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第1章 追放された土の聖女
第31話 セシリアを捜しに来た二人
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「あぁ……なんて旨いトマトだったんだ。というか、本当にトマトだったのか? 物凄く甘かったんだが」
「それより、何も無い所からトマトが生えてきて、いきなり実を付けた方が驚きなんだが」
二人の男性は、大きな耳や尻尾も無いし、ツノが生えていたりもしないので、たぶん私と同じ普通の人間なんだと思う。
けど、それにしても、どうしてこんな地にやって来たのだろうか。
今となっては、私にとって凄く自由で暮らし易く、モフモフがいっぱいで楽しい場所だけど、ここへ来たセシリアはショックで気絶して、前世の私の事を思い出してしまった程なのに。
「ところで、貴方たちはどうして、ここへ来たのですか?」
「それより、もっと食べ物は無いかな? 俺たち空腹なんだ。肉……肉が食いたいなぁ」
「肉は贅沢を言い過ぎじゃないか? いやでも、俺たちは神に選ばれた人間だしな。少しくらい贅沢でも良いか。という訳で、姉ちゃん。何か肉を出してくれよ」
この人たちは、何を言っているんだろ。
あと、私の質問を完全に無視したよね?
……待って! セマルグルさん、これくらい許してあげて!
ちょっとイラっとした気持ちは分かるけど……あー、二人揃って、翼で殴られた。
まぁ爪とかクチバシじゃない辺り、ちゃんと我慢してくれているんだろうけどさ。
「くっ……さっきから、このグリフォンは神に選ばれた俺たちに何て事を。こいつ、さてはバカなんじゃないのか? 周囲の人間を見境なしに襲うとか」
「いや、待て。グリフォンの隣に居る姉ちゃんは、ずっと攻撃されていないぞ? 一瞬でトマトを成長させたし、バカグリフォンを従えているという事は……も、もしかして、この姉ちゃんは女神様なのか!?」
「な、なんだってー!? た、確かに言われてみれば、神々しいような気がするようなしないような……」
あの、さっきから神だと女神だとかって、一体何を言っているの?
それと、セマルグルさんが今にも襲い掛かりそうだから、これ以上変な事を言うのは止めてくれないかな?
とりあえず、ようやく私の話を聞いてくれそうな感じなので、再び変な事を言い出す前に、さっきの質問をしてみる事に。
「こほん。それで貴方たちは、どうしてこの地へ来られたのですか?」
「それがですね。ある女を捜しに来たんですよ。何でも歳は十七歳か十八歳くらいで、土魔法が得意な茶髪のセシリア・コリンズっていうんですけどね。だいたい、こんな所に普通の人間の女が居る訳ないってんですよ」
「……あの、私の名前が、セシリア・コリンズなんですけど」
この人たちの事は全く知らないけど、私は……というかセシリアが十七歳で、綺麗な長い髪は栗色なんだけど、まぁ茶色と言われれば茶色かもしれない。
それに何より、土の聖女と呼ばれる程に、土魔法が得意だしね。
一先ず、この人たちが捜しているのが私じゃないかと教えてあげると、
「な、何だと!? じゃあ、お前が白金貨……もとい、セシリアか! よくも女神様のフリをして騙したな!?」
「騙した……って、何の話よっ!」
「うるさい! 俺たちは、お前を捕まえれば、大金持……げはぁっ! お、おい、バカグリフォン! 攻撃するのは俺たちじゃない! あのセシリアという女……ぐへぇっ! た、助けて……」
「せ、セマルグルさん。ほ、程々に……」
流石に堪忍袋の緒が切れたのか、セマルグルさんが二人を蹴り倒している。
「そ、そうだ! セシリアという女はグリフォンを飼いならしているみたいだし、あの女を人質に……」
「おーい、セシリアー! お待たせー! って、この人たちが助けを求めていた人? 何だか、セシリアに敵意を向けているみたいだけど……セシリアに何かしたら、許さないよ?」
「く、熊!? 喋るって事は……ま、まさかライトニング・ベア!? に、逃げろっ! 神獣だぁぁぁっ!」
「神獣? 何の事? ……って、どこかへ行っちゃったね」
結局、あの二人が何だったのかは分からなかったけど、どうしてヴォーロスを見て逃げ出したんだろ?
こんなにモフモフで可愛いのに。
「それより、何も無い所からトマトが生えてきて、いきなり実を付けた方が驚きなんだが」
二人の男性は、大きな耳や尻尾も無いし、ツノが生えていたりもしないので、たぶん私と同じ普通の人間なんだと思う。
けど、それにしても、どうしてこんな地にやって来たのだろうか。
今となっては、私にとって凄く自由で暮らし易く、モフモフがいっぱいで楽しい場所だけど、ここへ来たセシリアはショックで気絶して、前世の私の事を思い出してしまった程なのに。
「ところで、貴方たちはどうして、ここへ来たのですか?」
「それより、もっと食べ物は無いかな? 俺たち空腹なんだ。肉……肉が食いたいなぁ」
「肉は贅沢を言い過ぎじゃないか? いやでも、俺たちは神に選ばれた人間だしな。少しくらい贅沢でも良いか。という訳で、姉ちゃん。何か肉を出してくれよ」
この人たちは、何を言っているんだろ。
あと、私の質問を完全に無視したよね?
……待って! セマルグルさん、これくらい許してあげて!
ちょっとイラっとした気持ちは分かるけど……あー、二人揃って、翼で殴られた。
まぁ爪とかクチバシじゃない辺り、ちゃんと我慢してくれているんだろうけどさ。
「くっ……さっきから、このグリフォンは神に選ばれた俺たちに何て事を。こいつ、さてはバカなんじゃないのか? 周囲の人間を見境なしに襲うとか」
「いや、待て。グリフォンの隣に居る姉ちゃんは、ずっと攻撃されていないぞ? 一瞬でトマトを成長させたし、バカグリフォンを従えているという事は……も、もしかして、この姉ちゃんは女神様なのか!?」
「な、なんだってー!? た、確かに言われてみれば、神々しいような気がするようなしないような……」
あの、さっきから神だと女神だとかって、一体何を言っているの?
それと、セマルグルさんが今にも襲い掛かりそうだから、これ以上変な事を言うのは止めてくれないかな?
とりあえず、ようやく私の話を聞いてくれそうな感じなので、再び変な事を言い出す前に、さっきの質問をしてみる事に。
「こほん。それで貴方たちは、どうしてこの地へ来られたのですか?」
「それがですね。ある女を捜しに来たんですよ。何でも歳は十七歳か十八歳くらいで、土魔法が得意な茶髪のセシリア・コリンズっていうんですけどね。だいたい、こんな所に普通の人間の女が居る訳ないってんですよ」
「……あの、私の名前が、セシリア・コリンズなんですけど」
この人たちの事は全く知らないけど、私は……というかセシリアが十七歳で、綺麗な長い髪は栗色なんだけど、まぁ茶色と言われれば茶色かもしれない。
それに何より、土の聖女と呼ばれる程に、土魔法が得意だしね。
一先ず、この人たちが捜しているのが私じゃないかと教えてあげると、
「な、何だと!? じゃあ、お前が白金貨……もとい、セシリアか! よくも女神様のフリをして騙したな!?」
「騙した……って、何の話よっ!」
「うるさい! 俺たちは、お前を捕まえれば、大金持……げはぁっ! お、おい、バカグリフォン! 攻撃するのは俺たちじゃない! あのセシリアという女……ぐへぇっ! た、助けて……」
「せ、セマルグルさん。ほ、程々に……」
流石に堪忍袋の緒が切れたのか、セマルグルさんが二人を蹴り倒している。
「そ、そうだ! セシリアという女はグリフォンを飼いならしているみたいだし、あの女を人質に……」
「おーい、セシリアー! お待たせー! って、この人たちが助けを求めていた人? 何だか、セシリアに敵意を向けているみたいだけど……セシリアに何かしたら、許さないよ?」
「く、熊!? 喋るって事は……ま、まさかライトニング・ベア!? に、逃げろっ! 神獣だぁぁぁっ!」
「神獣? 何の事? ……って、どこかへ行っちゃったね」
結局、あの二人が何だったのかは分からなかったけど、どうしてヴォーロスを見て逃げ出したんだろ?
こんなにモフモフで可愛いのに。
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