を教え……夕食を終える。
 そして、

「やだー! きょうは、ここにとまるー!」
「マヘスよ。夕食を食べたら帰る約束だったのじゃ」
「とまるったら、とまるのー!」

 帰ると言っていたマヘス君が、ここに泊まると。
 私は構わないんだけど……バステトさんが物凄く困っているわね。
 あまりお母さんを困らせてあげないで欲しい。
 そう思いながら後片付けをしていたんだけど、

「セシリアよ。すまぬが……」
「はい。私は構いませんよ」
「すまぬのじゃ」

 結局バステトさんが折れ、今晩はここで就寝する事に。

「じゃあ、みんなでお風呂へ入りましょうか」
「おふろー?」
「む? 風呂か。そのような物まであるのは凄いのじゃが……マヘスには難しいかもしれぬのじゃ」

 浴槽は大きなのを作ったから、人数的には大丈夫なんだけど、マヘス君に難しいというのは、猫だから……かな?

「おかあさん! よくわかんないけど、ボクもはいるー!」
「しかし……お湯に浸かるのじゃぞ? 普段から水浴びも嫌いなのに……」
「だいじょうぶだもん! おねえちゃんがはいるなら、ボクもはいるもん!」

 あ、やっぱり猫だからか、濡れるのは嫌いみたいだね。
 けど、入るというので、その辺はバステトさんに任せて、私とヴォーロスがお風呂へ。
 ちなみに、セマルグルさんは鳥さんでもあるからか、お湯はダメらしく、川で水浴びをしている。
 少しすると、バステトさんもマヘス君も来て、浴槽の前で少し躊躇い……お湯の中へ。

「あったかーい!」
「おぉ! 水浴び嫌いのマヘスが風呂に!」
「ち、ちがうもん! あれは、その、おみずがつめたいから……だもん!」

 マヘス君も問題なくお湯に浸かり、身体が温まったところで、そろそろ出ようかなというところで、

「ふむ。セシリアよ。もしかして、髪を綺麗にする土を知らぬのか?」
「え!? そんなのがあるの!?」
「うむ。妾やマヘスは、猫なので月に一度程度で十分なのじゃが、人間族は頻繁に髪を洗うと聞いた事があるのじゃ。これを使うと良いのじゃ」

 バステトさんが異空間倉庫から粘土みたいな物を取り出す。
 なんでも、これを水で溶くとシャンプーみたいな物になるらしい。
 ドキドキしながら教えてもらった通りに髪を洗うと……シャンプーみたいに泡立ったりはしないけど、髪の毛が綺麗になった!

「凄い! バステトさん、ありがとう!」
「いや、セシリアに助けて貰った事に比べれば、これくらい大した事ではないのじゃ」

 やったー!
 ずっと困っていた、シャンプーの代用品が手に入った!
 本当にありがとう、バステトさん。
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