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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第38話 使い魔との戦闘訓練
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「おはようございます。全員揃っていますね? では、出発しましょう」
今日は朝から遠足……ではなく、またもや授業でダンジョンへ。
いつになったら、私は憧れの遠足に行けるのだろうか。
「今日のテーマは、使い魔との連携についてです。前回使い魔を捕まえてから、皆さんはちゃんとお世話してきましたよね? きちんと愛情を持って接していれば、使い魔が言う事を聞いてくれるはすです」
召喚魔法の先生が、今日のテーマや授業内容を説明しながら、第一層を進んで行くんだけど、当然といった表情のリュカに、自信がありそうなアルフレッド。そして、一人愕然としているマルクが居るけど……まさかずっと放置してたなんて事は無いわよね?
「では、皆さん。この先は魔物が出ますので、使い魔を出して下さい。人によっては、自分で戦った方が強いという人も居るでしょうが、今日は召喚魔法の授業です。使い魔がピンチな場合を除いて、基本的に手は出さないようにしてください」
なるほど。あくまでシロに戦ってもらうのね。
「……って、先生! シロに戦わせるなんて、可哀想で出来ませんっ!」
「え……あの、ソフィアさん。使い魔はペットでは無いのですが。とりあえず、使い魔を召喚してください」
うぅ……先生が酷い。
あの可愛くて、モフモフなシロに獰猛な魔物と戦わせるなんて。
とはいえ、物凄いジト目で見られているし、確かに授業中なので、
「サモン、シロ」
可愛い可愛いシロを呼び出した。
「では、全員使い魔を召喚しましたね。先ずは全員で第二層へ向かいましょう」
魔物が現れる第二層へ降りて少し進むと、シロと同じ魔物……ホワイト・ラビットと遭遇した。
「では、先ず誰からいきましょうか?」
「はっはっは……た、たまには一番手を譲ってやろうではないか」
「ふっ……だったら、俺から行かせてもらおう。行け! ジョン!」
アルフレッドの使い魔、ワイルド・ウルフのジョンが駆け出し……あっさりと倒す。
「どうだ、ソフィア。うちのジョンは」
「アルフレッド……酷い。シロは私が守るんだからっ!」
「えっ!? いや、ジョンが倒したのは魔物のホワイト・ラビットであって、ソフィアの使い魔ではないんだが」
「でも、シロだって怒ってるもの」
「ホントかよ」
「本当よ。ねぇ、シロ?」
アルフレッドが疑惑の目を向けて来たので、シロに問うと、
「ひどいよー」
案の定シロが怒っていた。
「今の、聞いたでしょ? とりあえず、シロには防御魔法を掛けておかなきゃ」
「いや、待て。防御魔法とかよりも、今コイツ……しゃ、喋ったよな!?」
「喋るわよ? それがどうかしたの?」
「どうかするよっ! 魔物が喋ったんだぞ!? しかも、最弱と呼ばれるホワイト・ラビットが」
「毎日お世話していたから、喋れるようになったのよ」
「なるかぁぁぁっ!」
何故かアルフレッドがシロを全否定するけど、どうして目の前にある現実から目を逸らすのかしら。
「アルフレッド君、ソフィアさん。何を騒いでいるのですか?」
「い、いえ、何でもない……いや、何でもなく無いんだが、色々と耳を疑う事態があってだな」
「よく分かりませんが、また魔物が現れましたね。……おや、珍しい。第二層では珍しい、アルフレッド君の使い魔と同じワイルド・ウルフですね。ではソフィアさん、行ってみましょうか」
よりによって、さっきと逆の構図になってしまうとは。
嫌だけど……仕方ないか。
一先ず、防御や身体強化の魔法を一通りシロに使い、
「シロ……無理はしないでね」
「だいじょーぶ」
ハラハラしながら、行く末を見守る。
シロがぴょんぴょんと可愛らしく跳ねて行き、大きく口を開けたワイルド・ウルフへ飛び込むと……奥の壁まで吹き飛ばした。
「シロ! 凄いじゃない! 頑張ったわね。偉いわよ」
「ボク、がんばったよー」
「うんうん。あんな大きな狼を一撃で倒すなんて、凄いわね」
頑張ったシロを褒め、
「いや、どう考えても過剰過ぎるバフの力だと思うんだが」
アルフレッドの言葉をスルーしつつ、可愛いシロをギュッと抱きしめた。
今日は朝から遠足……ではなく、またもや授業でダンジョンへ。
いつになったら、私は憧れの遠足に行けるのだろうか。
「今日のテーマは、使い魔との連携についてです。前回使い魔を捕まえてから、皆さんはちゃんとお世話してきましたよね? きちんと愛情を持って接していれば、使い魔が言う事を聞いてくれるはすです」
召喚魔法の先生が、今日のテーマや授業内容を説明しながら、第一層を進んで行くんだけど、当然といった表情のリュカに、自信がありそうなアルフレッド。そして、一人愕然としているマルクが居るけど……まさかずっと放置してたなんて事は無いわよね?
「では、皆さん。この先は魔物が出ますので、使い魔を出して下さい。人によっては、自分で戦った方が強いという人も居るでしょうが、今日は召喚魔法の授業です。使い魔がピンチな場合を除いて、基本的に手は出さないようにしてください」
なるほど。あくまでシロに戦ってもらうのね。
「……って、先生! シロに戦わせるなんて、可哀想で出来ませんっ!」
「え……あの、ソフィアさん。使い魔はペットでは無いのですが。とりあえず、使い魔を召喚してください」
うぅ……先生が酷い。
あの可愛くて、モフモフなシロに獰猛な魔物と戦わせるなんて。
とはいえ、物凄いジト目で見られているし、確かに授業中なので、
「サモン、シロ」
可愛い可愛いシロを呼び出した。
「では、全員使い魔を召喚しましたね。先ずは全員で第二層へ向かいましょう」
魔物が現れる第二層へ降りて少し進むと、シロと同じ魔物……ホワイト・ラビットと遭遇した。
「では、先ず誰からいきましょうか?」
「はっはっは……た、たまには一番手を譲ってやろうではないか」
「ふっ……だったら、俺から行かせてもらおう。行け! ジョン!」
アルフレッドの使い魔、ワイルド・ウルフのジョンが駆け出し……あっさりと倒す。
「どうだ、ソフィア。うちのジョンは」
「アルフレッド……酷い。シロは私が守るんだからっ!」
「えっ!? いや、ジョンが倒したのは魔物のホワイト・ラビットであって、ソフィアの使い魔ではないんだが」
「でも、シロだって怒ってるもの」
「ホントかよ」
「本当よ。ねぇ、シロ?」
アルフレッドが疑惑の目を向けて来たので、シロに問うと、
「ひどいよー」
案の定シロが怒っていた。
「今の、聞いたでしょ? とりあえず、シロには防御魔法を掛けておかなきゃ」
「いや、待て。防御魔法とかよりも、今コイツ……しゃ、喋ったよな!?」
「喋るわよ? それがどうかしたの?」
「どうかするよっ! 魔物が喋ったんだぞ!? しかも、最弱と呼ばれるホワイト・ラビットが」
「毎日お世話していたから、喋れるようになったのよ」
「なるかぁぁぁっ!」
何故かアルフレッドがシロを全否定するけど、どうして目の前にある現実から目を逸らすのかしら。
「アルフレッド君、ソフィアさん。何を騒いでいるのですか?」
「い、いえ、何でもない……いや、何でもなく無いんだが、色々と耳を疑う事態があってだな」
「よく分かりませんが、また魔物が現れましたね。……おや、珍しい。第二層では珍しい、アルフレッド君の使い魔と同じワイルド・ウルフですね。ではソフィアさん、行ってみましょうか」
よりによって、さっきと逆の構図になってしまうとは。
嫌だけど……仕方ないか。
一先ず、防御や身体強化の魔法を一通りシロに使い、
「シロ……無理はしないでね」
「だいじょーぶ」
ハラハラしながら、行く末を見守る。
シロがぴょんぴょんと可愛らしく跳ねて行き、大きく口を開けたワイルド・ウルフへ飛び込むと……奥の壁まで吹き飛ばした。
「シロ! 凄いじゃない! 頑張ったわね。偉いわよ」
「ボク、がんばったよー」
「うんうん。あんな大きな狼を一撃で倒すなんて、凄いわね」
頑張ったシロを褒め、
「いや、どう考えても過剰過ぎるバフの力だと思うんだが」
アルフレッドの言葉をスルーしつつ、可愛いシロをギュッと抱きしめた。
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