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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第12話 魔法攻撃力対決
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「ふはははっ! これより、Sクラスにおける魔法の実力を明らかにする為の、魔法対決を開始する!」
え? 本当にやるんだ。
ヴィクトール先生の錬金魔法の授業のはずが、昨日配布された制服と一緒に入っていた修練着に着替えさせられ、魔法訓練室へ集合させられてしまった。
ちなみに、魔法学校と言うだけあって、第六訓練室まであるそうだ。
「では、最初の対決は、攻撃魔法の威力だ。我がロレーヌ家が用意した魔法装置に向かって、それぞれ攻撃魔法を放ってもらおう。その威力を測定し、数値化する機能を備えているのだ」
「へぇ。そんな装置があるのか。そんなの初めて見たな」
「ふはははっ。かなり貴重で高価な代物だからな。では先ず、俺が見本を見せよう!」
そう言うと、マルクが勝手に魔法を放つ。
謎の装置に組み込まれた、大きな水晶に向かって小さな火の玉が飛んで行き、
『132』
何とも言い難い数値が表示された。
「ふはははっ! 見たか!? 俺様の攻撃魔法の威力は、132だ!」
えっと、132だ! って言われても、それが高いのか低いのかも分からないんだけど。
だけど、その数値を見て、何故かアルフレッドがやる気を出している。
「よし。じゃあ、次は俺だな。その数値の意味はよく分からないが、とりあえず二千くらいだしておくか!」
「四桁なんて出るわけがないであろう! ……って、ちょっと待った! 攻撃魔法の威力だと言っているのに、何故剣を構えているのだ!?」
「何故って、俺は基礎魔法で攻撃するからだが?」
「基礎魔法で攻撃……って、つまりは自身の身体能力を強化した上での物理攻撃という事であろう。そんなものは、攻撃魔法とは認められぬ!」
「そうなのか? 入学試験では、基礎魔法も実技試験で評価対象だと言われたし、実際これで入学したんだが」
アルフレッドが不思議そうにしていると、ヴィクトール先生がフォローしてくれる。
「一部では、基礎魔法を魔法では無いと言う、誤った認識の者も居ますが、アストリア魔法学校では、昔から基礎魔法を入学試験で使用可としています」
「ならば、それは学校が誤っているな。基礎魔法は魔法では無い。それが世間一般の認識だ。それに、どう考えても基本魔法は攻撃魔法では無い。よって、アルフレッドの測定値はゼロだ」
だけど、またもや一方的な物言いで、マルクが話を進めていく。
「待って。要は基礎魔法じゃなければ良いんでしょ? アルフレッド。昨日、自主勉強で頑張ったじゃない。とりあえず攻撃魔法を使ってみたら?」
「あー、そうだな。昨日、せっかくソフィアに教わったしな。やってみるか」
「ふっ……高々一日足らずの練習で何が出来るというのだ。まぁ順位が明らかになるだけだが、好きにすれば……な、何だとっ!?」
『187』
「お。よく分からないが、一先ずアイツより大きな数字は出たな」
「ま、マグレで、高い数値が出たのか。どうやら、運は良いみたいだな」
アルフレッドが昨日練習していた精霊魔法で、マルクの数値を超え、そのマルクは口から血が流れ出るんじゃないかってくらいに、
唇を噛んで悔しそうにしている。
……どうやら、この装置自体は何の仕掛けも無い、真っ当な物らしい。
「……次はどっちがやるんだ!?」
「……面倒だから、先にやっとく。召喚魔法でいいよね?」
「ダメだ。攻撃魔法の測定だから、精霊魔法を使ってもらう」
「……まぁ何でも良いよ」
マルクは、召喚魔法は呼んだ相手の強さであり、術者の強さではない! ……って言うけど、強い相手を呼ぶには魔法が上手くないとダメなんじゃないの?
まぁ精霊魔法は、具現化した精霊に渡した魔力が多い方が効果が大きいらしいので、測定向きといえば、そうかもしれないけど。
そんな事を考えている内に、やる気の無いリュカが魔法を使い、
『327』
マルクの倍の数値が表示された。
「何だと!? 嘘だっ! こんな大きな数値が出る訳がない! イカサマだっ!」
「……そんな面倒な事しない。というか、早く終わって欲しいんだけど」
「くっ……おい、お前っ! 最後だ、早くしろっ! ……そうだ。お前は何か仕込んで、光の魔法を使うんだったな。これ以上の不正は許さん! なので、使うのは俺と同じ火の魔法に限定させてもらう!」
何も仕込んで無いし、不正とかもしないわよ!
ちょっとイラッとしてしまったけど、火の魔法なら良いって言ったわよね?
だったら、これかしら。
「……セイント・ファイア」
白い炎を生み出す神聖魔法を使うと、
「ふんっ! どうせ大した事……え!? あぁっ! あぁぁぁっ!」
大きな音と共に水晶が砕け、魔法装置が壊れてしまった。
え? 本当にやるんだ。
ヴィクトール先生の錬金魔法の授業のはずが、昨日配布された制服と一緒に入っていた修練着に着替えさせられ、魔法訓練室へ集合させられてしまった。
ちなみに、魔法学校と言うだけあって、第六訓練室まであるそうだ。
「では、最初の対決は、攻撃魔法の威力だ。我がロレーヌ家が用意した魔法装置に向かって、それぞれ攻撃魔法を放ってもらおう。その威力を測定し、数値化する機能を備えているのだ」
「へぇ。そんな装置があるのか。そんなの初めて見たな」
「ふはははっ。かなり貴重で高価な代物だからな。では先ず、俺が見本を見せよう!」
そう言うと、マルクが勝手に魔法を放つ。
謎の装置に組み込まれた、大きな水晶に向かって小さな火の玉が飛んで行き、
『132』
何とも言い難い数値が表示された。
「ふはははっ! 見たか!? 俺様の攻撃魔法の威力は、132だ!」
えっと、132だ! って言われても、それが高いのか低いのかも分からないんだけど。
だけど、その数値を見て、何故かアルフレッドがやる気を出している。
「よし。じゃあ、次は俺だな。その数値の意味はよく分からないが、とりあえず二千くらいだしておくか!」
「四桁なんて出るわけがないであろう! ……って、ちょっと待った! 攻撃魔法の威力だと言っているのに、何故剣を構えているのだ!?」
「何故って、俺は基礎魔法で攻撃するからだが?」
「基礎魔法で攻撃……って、つまりは自身の身体能力を強化した上での物理攻撃という事であろう。そんなものは、攻撃魔法とは認められぬ!」
「そうなのか? 入学試験では、基礎魔法も実技試験で評価対象だと言われたし、実際これで入学したんだが」
アルフレッドが不思議そうにしていると、ヴィクトール先生がフォローしてくれる。
「一部では、基礎魔法を魔法では無いと言う、誤った認識の者も居ますが、アストリア魔法学校では、昔から基礎魔法を入学試験で使用可としています」
「ならば、それは学校が誤っているな。基礎魔法は魔法では無い。それが世間一般の認識だ。それに、どう考えても基本魔法は攻撃魔法では無い。よって、アルフレッドの測定値はゼロだ」
だけど、またもや一方的な物言いで、マルクが話を進めていく。
「待って。要は基礎魔法じゃなければ良いんでしょ? アルフレッド。昨日、自主勉強で頑張ったじゃない。とりあえず攻撃魔法を使ってみたら?」
「あー、そうだな。昨日、せっかくソフィアに教わったしな。やってみるか」
「ふっ……高々一日足らずの練習で何が出来るというのだ。まぁ順位が明らかになるだけだが、好きにすれば……な、何だとっ!?」
『187』
「お。よく分からないが、一先ずアイツより大きな数字は出たな」
「ま、マグレで、高い数値が出たのか。どうやら、運は良いみたいだな」
アルフレッドが昨日練習していた精霊魔法で、マルクの数値を超え、そのマルクは口から血が流れ出るんじゃないかってくらいに、
唇を噛んで悔しそうにしている。
……どうやら、この装置自体は何の仕掛けも無い、真っ当な物らしい。
「……次はどっちがやるんだ!?」
「……面倒だから、先にやっとく。召喚魔法でいいよね?」
「ダメだ。攻撃魔法の測定だから、精霊魔法を使ってもらう」
「……まぁ何でも良いよ」
マルクは、召喚魔法は呼んだ相手の強さであり、術者の強さではない! ……って言うけど、強い相手を呼ぶには魔法が上手くないとダメなんじゃないの?
まぁ精霊魔法は、具現化した精霊に渡した魔力が多い方が効果が大きいらしいので、測定向きといえば、そうかもしれないけど。
そんな事を考えている内に、やる気の無いリュカが魔法を使い、
『327』
マルクの倍の数値が表示された。
「何だと!? 嘘だっ! こんな大きな数値が出る訳がない! イカサマだっ!」
「……そんな面倒な事しない。というか、早く終わって欲しいんだけど」
「くっ……おい、お前っ! 最後だ、早くしろっ! ……そうだ。お前は何か仕込んで、光の魔法を使うんだったな。これ以上の不正は許さん! なので、使うのは俺と同じ火の魔法に限定させてもらう!」
何も仕込んで無いし、不正とかもしないわよ!
ちょっとイラッとしてしまったけど、火の魔法なら良いって言ったわよね?
だったら、これかしら。
「……セイント・ファイア」
白い炎を生み出す神聖魔法を使うと、
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