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挿話4 嫉妬に震える悪漢コンビのアニキ分
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「クソがっ! ちょっと顔が良いからって、女連れで来た上に別の新人の女まで……せめて、どっちかは残しとけよっ!」
「あの女のマジックアイテムが邪魔だよな。アレが無ければ、アイツらが居ない間に金目の物を盗めるのに」
「とりあえず、あの男だ! ハッキリ言って、アイツ自身は武器も使えなさそうだし、魔力も感じない。それなのに、顔だけで得しやがって!」
ちょっとキツそうだが美人の女剣士に、可愛い女魔法使い……アイツは、あの二人と一緒に寝てやがったんだぞ!?
こんな事が許せるかよっ!
「アニキ。何処で仕掛ける? いつもの所か?」
「いつものは、調子に乗って居る奴に灸をすえる程度だ。今回はあの男を排除する」
「排除……って、アニキ。流石にそれはやり過ぎじゃねーのか? 殺しはちょっと……」
「バカ! 俺もそこまでは言ってねぇよ。例えば骨折くらいが良い塩梅だろ。この訓練からリタイアするし、街へ戻って教会へ金を積めば治癒魔法ですぐに治してもらえる。金を持っている奴らにはピッタリだ」
「なるほど。流石、アニキだな!」
ベストは、あの男だけを排除して女二人が残る事だ。
だが、あの男がリタイアすると女剣士の方も一緒にリタイアしそうだから、女魔法使いが無事なら良しとしよう。
「よし。滅多に使わないが、あの林トラップで行くか」
「あー、前にケンカを売って来た、バカな斧使いに仕掛けたアレか。分かったぜ」
俺たちはこの職業学校に長らく居るから、この辺りの地形は完璧に把握している。
先回りして、絶対に通る道へ罠を仕掛けるくらい余裕な訳で……出来た。
これで奴らがここを通ったら、先頭を歩く奴の片腕は終わる!
「お、来たぞっ! 隠れろっ! ……良い具合に、先頭はあの男だな」
何にも知らずに、三人組が俺たちの仕掛けた罠に足を踏み出し……踏んだっ!
狙い通りに男が仕掛けを踏み、振り子のようにロープで吊るされた丸太が飛んで行く。
「ん? 何だ? これは……丸太?」
「流石に歩くだけの訓練というのは味気ないから、ちょっとしたアトラクション風のトラップではないのか?」
「フレイアさん。今のがちょっとしたアトラクションなんですか!? アルフレッドさんも片手で止めましたけど、かなり大きな丸太でしたよ!?」
あの男、化け物か!?
かなり勢いの付いた重い丸太を……面白れぇ! 優しさを見せて、丸太にしてやったが、先を尖らせた杭とかにすべきだったな。
「あ、アニキ……あの男、ヤバいッスよ」
「まぁ待て。今のは俺も本気じゃなかった。お前の言う通り、殺す気はなかったからな。だが次は……あの竹の罠で行くぞ」
「アニキ。流石にアレはマズいんじゃ……」
「お前も今のを見ただろ? それくらいやらないとダメなんだ。行くぞっ!」
再び先回りして、今度は最悪人が死ぬレベルの罠を仕掛けた。
暫く待っていると、またあの男が先頭で……来たっ!
落ち葉が積もっているが、実はそこに深い落とし穴を掘ってある。
しかも、穴の底には沢山の竹槍を上に向けて指してあるから、落ちたが最後、串刺しになってあの世行きだっ!
「二人とも、ストップ。ここは何か変だ。何かある」
「そうなのか!? 凄いな……私には普通の道にしか見えないのだが」
「わ、私もです。アルフレッドさん、何があるんですか?」
な、何ぃぃぃっ!? あと一歩で必殺の落とし穴へ真っ逆さまという所で、急に止まりやがった!
カモフラージュは完璧だったのに、どうして分かったんだ!?
「ソフィア。何か魔法でこの落ち葉を何処かにやれるかい?」
「はい。風の魔法が使えるので……ワールウィンド! ……あぁっ! 落とし穴がありましたっ!」
「やっぱり。周囲の木に対して、落ち葉の密度がここだけ変だったからさ」
「アルフレッドさん、凄いですー!」
落ち葉の密度!? いや、何を言っているか意味が分からないんだが。
今のは絶対に気付けるはずなんて無いのに。
「あ、アニキ。やっぱり、あの男はヤバいですって」
「ま、待て! こうなったら、俺のスキルを使おう。何が来るか分からないし、ヤバいから、俺もあまり使いたくないんだが」
「アニキのスキルって、あの魔物を集める草笛ですか?」
「あぁ。あの男の近くで隠れてスキルを使う。で、魔物が集まった所で、あの女魔法使いを連れて逃げるぞ」
「あー、あの女、アニキの好みっぽいッスよね」
「うるせぇ。とにかく行くぞっ!」
再び先回りすると、魔物を集めるスキルを使用し……あれ? 来ないな。
「あ、アニキ。あいつら、行っちゃいますよ!?」
「そ、そうだな。しかし、スキルはちゃんと発動したはずなんだが……仕方ない。もう一回先回りして、またスキルを……」
「アニキ? どうかしたッス……か。……あ、アニキっ!? 魔物が来るのが遅いッス! こ、こいつらをどうにかして欲しいッス!」
「ど、どうにか出来るなら、俺だってどうにかしてぇよっ! と、とにかく逃げろっ!」
スキルは正しく発動していたが、周囲に魔物が居ない場所だからか、集まるのに時間がかかったようで……時間差で現れた魔物に、俺たちが追われる事になってしまった。
ちくしょうぉぉぉっ!
「あの女のマジックアイテムが邪魔だよな。アレが無ければ、アイツらが居ない間に金目の物を盗めるのに」
「とりあえず、あの男だ! ハッキリ言って、アイツ自身は武器も使えなさそうだし、魔力も感じない。それなのに、顔だけで得しやがって!」
ちょっとキツそうだが美人の女剣士に、可愛い女魔法使い……アイツは、あの二人と一緒に寝てやがったんだぞ!?
こんな事が許せるかよっ!
「アニキ。何処で仕掛ける? いつもの所か?」
「いつものは、調子に乗って居る奴に灸をすえる程度だ。今回はあの男を排除する」
「排除……って、アニキ。流石にそれはやり過ぎじゃねーのか? 殺しはちょっと……」
「バカ! 俺もそこまでは言ってねぇよ。例えば骨折くらいが良い塩梅だろ。この訓練からリタイアするし、街へ戻って教会へ金を積めば治癒魔法ですぐに治してもらえる。金を持っている奴らにはピッタリだ」
「なるほど。流石、アニキだな!」
ベストは、あの男だけを排除して女二人が残る事だ。
だが、あの男がリタイアすると女剣士の方も一緒にリタイアしそうだから、女魔法使いが無事なら良しとしよう。
「よし。滅多に使わないが、あの林トラップで行くか」
「あー、前にケンカを売って来た、バカな斧使いに仕掛けたアレか。分かったぜ」
俺たちはこの職業学校に長らく居るから、この辺りの地形は完璧に把握している。
先回りして、絶対に通る道へ罠を仕掛けるくらい余裕な訳で……出来た。
これで奴らがここを通ったら、先頭を歩く奴の片腕は終わる!
「お、来たぞっ! 隠れろっ! ……良い具合に、先頭はあの男だな」
何にも知らずに、三人組が俺たちの仕掛けた罠に足を踏み出し……踏んだっ!
狙い通りに男が仕掛けを踏み、振り子のようにロープで吊るされた丸太が飛んで行く。
「ん? 何だ? これは……丸太?」
「流石に歩くだけの訓練というのは味気ないから、ちょっとしたアトラクション風のトラップではないのか?」
「フレイアさん。今のがちょっとしたアトラクションなんですか!? アルフレッドさんも片手で止めましたけど、かなり大きな丸太でしたよ!?」
あの男、化け物か!?
かなり勢いの付いた重い丸太を……面白れぇ! 優しさを見せて、丸太にしてやったが、先を尖らせた杭とかにすべきだったな。
「あ、アニキ……あの男、ヤバいッスよ」
「まぁ待て。今のは俺も本気じゃなかった。お前の言う通り、殺す気はなかったからな。だが次は……あの竹の罠で行くぞ」
「アニキ。流石にアレはマズいんじゃ……」
「お前も今のを見ただろ? それくらいやらないとダメなんだ。行くぞっ!」
再び先回りして、今度は最悪人が死ぬレベルの罠を仕掛けた。
暫く待っていると、またあの男が先頭で……来たっ!
落ち葉が積もっているが、実はそこに深い落とし穴を掘ってある。
しかも、穴の底には沢山の竹槍を上に向けて指してあるから、落ちたが最後、串刺しになってあの世行きだっ!
「二人とも、ストップ。ここは何か変だ。何かある」
「そうなのか!? 凄いな……私には普通の道にしか見えないのだが」
「わ、私もです。アルフレッドさん、何があるんですか?」
な、何ぃぃぃっ!? あと一歩で必殺の落とし穴へ真っ逆さまという所で、急に止まりやがった!
カモフラージュは完璧だったのに、どうして分かったんだ!?
「ソフィア。何か魔法でこの落ち葉を何処かにやれるかい?」
「はい。風の魔法が使えるので……ワールウィンド! ……あぁっ! 落とし穴がありましたっ!」
「やっぱり。周囲の木に対して、落ち葉の密度がここだけ変だったからさ」
「アルフレッドさん、凄いですー!」
落ち葉の密度!? いや、何を言っているか意味が分からないんだが。
今のは絶対に気付けるはずなんて無いのに。
「あ、アニキ。やっぱり、あの男はヤバいですって」
「ま、待て! こうなったら、俺のスキルを使おう。何が来るか分からないし、ヤバいから、俺もあまり使いたくないんだが」
「アニキのスキルって、あの魔物を集める草笛ですか?」
「あぁ。あの男の近くで隠れてスキルを使う。で、魔物が集まった所で、あの女魔法使いを連れて逃げるぞ」
「あー、あの女、アニキの好みっぽいッスよね」
「うるせぇ。とにかく行くぞっ!」
再び先回りすると、魔物を集めるスキルを使用し……あれ? 来ないな。
「あ、アニキ。あいつら、行っちゃいますよ!?」
「そ、そうだな。しかし、スキルはちゃんと発動したはずなんだが……仕方ない。もう一回先回りして、またスキルを……」
「アニキ? どうかしたッス……か。……あ、アニキっ!? 魔物が来るのが遅いッス! こ、こいつらをどうにかして欲しいッス!」
「ど、どうにか出来るなら、俺だってどうにかしてぇよっ! と、とにかく逃げろっ!」
スキルは正しく発動していたが、周囲に魔物が居ない場所だからか、集まるのに時間がかかったようで……時間差で現れた魔物に、俺たちが追われる事になってしまった。
ちくしょうぉぉぉっ!
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