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第21話 美味しくいただくお肉
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「くすん。ウサちゃん……」
「あー。その、頑張ったな。だけど、あんな魔物の方がレアだと思うぞ。普通は食うか食われるかみたいな感じの魔物ばっかりだからさ」
「そ、そう……ですよね。ありがとうございます」
無事にプチ・ラビット討伐を果たしたソフィアを慰めていると、
「こ、こほん。あー、私も魔物を倒すのは心苦しいなー」
「フレイアは真っ先に魔物を倒して、一番最初に課題を終わらせていなかったか?」
「うっ! そ、その通りだが……私だって優しく頭を撫でて欲しいのに……」
フレイアが近寄って来て、何か呟いた後に拗ねてしまった。
普段フレイアは声が大きいのに、突然小声になるんだよな。
「とりあえず、全員無事に課題を終わらせた事だし、昼食にしないか? 美味しい物を食べて、嫌な事は忘れようか」
「はーい! そうですねっ! アルフレッドさんのご飯はとても美味しいので大好きです!」
「あ、あぁ。ありがとう」
話題を変えた俺が言うのもなんだが、ソフィアの変わり身が凄いな。
さっきまでは、ウサちゃんって言いながら泣きそうだったんだが……まぁこの様子なら、アレを出しても大丈夫か。
いつものように、フレイアに火を用意してもらっている間に、野草や山菜などの足りない食材を取り、早速作り始める。
今は鉄板風の石焼きしか作れないけど、鍋が手に入ったら煮込み料理なんかも作りたいな。
……姉さんの所では土をこねて土鍋みたいな物も作ったけど、流石に割れそうで置いて来ちゃったからね。
「出来た! フレイアもソフィアも食べてくれ」
「おぉ、流石はアルフレッド。旨い! しかも、この肉はもしかして……」
フレイアは気付いたみたいだが、肉の正体は一旦伏せてもらい、ソフィアの様子を伺う。
「美味しいーっ! アルフレッドさんは料理の天才ですー!」
「ははは、ありがとう。ところで、ソフィア。そのお肉なんだけど、実は……さっきのウサギなんだ。魔物を倒した訳だから、その命を美味しくいただく事がせめてもの供養に繋がるかと思ったんだが……」
「はい! ありがとうございます。そうですよね。倒したのは私たちですし、食べられるのなら食べてあげる方が良いですよね……美味しいっ!」
どうやら俺が心配し過ぎだったらしく、ソフィアはウサギ肉のソテーを気にせず食べまくっている。
内心では、これで泣き出さないかとハラハラしていたのだが、杞憂に終わったようだ。
「むぅ。アルフレッドはもう少し私の事も気にかけて欲しいのだ」
「もちろんフレイアの事も気に掛けているよ。フレイアの好きな食べ物と苦手な食べ物は把握したからね。実は二人に出した付け合わせを変えているんだ」
「あ、確かに。ソフィアと私のとで微妙に違う。だが、そういう事ではなくて……いやまぁ、いいか。ありがとう、アルフレッド」
昼食を済ますと、まだまだウサギ肉が余っているので、燻製にしてみる。
「アルフレッド。それは一体何をしているのだ?」
「さっきのウサギ肉を燻製にしようと思ってね。塩漬けにした肉を、乾燥させて燻すんだよ。そうすると、風味が変わるのと保存可能になるからね」
「干し肉みたいなものか。食料が現地調達出来ない所へ行く際に、よく食べた気がするな」
「そうだね。乾燥させるのと、保存可能っていう意味では似ているかも。まぁすぐには出来ないけど、また何処かで振舞うよ」
「そ、それはアルフレッドが私と……ず、ずっと一緒に居てくれる……な、何でもない!」
何故か突然声を荒げたフレイアを不思議に思いながらも、いつものように稽古をしながら燻製が出来上がるのを待つ。
燻製も山で沢山作ったけど、姉さんも好きだったからな。
……冒険者になる事が出来て、初任給というか最初の仕事が終わったら、報告と様子見を兼ねて一度姉さんの所へ帰ってみようかな?
そんな事を考えながら一日が終了し、四日目の……最後の課題が出された。
「あー。その、頑張ったな。だけど、あんな魔物の方がレアだと思うぞ。普通は食うか食われるかみたいな感じの魔物ばっかりだからさ」
「そ、そう……ですよね。ありがとうございます」
無事にプチ・ラビット討伐を果たしたソフィアを慰めていると、
「こ、こほん。あー、私も魔物を倒すのは心苦しいなー」
「フレイアは真っ先に魔物を倒して、一番最初に課題を終わらせていなかったか?」
「うっ! そ、その通りだが……私だって優しく頭を撫でて欲しいのに……」
フレイアが近寄って来て、何か呟いた後に拗ねてしまった。
普段フレイアは声が大きいのに、突然小声になるんだよな。
「とりあえず、全員無事に課題を終わらせた事だし、昼食にしないか? 美味しい物を食べて、嫌な事は忘れようか」
「はーい! そうですねっ! アルフレッドさんのご飯はとても美味しいので大好きです!」
「あ、あぁ。ありがとう」
話題を変えた俺が言うのもなんだが、ソフィアの変わり身が凄いな。
さっきまでは、ウサちゃんって言いながら泣きそうだったんだが……まぁこの様子なら、アレを出しても大丈夫か。
いつものように、フレイアに火を用意してもらっている間に、野草や山菜などの足りない食材を取り、早速作り始める。
今は鉄板風の石焼きしか作れないけど、鍋が手に入ったら煮込み料理なんかも作りたいな。
……姉さんの所では土をこねて土鍋みたいな物も作ったけど、流石に割れそうで置いて来ちゃったからね。
「出来た! フレイアもソフィアも食べてくれ」
「おぉ、流石はアルフレッド。旨い! しかも、この肉はもしかして……」
フレイアは気付いたみたいだが、肉の正体は一旦伏せてもらい、ソフィアの様子を伺う。
「美味しいーっ! アルフレッドさんは料理の天才ですー!」
「ははは、ありがとう。ところで、ソフィア。そのお肉なんだけど、実は……さっきのウサギなんだ。魔物を倒した訳だから、その命を美味しくいただく事がせめてもの供養に繋がるかと思ったんだが……」
「はい! ありがとうございます。そうですよね。倒したのは私たちですし、食べられるのなら食べてあげる方が良いですよね……美味しいっ!」
どうやら俺が心配し過ぎだったらしく、ソフィアはウサギ肉のソテーを気にせず食べまくっている。
内心では、これで泣き出さないかとハラハラしていたのだが、杞憂に終わったようだ。
「むぅ。アルフレッドはもう少し私の事も気にかけて欲しいのだ」
「もちろんフレイアの事も気に掛けているよ。フレイアの好きな食べ物と苦手な食べ物は把握したからね。実は二人に出した付け合わせを変えているんだ」
「あ、確かに。ソフィアと私のとで微妙に違う。だが、そういう事ではなくて……いやまぁ、いいか。ありがとう、アルフレッド」
昼食を済ますと、まだまだウサギ肉が余っているので、燻製にしてみる。
「アルフレッド。それは一体何をしているのだ?」
「さっきのウサギ肉を燻製にしようと思ってね。塩漬けにした肉を、乾燥させて燻すんだよ。そうすると、風味が変わるのと保存可能になるからね」
「干し肉みたいなものか。食料が現地調達出来ない所へ行く際に、よく食べた気がするな」
「そうだね。乾燥させるのと、保存可能っていう意味では似ているかも。まぁすぐには出来ないけど、また何処かで振舞うよ」
「そ、それはアルフレッドが私と……ず、ずっと一緒に居てくれる……な、何でもない!」
何故か突然声を荒げたフレイアを不思議に思いながらも、いつものように稽古をしながら燻製が出来上がるのを待つ。
燻製も山で沢山作ったけど、姉さんも好きだったからな。
……冒険者になる事が出来て、初任給というか最初の仕事が終わったら、報告と様子見を兼ねて一度姉さんの所へ帰ってみようかな?
そんな事を考えながら一日が終了し、四日目の……最後の課題が出された。
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