めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人

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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する

第14話 選択授業

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 マルクの提案した魔法対決がようやく終わり、本来の授業へと戻る事が出来た。
 精霊魔法の授業では、前回と同じく光の精霊を呼び出し、実際に魔法を使ってみる。
 召喚魔法の授業では、小さくて可愛い妖精さんを呼び出す事が出来た。
 そして、今日の午前最後の授業は、

「え? 選択授業……ですか?」
「その通り。今回は初回なので、先ず説明を行うけど、次回からは自身が選択した授業に合わせて、教室を移動してもらいます」

 直接魔法に関係のない授業があるそうで、ヴィクトール先生が説明をしてくれている。

「この選択授業は、一度選ぶと次のクラス選別試験まで……最低半年は変更出来ないので、よく考えてくださいね」

 選択授業は、技術、音楽、美術から選ぶらしい。
 技術は、魔法ではなく物理的に何かを作る授業で、創造力を養う為の授業。
 音楽は、皆で歌ったり演奏したりして、チームワークを養う為の授業。
 美術は絵を描いたり、幻獣の姿を描いた絵画を見たりして、想像力を養う為の授業……とのこと。

「技術は、主に錬金魔法の向上の為。音楽は他の人と共闘したり、複数人で魔法を発動させる時の為。美術は精霊魔法や召喚魔法の向上に繋がるんだよ。僕個人としては、技術をオススメしたいけど、自身が伸ばしたい魔法や、苦手な魔法に関連する授業を選択すると良いんじゃないかな」

 うーん。何を伸ばしたいかと言われたら、一番汎用的だと思われる錬金魔法だから、技術かな。
 魔法で物を作り出せるのは便利そうだし。
 音楽は、侍祭の頃から聖女まで、教会にいる時は毎日聖歌を歌っていたし、もういいかな。
 美術は……うん。色々思う所もあるし、止めておこうっと。
 一先ず、技術を選ぼうと決めた所で、アルフレッドが話しかけてきた。

「ソフィアはどれを選択するんだ?」
「んー、今のところ、技術にしようかなって思っているんだけど」
「なるほどな。じゃあ、俺も技術にしようかなー」

 いや、自分で考えて決めなさいよ。
 半年間変えられないのよ?
 どうせ私を、からかいたいだけなんでしょ?
 そんな理由で決めてどうするのよ。

「じゃあ、そろそろ移動してもらう訳だけど、この選択授業と、別途行う体術の授業は、クラス分け関係無しに、他のクラスの生徒と一緒に行うからね」
「……何だと!? Sクラスの俺様が、他のレベルの低い者たちと一緒に授業を受けなければならないのか!?」

 あ、魔法対決から静かだったマルクが久々に騒ぎだした。
 随分落ち込んでいたけど、いつも通りに戻って良かっ……ちょっと煩いわね。

「ただでさえ少ないSクラスが分かれる訳ですし、それに魔法とは直接関係のない授業ですから」

 マルクはまだ何か言いたげだけど、時間が無いのか、ヴィクトール先生が強引に話を進め、

「では、技術を選ぶ人は挙手を……おっ、良いですね。三人も居ますね」

 リュカを除く三人が手を上げる。

「リュカはどれにするんだい?」
「……美術」
「了解。では、それぞれの教室へ移動しよう」

 教室の場所を説明してもらい、技術教室へ移動すると、普段の教室よりも広い部屋に多くの生徒が座っていた。

「……あいつら、Sクラスじゃね?」
「……じゃあ、あの女が噂の(仮)の奴?」
「……俺、あの女の子、どこかで見た事ある気がするんだけど。どこだっけ?」

 どうやら私たちが一番最後らしく、物凄く注目されていて、ヒソヒソと色んな言葉が聞こえて来る。
 けど、やっぱり他のクラスからも(仮)って認識なのね。
 まぁクラス分けの紙が大きく貼り出されていたから、仕方ないのだけど。
 小さく溜息を吐きつつ、技術の先生に指定された席へ着こうとした所で、

「今、ソフィアを(仮)って言った奴、出て来い! 表に出やがれ!」

 何故かアルフレッドが怒りだした。
 というか、アンタも散々(仮)ってからかってきたのに、何を言っているのよっ!
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