30 / 58
第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第23話 学校ダンジョン
しおりを挟む
召喚魔法の先生を含めて全員が揃ったので、いざ遠足に出発!
……と行きたかったんだけど、その前に先生の話が始まる。
「それではこれより、使い魔を得る為に学校にあるダンジョンへ潜りますが、いくつか注意点を言っておきますね」
……って、あれ? 今、聞き慣れない言葉が聞こえてきたんだけど。
「あの、先生。今、ダンジョンって仰いました?」
「えぇ、言いましたけど。この学校の敷地内にダンジョンがあるあので、そこに出てくる魔物を使い魔とする事が、今日の授業の目的です。一応、丸一日時間を取っていますが、皆さん全員が使い魔を得れば、早めに切り上げる事になります」
聞き間違いじゃなかったーっ!
そもそもダンジョンって何!? どうして学校に魔物が現れる場所があるの!? 貴族の御子息や御令嬢が通う学校なのよね? それなのに良いのっ!?
「ふはははっ! ようやく、ダンジョンに入る事が出来るのか。このダンジョンの存在こそが、ここアストリア魔法学校の特色だからな」
「え? マルク……貴方、この学校にダンジョンがある事を知っていたの!?」
「知っていたも何も、皆知っているだろう。学校案内にも記載されているし、わざわざ遠くのダンジョンへ行かずとも、学校内にダンジョンがあるというのが、この学校のウリであり、優秀な生徒を輩出している理由の一つでもあるのだからな」
そ、そうなのっ!?
学校のパンフレットは読んだけど、そんな事は載っていなかった気がするんだけど。
……もしかして、学校近くの宿屋にあった物を読んだだけだから、詳しい事が載っていないとか、もしくは古かったとか!?
「あれ!? ちょっと待って。という事は、今日は遠足ではないって事ですか!?」
「遠足? いえ、授業でも言った通り、今日は使い魔を捕まえるだけですよ?」
「あの、お昼ご飯は……」
「通常ですと、一旦休憩という事で、ダンジョンから出るので、食堂などで好きに取ってもらえれば良いですよ」
「えっと、お菓子は……」
「ソフィアさん。ダンジョンに潜るのは授業の一環で、遊びに行く訳ではありません。水分補給はともかく、お菓子はダメですね」
えぇぇぇっ!? そんな……せっかく街の商店街で、クラスの皆と交換可能な個包装のお菓子を吟味して選んできたのに。
憧れの遠足に行けると思っていただけに、割と本気で悲しむ私を他所に、先生が注意事項を話しだす。
一先ず先生の話を纏めると、
「ダンジョンは何階層にも分かれており、深い層へ行けば行くほど、現れる魔物が強くなる」
「今日は初めてダンジョンへ入るので、二階層までしか行かない事。それより下の階層へ降りると、怪我をする可能性がある」
「既に使い魔が居る者は、使い魔となる魔物を捕まえた後、その魔物を解放しても良い」
という話だった。
「リュカ君は既に使い魔のお世話をしていますが、この使い魔のお世話というのも、信頼関係を結ぶ為の重要な行為です。詳しくは、また授業で行いますので、しっかりお世話してあげてください」
遠足に行くわけでは無かったというショックは大きかったけど、使い魔を手に入れるという話を聞き、私の中で好奇心が膨らみ始める。
学校内のダンジョンに、どんな魔物が居るのかは分からないけれど、リュカみたいに可愛い子が使い魔になってくれると良いな。
「では、参りましょう。先ずはダンジョンの入口へ向かいますので、ついて来てください」
先生の先導で、学校の敷地の端の端に建てられた小屋の中へ入る。
「ここは、事前に許可を取れば、放課後に生徒だけで入る事も出来ます。二年生以降に、自主訓練として行く事もあるかと思いますので、場所を覚えておいてくださいね。ただし、生徒同士はもちろん、教師が同行していようと、許可された階層以外より下へ降りる事は許されませんので、注意してください。ちなみに、そんな事をすると罰則がありますし、それで怪我をしても自己責任となりますので」
改めて先生から注意があった後、初めてダンジョンへと足を踏み入れた。
……と行きたかったんだけど、その前に先生の話が始まる。
「それではこれより、使い魔を得る為に学校にあるダンジョンへ潜りますが、いくつか注意点を言っておきますね」
……って、あれ? 今、聞き慣れない言葉が聞こえてきたんだけど。
「あの、先生。今、ダンジョンって仰いました?」
「えぇ、言いましたけど。この学校の敷地内にダンジョンがあるあので、そこに出てくる魔物を使い魔とする事が、今日の授業の目的です。一応、丸一日時間を取っていますが、皆さん全員が使い魔を得れば、早めに切り上げる事になります」
聞き間違いじゃなかったーっ!
そもそもダンジョンって何!? どうして学校に魔物が現れる場所があるの!? 貴族の御子息や御令嬢が通う学校なのよね? それなのに良いのっ!?
「ふはははっ! ようやく、ダンジョンに入る事が出来るのか。このダンジョンの存在こそが、ここアストリア魔法学校の特色だからな」
「え? マルク……貴方、この学校にダンジョンがある事を知っていたの!?」
「知っていたも何も、皆知っているだろう。学校案内にも記載されているし、わざわざ遠くのダンジョンへ行かずとも、学校内にダンジョンがあるというのが、この学校のウリであり、優秀な生徒を輩出している理由の一つでもあるのだからな」
そ、そうなのっ!?
学校のパンフレットは読んだけど、そんな事は載っていなかった気がするんだけど。
……もしかして、学校近くの宿屋にあった物を読んだだけだから、詳しい事が載っていないとか、もしくは古かったとか!?
「あれ!? ちょっと待って。という事は、今日は遠足ではないって事ですか!?」
「遠足? いえ、授業でも言った通り、今日は使い魔を捕まえるだけですよ?」
「あの、お昼ご飯は……」
「通常ですと、一旦休憩という事で、ダンジョンから出るので、食堂などで好きに取ってもらえれば良いですよ」
「えっと、お菓子は……」
「ソフィアさん。ダンジョンに潜るのは授業の一環で、遊びに行く訳ではありません。水分補給はともかく、お菓子はダメですね」
えぇぇぇっ!? そんな……せっかく街の商店街で、クラスの皆と交換可能な個包装のお菓子を吟味して選んできたのに。
憧れの遠足に行けると思っていただけに、割と本気で悲しむ私を他所に、先生が注意事項を話しだす。
一先ず先生の話を纏めると、
「ダンジョンは何階層にも分かれており、深い層へ行けば行くほど、現れる魔物が強くなる」
「今日は初めてダンジョンへ入るので、二階層までしか行かない事。それより下の階層へ降りると、怪我をする可能性がある」
「既に使い魔が居る者は、使い魔となる魔物を捕まえた後、その魔物を解放しても良い」
という話だった。
「リュカ君は既に使い魔のお世話をしていますが、この使い魔のお世話というのも、信頼関係を結ぶ為の重要な行為です。詳しくは、また授業で行いますので、しっかりお世話してあげてください」
遠足に行くわけでは無かったというショックは大きかったけど、使い魔を手に入れるという話を聞き、私の中で好奇心が膨らみ始める。
学校内のダンジョンに、どんな魔物が居るのかは分からないけれど、リュカみたいに可愛い子が使い魔になってくれると良いな。
「では、参りましょう。先ずはダンジョンの入口へ向かいますので、ついて来てください」
先生の先導で、学校の敷地の端の端に建てられた小屋の中へ入る。
「ここは、事前に許可を取れば、放課後に生徒だけで入る事も出来ます。二年生以降に、自主訓練として行く事もあるかと思いますので、場所を覚えておいてくださいね。ただし、生徒同士はもちろん、教師が同行していようと、許可された階層以外より下へ降りる事は許されませんので、注意してください。ちなみに、そんな事をすると罰則がありますし、それで怪我をしても自己責任となりますので」
改めて先生から注意があった後、初めてダンジョンへと足を踏み入れた。
1
お気に入りに追加
3,526
あなたにおすすめの小説
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
追放された魔女は、実は聖女でした。聖なる加護がなくなった国は、もうおしまいのようです【第一部完】
小平ニコ
ファンタジー
人里離れた森の奥で、ずっと魔法の研究をしていたラディアは、ある日突然、軍隊を率いてやって来た王太子デルロックに『邪悪な魔女』呼ばわりされ、国を追放される。
魔法の天才であるラディアは、その気になれば軍隊を蹴散らすこともできたが、争いを好まず、物や場所にまったく執着しない性格なので、素直に国を出て、『せっかくだから』と、旅をすることにした。
『邪悪な魔女』を追い払い、国民たちから喝采を浴びるデルロックだったが、彼は知らなかった。魔女だと思っていたラディアが、本人も気づかぬうちに、災いから国を守っていた聖女であることを……
国の王子から婚約破棄&国外追放。追放された国で聖女の力に目覚めた私は神様になる。
夜にすみたい
ファンタジー
いきなり婚約破棄&国外追放を言い渡された聖女の候補の妖夢。
追放先で聖女の力に目覚めた私は神様に拾われ「次の世代の神になれ」と言われた。
その国の王子とも気が合いそうでうれしかったけどいきなり故郷の王子がきた。
「聖女妖夢よ!今帰ってくれば私との婚約破棄を無かったことにしてやろう!」
「何言ってるんですか?無理ですよ。私、半分竜ですから。」
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
親友に裏切られ聖女の立場を乗っ取られたけど、私はただの聖女じゃないらしい
咲貴
ファンタジー
孤児院で暮らすニーナは、聖女が触れると光る、という聖女判定の石を光らせてしまった。
新しい聖女を捜しに来ていた捜索隊に報告しようとするが、同じ孤児院で姉妹同然に育った、親友イルザに聖女の立場を乗っ取られてしまう。
「私こそが聖女なの。惨めな孤児院生活とはおさらばして、私はお城で良い生活を送るのよ」
イルザは悪びれず私に言い放った。
でも私、どうやらただの聖女じゃないらしいよ?
※こちらの作品は『小説家になろう』にも投稿しています
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
眠り姫な私は王女の地位を剥奪されました。実は眠りながらこの国を護っていたのですけれどね
たつき
ファンタジー
「おまえは王族に相応しくない!今日限りで追放する!」
「お父様!何故ですの!」
「分かり切ってるだろ!おまえがいつも寝ているからだ!」
「お兄様!それは!」
「もういい!今すぐ出て行け!王族の権威を傷つけるな!」
こうして私は王女の身分を剥奪されました。
眠りの世界でこの国を魔物とかから護っていただけですのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる