66 / 86
第2章 辺境の地で快適に暮らす土の聖女
第51話 バステトさんからのプレゼント
しおりを挟む
子供が好きそうなご飯! という訳で、本当はハンバーグとかパスタを作りたかったんだけど、バステトさんが作り易そうな物……という事で、ピザにしてみた。
もちろん猫舌だと思うので、少し冷ましてから食べてもらい……凄い勢いで無くなっていくわね。
「うむ。やはり、セシリアの作るピザは最高だな!」
「うん! すっごく美味しいよねー!」
って、肝心のマヘス君よりも、セマルグルさんとヴォーロスの方が沢山食べているよね!?
いや、確かに前からピザは大好評だったし、今回はベーコンを乗せたり、マヘス君用にパイナップルを乗せたりしているから、いろんな味が楽しめて……って、多めに準備しておいたから、追加で焼いた方が良さそうね。
「くっ……あの小麦粉から、こんなに美味しい物が作れるとは! セシリアよ、後で作り方を教えて欲しいのじゃ!」
「もちろんです。とりあえず、チーズとトマトが大事です。あと、バジルやナスとか、いろんな食材を乗せても美味しいですよ」
追加分が焼けるの待ちながら、バステトさんにピザの作り方を教え……夕食を終える。
そして、
「やだー! きょうは、ここにとまるー!」
「マヘスよ。夕食を食べたら帰る約束だったのじゃ」
「とまるったら、とまるのー!」
帰ると言っていたマヘス君が、ここに泊まると。
私は構わないんだけど……バステトさんが物凄く困っているわね。
あまりお母さんを困らせてあげないで欲しい。
そう思いながら後片付けをしていたんだけど、
「セシリアよ。すまぬが……」
「はい。私は構いませんよ」
「すまぬのじゃ」
結局バステトさんが折れ、今晩はここで就寝する事に。
「じゃあ、みんなでお風呂へ入りましょうか」
「おふろー?」
「む? 風呂か。そのような物まであるのは凄いのじゃが……マヘスには難しいかもしれぬのじゃ」
浴槽は大きなのを作ったから、人数的には大丈夫なんだけど、マヘス君に難しいというのは、猫だから……かな?
「おかあさん! よくわかんないけど、ボクもはいるー!」
「しかし……お湯に浸かるのじゃぞ? 普段から水浴びも嫌いなのに……」
「だいじょうぶだもん! おねえちゃんがはいるなら、ボクもはいるもん!」
あ、やっぱり猫だからか、濡れるのは嫌いみたいだね。
けど、入るというので、その辺はバステトさんに任せて、私とヴォーロスがお風呂へ。
ちなみに、セマルグルさんは鳥さんでもあるからか、お湯はダメらしく、川で水浴びをしている。
少しすると、バステトさんもマヘス君も来て、浴槽の前で少し躊躇い……お湯の中へ。
「あったかーい!」
「おぉ! 水浴び嫌いのマヘスが風呂に!」
「ち、ちがうもん! あれは、その、おみずがつめたいから……だもん!」
マヘス君も問題なくお湯に浸かり、身体が温まったところで、そろそろ出ようかなというところで、
「ふむ。セシリアよ。もしかして、髪を綺麗にする土を知らぬのか?」
「え!? そんなのがあるの!?」
「うむ。妾やマヘスは、猫なので月に一度程度で十分なのじゃが、人間族は頻繁に髪を洗うと聞いた事があるのじゃ。これを使うと良いのじゃ」
バステトさんが異空間倉庫から粘土みたいな物を取り出す。
なんでも、これを水で溶くとシャンプーみたいな物になるらしい。
ドキドキしながら教えてもらった通りに髪を洗うと……シャンプーみたいに泡立ったりはしないけど、髪の毛が綺麗になった!
「凄い! バステトさん、ありがとう!」
「いや、セシリアに助けて貰った事に比べれば、これくらい大した事ではないのじゃ」
やったー!
ずっと困っていた、シャンプーの代用品が手に入った!
本当にありがとう、バステトさん。
もちろん猫舌だと思うので、少し冷ましてから食べてもらい……凄い勢いで無くなっていくわね。
「うむ。やはり、セシリアの作るピザは最高だな!」
「うん! すっごく美味しいよねー!」
って、肝心のマヘス君よりも、セマルグルさんとヴォーロスの方が沢山食べているよね!?
いや、確かに前からピザは大好評だったし、今回はベーコンを乗せたり、マヘス君用にパイナップルを乗せたりしているから、いろんな味が楽しめて……って、多めに準備しておいたから、追加で焼いた方が良さそうね。
「くっ……あの小麦粉から、こんなに美味しい物が作れるとは! セシリアよ、後で作り方を教えて欲しいのじゃ!」
「もちろんです。とりあえず、チーズとトマトが大事です。あと、バジルやナスとか、いろんな食材を乗せても美味しいですよ」
追加分が焼けるの待ちながら、バステトさんにピザの作り方を教え……夕食を終える。
そして、
「やだー! きょうは、ここにとまるー!」
「マヘスよ。夕食を食べたら帰る約束だったのじゃ」
「とまるったら、とまるのー!」
帰ると言っていたマヘス君が、ここに泊まると。
私は構わないんだけど……バステトさんが物凄く困っているわね。
あまりお母さんを困らせてあげないで欲しい。
そう思いながら後片付けをしていたんだけど、
「セシリアよ。すまぬが……」
「はい。私は構いませんよ」
「すまぬのじゃ」
結局バステトさんが折れ、今晩はここで就寝する事に。
「じゃあ、みんなでお風呂へ入りましょうか」
「おふろー?」
「む? 風呂か。そのような物まであるのは凄いのじゃが……マヘスには難しいかもしれぬのじゃ」
浴槽は大きなのを作ったから、人数的には大丈夫なんだけど、マヘス君に難しいというのは、猫だから……かな?
「おかあさん! よくわかんないけど、ボクもはいるー!」
「しかし……お湯に浸かるのじゃぞ? 普段から水浴びも嫌いなのに……」
「だいじょうぶだもん! おねえちゃんがはいるなら、ボクもはいるもん!」
あ、やっぱり猫だからか、濡れるのは嫌いみたいだね。
けど、入るというので、その辺はバステトさんに任せて、私とヴォーロスがお風呂へ。
ちなみに、セマルグルさんは鳥さんでもあるからか、お湯はダメらしく、川で水浴びをしている。
少しすると、バステトさんもマヘス君も来て、浴槽の前で少し躊躇い……お湯の中へ。
「あったかーい!」
「おぉ! 水浴び嫌いのマヘスが風呂に!」
「ち、ちがうもん! あれは、その、おみずがつめたいから……だもん!」
マヘス君も問題なくお湯に浸かり、身体が温まったところで、そろそろ出ようかなというところで、
「ふむ。セシリアよ。もしかして、髪を綺麗にする土を知らぬのか?」
「え!? そんなのがあるの!?」
「うむ。妾やマヘスは、猫なので月に一度程度で十分なのじゃが、人間族は頻繁に髪を洗うと聞いた事があるのじゃ。これを使うと良いのじゃ」
バステトさんが異空間倉庫から粘土みたいな物を取り出す。
なんでも、これを水で溶くとシャンプーみたいな物になるらしい。
ドキドキしながら教えてもらった通りに髪を洗うと……シャンプーみたいに泡立ったりはしないけど、髪の毛が綺麗になった!
「凄い! バステトさん、ありがとう!」
「いや、セシリアに助けて貰った事に比べれば、これくらい大した事ではないのじゃ」
やったー!
ずっと困っていた、シャンプーの代用品が手に入った!
本当にありがとう、バステトさん。
45
お気に入りに追加
4,150
あなたにおすすめの小説
華都のローズマリー
みるくてぃー
ファンタジー
ひょんな事から前世の記憶が蘇った私、アリス・デュランタン。意地悪な義兄に『超』貧乏騎士爵家を追い出され、無一文の状態で妹と一緒に王都へ向かうが、そこは若い女性には厳しすぎる世界。一時は妹の為に身売りの覚悟をするも、気づけば何故か王都で人気のスィーツショップを経営することに。えっ、私この世界のお金の単位って全然わからないんですけど!?これは初めて見たお金が金貨の山だったという金銭感覚ゼロ、ハチャメチャ少女のラブ?コメディな物語。
新たなお仕事シリーズ第一弾、不定期掲載にて始めます!
精霊の森に捨てられた少女が、精霊さんと一緒に人の街へ帰ってきた
アイイロモンペ
ファンタジー
2020.9.6.完結いたしました。
2020.9.28. 追補を入れました。
2021.4. 2. 追補を追加しました。
人が精霊と袂を分かった世界。
魔力なしの忌子として瘴気の森に捨てられた幼子は、精霊が好む姿かたちをしていた。
幼子は、ターニャという名を精霊から貰い、精霊の森で精霊に愛されて育った。
ある日、ターニャは人間ある以上は、人間の世界を知るべきだと、育ての親である大精霊に言われる。
人の世の常識を知らないターニャの行動は、周囲の人々を困惑させる。
そして、魔力の強い者が人々を支配すると言う世界で、ターニャは既存の価値観を意識せずにぶち壊していく。
オーソドックスなファンタジーを心がけようと思います。読んでいただけたら嬉しいです。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
聖獣がなつくのは私だけですよ?
新野乃花(大舟)
恋愛
3姉妹の3女であるエリッサは、生まれた時から不吉な存在だというレッテルを張られ、家族はもちろん周囲の人々からも冷たい扱いを受けていた。そんなある日の事、エリッサが消えることが自分たちの幸せにつながると信じてやまない彼女の家族は、エリッサに強引に家出を強いる形で、自分たちの手を汚すことなく彼女を追い出すことに成功する。…行く当てのないエリッサは死さえ覚悟し、誰も立ち入らない荒れ果てた大地に足を踏み入れる。死神に出会うことを覚悟していたエリッサだったものの、そんな彼女の前に現れたのは、絶大な力をその身に宿す聖獣だった…!
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと
Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる