39 / 48
第33話 魔物除けの結界魔法?
しおりを挟む
「今日はこの辺りで野営にしようか」
山を一つ越えた所で提案すると、
「アルフレッド。この辺りは少々魔物が強いようだ。もう少し魔物が弱い所で野営出来ないだろうか」
「え? 強いか? ……だが、今からだと山の中で野営するか、暗くなってからも移動する事になる。ここで野営の方が良いと思うんだが」
フレイアが変な事を言ってくる。
俺は平気だけど、皆は山の中より平地の方が良さそうな気がするんだが。
「その者の言う通りだ。ここまで戦いを見ていたが、大した魔物ではない。あの程度なら、俺が結界を張っておけば侵入して来られないだろう」
おっ、初めてではないだろうか。モレノが俺の言葉に反応したのは。
とりあえず、結界っていうのがどれ程のものかは知らないが、魔物を防げるのはありがたいな。
一先ず、時折現れる魔物のを倒しつつ、野営の準備を進めていくと、
「……聖域結界」
暫くして、モレノがかなり時間を掛けた、凄そうな魔法を使ってくれた。
「これで、この中に魔物が入ってくるどころか、近付いて来る事すらないだろう」
「それは助かる。フレイアが使うスキルのように、触れたら俺たちも怪我を負うタイプの結界なのだろうか?」
「本人の魔法防御力によるな。私の魔力より魔法防御力の低い者は聖なる火に焼かれて大火傷を負うだろうし、魔法防御力の高い者は何も受けないだろう」
……えーっと、要は触ると怪我するぞって事だよな?
最初からそう言ってくれれば良いのに。
とりあえず、必要な食材や水は村で買ってあり、馬に積んできているし、調味料の類はここへ来るまでの間になっていた物を採っておいたから……うん、大丈夫だな。
モレノは強力な魔法を使ったからか、切り株に腰掛けて目を閉じ……少しすると、周囲に魔物の気配を感じた。
……って、思いっきり結界の中へ入って来ているんだが。
「――っ!? そんな、モレノ卿の結界を……」
「……よっ!」
とりあえず入って来た魔物を殴り飛ばすと……あ、かなり遠くまで吹き飛んで動かなくなったな。
しかし、あまり強力な魔物でもなかったのに易々と突破されたんだが、この結界は大丈夫なのか?
「……アルフレッドよ。モレノ卿は王族だからではなく、実力で宮廷魔道士になられた方なのだが、さっきの魔物は固有種――ユニークモンスターという魔物だろうか」
「え? いや、普通の狼だったけど?」
「……この辺りは魔物が強すぎるのではないだろうか」
フレイアが頭を抱えているが、この辺りはまだ大した事がないんだけどな。
とりあえず、モレにに結界をもう少し強度のある物に変えてもらおうかと思ったのだが、フレイアが小声で黙っていて欲しいと訴えてくる。
んー……、これはモレノのプライドを傷付ける訳にはいかないという事だろうか。
そのままクララに目を向けると、
「……」
無言で頷かれる。
つまり察してくれと言う事だろうか。
「アルフレッドさん。本当に面倒臭いですよね……」
ソフィアは心底うんざりしているようだが、一番大変なのはフレイアとクララだろうから、黙っておく事にしよう。
という訳で、食事を作りながら魔物の気配を感じたら、結界の中へ入って来る前に投石で倒し、近くにあった小川で手を洗って……って、結界から出たり入ったりしているけど、特に何も感じないな。
「……モレノ卿の結界は、大勢の兵士たちが入り乱れる戦場のど真ん中に安全地帯を作れる程の魔法なのだが、アルフレッドには関係なさそうだな」
「フレイアさん。アルフレッドさんは別枠だから、気にしちゃダメだと思います」
「アルフレッド様。やはり、貴方は救世主様だったのですね」
モレノに聞こえないように、三人が小声で喋っているが、何だか無茶苦茶な事を言われていないか?
別枠って、何の別枠なんだ、ソフィア?
それにクララも、救世主って大袈裟すぎるだろ。
一先ず、三人の話をスルーして、無事に料理が完成したので、皆に振舞うと、
「おぉ、やはりアルフレッドの作る料理は最高だな」
「これ、さっきの村で買っていた普通の野菜ですよね? どうしてこんなに美味しくなるんですか!?」
「――っ!? こ、これは!? ……フレイアもソフィアさんも、こんなに美味しい料理を食べて居たんですか!? ず、ズルいですっ!」
女性陣が凄く喜び、特にクララは初めて食べたからか、物凄く驚いていた。
……ただ、塩コショウしか使っていないんだけどな。
そして、
「な……何だと!? これは……そうか。お前は料理人として来ていたのか」
モレノから盛大な勘違いをされてしまった。
山を一つ越えた所で提案すると、
「アルフレッド。この辺りは少々魔物が強いようだ。もう少し魔物が弱い所で野営出来ないだろうか」
「え? 強いか? ……だが、今からだと山の中で野営するか、暗くなってからも移動する事になる。ここで野営の方が良いと思うんだが」
フレイアが変な事を言ってくる。
俺は平気だけど、皆は山の中より平地の方が良さそうな気がするんだが。
「その者の言う通りだ。ここまで戦いを見ていたが、大した魔物ではない。あの程度なら、俺が結界を張っておけば侵入して来られないだろう」
おっ、初めてではないだろうか。モレノが俺の言葉に反応したのは。
とりあえず、結界っていうのがどれ程のものかは知らないが、魔物を防げるのはありがたいな。
一先ず、時折現れる魔物のを倒しつつ、野営の準備を進めていくと、
「……聖域結界」
暫くして、モレノがかなり時間を掛けた、凄そうな魔法を使ってくれた。
「これで、この中に魔物が入ってくるどころか、近付いて来る事すらないだろう」
「それは助かる。フレイアが使うスキルのように、触れたら俺たちも怪我を負うタイプの結界なのだろうか?」
「本人の魔法防御力によるな。私の魔力より魔法防御力の低い者は聖なる火に焼かれて大火傷を負うだろうし、魔法防御力の高い者は何も受けないだろう」
……えーっと、要は触ると怪我するぞって事だよな?
最初からそう言ってくれれば良いのに。
とりあえず、必要な食材や水は村で買ってあり、馬に積んできているし、調味料の類はここへ来るまでの間になっていた物を採っておいたから……うん、大丈夫だな。
モレノは強力な魔法を使ったからか、切り株に腰掛けて目を閉じ……少しすると、周囲に魔物の気配を感じた。
……って、思いっきり結界の中へ入って来ているんだが。
「――っ!? そんな、モレノ卿の結界を……」
「……よっ!」
とりあえず入って来た魔物を殴り飛ばすと……あ、かなり遠くまで吹き飛んで動かなくなったな。
しかし、あまり強力な魔物でもなかったのに易々と突破されたんだが、この結界は大丈夫なのか?
「……アルフレッドよ。モレノ卿は王族だからではなく、実力で宮廷魔道士になられた方なのだが、さっきの魔物は固有種――ユニークモンスターという魔物だろうか」
「え? いや、普通の狼だったけど?」
「……この辺りは魔物が強すぎるのではないだろうか」
フレイアが頭を抱えているが、この辺りはまだ大した事がないんだけどな。
とりあえず、モレにに結界をもう少し強度のある物に変えてもらおうかと思ったのだが、フレイアが小声で黙っていて欲しいと訴えてくる。
んー……、これはモレノのプライドを傷付ける訳にはいかないという事だろうか。
そのままクララに目を向けると、
「……」
無言で頷かれる。
つまり察してくれと言う事だろうか。
「アルフレッドさん。本当に面倒臭いですよね……」
ソフィアは心底うんざりしているようだが、一番大変なのはフレイアとクララだろうから、黙っておく事にしよう。
という訳で、食事を作りながら魔物の気配を感じたら、結界の中へ入って来る前に投石で倒し、近くにあった小川で手を洗って……って、結界から出たり入ったりしているけど、特に何も感じないな。
「……モレノ卿の結界は、大勢の兵士たちが入り乱れる戦場のど真ん中に安全地帯を作れる程の魔法なのだが、アルフレッドには関係なさそうだな」
「フレイアさん。アルフレッドさんは別枠だから、気にしちゃダメだと思います」
「アルフレッド様。やはり、貴方は救世主様だったのですね」
モレノに聞こえないように、三人が小声で喋っているが、何だか無茶苦茶な事を言われていないか?
別枠って、何の別枠なんだ、ソフィア?
それにクララも、救世主って大袈裟すぎるだろ。
一先ず、三人の話をスルーして、無事に料理が完成したので、皆に振舞うと、
「おぉ、やはりアルフレッドの作る料理は最高だな」
「これ、さっきの村で買っていた普通の野菜ですよね? どうしてこんなに美味しくなるんですか!?」
「――っ!? こ、これは!? ……フレイアもソフィアさんも、こんなに美味しい料理を食べて居たんですか!? ず、ズルいですっ!」
女性陣が凄く喜び、特にクララは初めて食べたからか、物凄く驚いていた。
……ただ、塩コショウしか使っていないんだけどな。
そして、
「な……何だと!? これは……そうか。お前は料理人として来ていたのか」
モレノから盛大な勘違いをされてしまった。
56
お気に入りに追加
2,136
あなたにおすすめの小説
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!


子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる