めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人

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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する

第41話 男の友情

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「とりあえず、次の場所へ移動しようと思うのだが、アイツも馬車に乗る……んだよな」
「そう……かな? でも、使い魔だし、目的地に着いてから召喚魔法で呼び出すっていう事も出来るわよ?」
「いや、そこは乗せてよソフィアちゃーんっ! 相変わらず、使い魔に厳しいよっ!」

 私としては、別にどっちでも良いのだけど、何故かアルフレッドとシェムハザが互いに何かを言いたげに、目に力を込めて見つめあっている。
 どうやら、二人は言葉にしなくても、目を見れば何を言いたいのかが伝わるらしい。
 凄い、これが本で読んだ、男の友情っていう物なのかしら。
 暫くすると、アルフレッドとシェムハザの無言の会話が終わったらしく、三人で馬車へ乗る事に。

「あら? シェムハザは私の隣じゃなくて、アルフレッドの隣で良いわよ?」

 馬車の中には向かい合わせとなっている、ソファみたいな三人掛けの椅子が二つあるんだけど、どうしてシェムハザは私の方へ来たんだろう。
 遠慮せずに、男の友情を語らえば良いのに。

「はぃぃぃっ!? ソフィアちゃん!? 何が悲しくて、こんな男の隣に座らないといけないのさっ!」
「くっ……俺の隣も嫌だが、ソフィアの隣はもっと嫌だ。……だったら、俺がソフィアちゃんの隣へ行けば良いのでは!?」
「私に気を使う必要は無いわよ? アルフレッドとシェムハザが二人で座れば良いと思うの」

 二人が私の対面の椅子に腰掛け、無言でずっと見つめ合っている。
 これってもしかして、私がお邪魔なのかな?
 ようやくその事実に気付いたので、

「アルフレッド。今日はありがとう。私、分かったわ」
「ソフィア? 何が分かったんだ? デー……休日のレクチャーは、まだ途中なんだが」
「そうだけど、邪魔しちゃ悪いし、これまで教えてもらった事を参考にして、休日の過ごし方は何とか自分で考えてみる」

 困惑するアルフレッドに、私の意思を伝えた。
 一方で、邪魔な私が居なくなると察したのか、満面の笑みを浮かべるシェムハザにも、追ってこなくて良いと伝える。

「シェムハザも、私は家に帰るから、気にせず友情を育んでね」
「は? ちょっ、ソフィアちゃん!? 何を言っているの!?」
「そのままの意味よ。私はお邪魔みたいだから。じゃあ、二人ともごゆっくり……テレポート!」

 瞬間移動の魔法で寮に帰ると、真っ先に寮全体へ結界魔法を使用する。
 これで、シェムハザが私の魔力を辿ったり出来ないはずだ。

「ソフィアさん、おかえりなさい」
「寮長さん。お願いがありまして、今朝の馬車がまた来たとしても、追い返しちゃって大丈夫ですから」
「あら? それは……まぁ、そういう事なのね。分かったわ。今後は、私が責任持って追い返すわね」

 寮長さんが、若いって良いわねーと言いながら、うんうん頷いているけど、男の友情を邪魔しない事と、若い事に何か関連があるのだろうか。
 よく分からないけど、アルフレッドが私との約束を優先して、こっちへ来たとしても、寮長さんが追い返してくれる。
 しかし、男の友情か……何かそういうのっていいわね。
 シェムハザも、私の使い魔じゃなくて、アルフレッドの使い魔になれば良いのに。
 ……今から変更って出来ないのかしら?
 また学校で召喚魔法の先生に聞いてみようと思いつつ、

「おかえりー! あそんでー!」

 今日は部屋でシロと遊ぶ事にした。
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