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第16話 三人で一緒に行動
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「フレイア。今日はそろそろ終わろうか」
「そうだな。では、先ずは汗を流してくるよ」
そう言って、フレイアが昨日作った川の中の塀へと入る。
一方で俺も川で水浴びをしながら、今晩の夕食となる川魚を……捕まえたっ!
山と言わずとも、自然の中での食材確保は自信があるからな。
素手で川魚を捕まえ、竹で作った籠の中へ沢山入れていると、
「えぃっ! とぉっ! もぉーっ! どうして、逃げるのっ!?」
ソフィアが川面を叩きながら、俺の所まで近付いて来ていた。
「ソフィア。何をしているんだ? 服がびしょ濡れだぞ?」
「え? ……あ! アルフレッドさん。美味しそうなお魚さんを見つけたんですけど、中々捕まえられなくて」
「川魚を捕まえるのなら、いろいろと方法はあるけど……素手で捕まえるなら、コツがあるんだよ」
悪戦苦闘していたソフィアに、魚の後ろから捕まえるとか、追いかけずに待つといった簡単なコツを教え、俺が川の中で魚を追い詰める役を買って出て、
「やったぁー! お魚捕まえたーっ!」
ソフィアが無事に魚を捕まえる事が出来た。
「良かったな」
「うんっ! ありがと……えっ!? あ、アルフレッドさん……その、今更ですけど、どうして下……履いてない……」
突然ソフィアが顔を赤らめ、チラチラとこちらを見てくるので、一体どうしたのかと思ったら……俺、水浴びの途中だったよ!
完全に全裸だった事を思い出し、慌てて服を着る。
「す、すみません。私がアルフレッドさんの水浴びを邪魔してしまったんですね」
「いや、俺もソフィアが近付いて来ているのに、魚を獲る事に夢中で自分の格好を失念していたよ。ごめん」
「い、いえ。は、初めて見ましたけど……な、何でもないですっ! そ、それより、晩御飯も獲れた事ですし、一緒に食べませんか?」
「そうだな。そろそろフレイアも水浴びを終えているだろうしな」
ソフィアと一緒に夕食を食べようという話をした所で、
「……アルフレッド。私は既に水浴びを終えて居るのだが」
横から少し冷たいフレイアの声が聞こえて来た。
「フレイア。遅くなってすまない。魚を捕まえていて……昨日のカマドの所へ行こうか」
「……わかった」
待たせてしまったからか、フレイアが凄く不機嫌な気がする。
うーん。こういう時はどうすれば良いのだろうか。
クララやフレイアのおかげで女性と普通に話せるようになったものの、相変わらず対女性の経験値が少なすぎて対処方法が分からない。
どうしたものかと困っていると、
「あの、フレイアさんはいつから川岸に居られたんですか?」
「ん? 二人が私に気付かず、はしゃいでいる所からだが」
「つまり、アルフレッドさんの身体を黙って凝視していた……とか?」
「――っ!? な、何を……そ、そんな訳ないじゃないかっ! わ、私はそんな、は、ハレンチな事を考えたりしない……しないんだからーっ!」
ソフィアの言葉でフレイアが俺から背を向けてしまった。
耳まで真っ赤に染まっているし……フレイアは怒りっぽいのか?
そういえば、今日の稽古の時も剣に怒りが籠っていたよな。
剣に力が籠るのは、決して悪い事ではないのだが、良い事でもないと思うんだよな。
そんな事を考えながら、カマドに到着したので、
「フレイア。悪いが昨日と同じく火を点けておいて欲しい。俺は、もう少し食材を集めてくるよ」
フレイアに火を頼み、昨日同様に足へ白虎の力を使って食材を採りに行く。
今日の昼はフルーツだけで済ませたし、ソフィアも似たような感じだったので肉や山菜を三人分集めると、大急ぎで戻って来た。
「ただいま」
「早っ!? アルフレッドさん……足、速過ぎませんか? それに、何か不思議な力を感じたんですけど」
しまったぁぁぁっ! フレイアが全く気にしていないから大丈夫なのかと思っていたけど、普通の人は白虎の力を怖がるんだった!
ソフィアが不思議そうに俺の事を見つめてくるので、どうやって誤魔化そうかと考えていると、
「確かに速いが、私だって本気を出せばアルフレッドについて行くくらいは出来るぞ」
「そ、そうなんですね。フレイアさんも凄いんですね」
「もちろんだ。それに、以前からアルフレッドとは一緒に行動しているし、私は、その……し、寝食を共にしているんだからな」
フレイアがフォローしてくれた。
……まぁ後半の言葉は関係ないような気もするが、とりあえずソフィアも納得してくれたようで、皆で食事をする事に。
「よし、出来たぞ」
「わぁっ! 凄い! 私には串焼きにしか出来ないけど、これは……お、美味しいっ! アルフレッドさん、一体どうやったらこんなに美味しいご飯が作れるんですかっ!?」
「それは、醤油っていう調味料で味付けをしていて……」
ソフィアは食べ物に興味があるのか、いろいろ質問してくるので、俺も好きな料理の説明をしながら、楽しく夕食を終える事が出来た。
そして就寝となったのだが、ソフィアも虫が苦手らしく、フレイアの毛布の中で寝る事になってしまったのだが、
「あの……どうして俺が真ん中なんだ? いろいろと問題が……」
「アルフレッドさんは変な事しなさそうですし、大丈夫ですよー。……まぁその、変な物は見ちゃいましたが……」
「……アルフレッドのばか……」
何故かフレイアが俺に背を向けて眠ってしまった。
しかも、怒っている……というか、拗ねている? 女性の心が全然分からないよ。
「そうだな。では、先ずは汗を流してくるよ」
そう言って、フレイアが昨日作った川の中の塀へと入る。
一方で俺も川で水浴びをしながら、今晩の夕食となる川魚を……捕まえたっ!
山と言わずとも、自然の中での食材確保は自信があるからな。
素手で川魚を捕まえ、竹で作った籠の中へ沢山入れていると、
「えぃっ! とぉっ! もぉーっ! どうして、逃げるのっ!?」
ソフィアが川面を叩きながら、俺の所まで近付いて来ていた。
「ソフィア。何をしているんだ? 服がびしょ濡れだぞ?」
「え? ……あ! アルフレッドさん。美味しそうなお魚さんを見つけたんですけど、中々捕まえられなくて」
「川魚を捕まえるのなら、いろいろと方法はあるけど……素手で捕まえるなら、コツがあるんだよ」
悪戦苦闘していたソフィアに、魚の後ろから捕まえるとか、追いかけずに待つといった簡単なコツを教え、俺が川の中で魚を追い詰める役を買って出て、
「やったぁー! お魚捕まえたーっ!」
ソフィアが無事に魚を捕まえる事が出来た。
「良かったな」
「うんっ! ありがと……えっ!? あ、アルフレッドさん……その、今更ですけど、どうして下……履いてない……」
突然ソフィアが顔を赤らめ、チラチラとこちらを見てくるので、一体どうしたのかと思ったら……俺、水浴びの途中だったよ!
完全に全裸だった事を思い出し、慌てて服を着る。
「す、すみません。私がアルフレッドさんの水浴びを邪魔してしまったんですね」
「いや、俺もソフィアが近付いて来ているのに、魚を獲る事に夢中で自分の格好を失念していたよ。ごめん」
「い、いえ。は、初めて見ましたけど……な、何でもないですっ! そ、それより、晩御飯も獲れた事ですし、一緒に食べませんか?」
「そうだな。そろそろフレイアも水浴びを終えているだろうしな」
ソフィアと一緒に夕食を食べようという話をした所で、
「……アルフレッド。私は既に水浴びを終えて居るのだが」
横から少し冷たいフレイアの声が聞こえて来た。
「フレイア。遅くなってすまない。魚を捕まえていて……昨日のカマドの所へ行こうか」
「……わかった」
待たせてしまったからか、フレイアが凄く不機嫌な気がする。
うーん。こういう時はどうすれば良いのだろうか。
クララやフレイアのおかげで女性と普通に話せるようになったものの、相変わらず対女性の経験値が少なすぎて対処方法が分からない。
どうしたものかと困っていると、
「あの、フレイアさんはいつから川岸に居られたんですか?」
「ん? 二人が私に気付かず、はしゃいでいる所からだが」
「つまり、アルフレッドさんの身体を黙って凝視していた……とか?」
「――っ!? な、何を……そ、そんな訳ないじゃないかっ! わ、私はそんな、は、ハレンチな事を考えたりしない……しないんだからーっ!」
ソフィアの言葉でフレイアが俺から背を向けてしまった。
耳まで真っ赤に染まっているし……フレイアは怒りっぽいのか?
そういえば、今日の稽古の時も剣に怒りが籠っていたよな。
剣に力が籠るのは、決して悪い事ではないのだが、良い事でもないと思うんだよな。
そんな事を考えながら、カマドに到着したので、
「フレイア。悪いが昨日と同じく火を点けておいて欲しい。俺は、もう少し食材を集めてくるよ」
フレイアに火を頼み、昨日同様に足へ白虎の力を使って食材を採りに行く。
今日の昼はフルーツだけで済ませたし、ソフィアも似たような感じだったので肉や山菜を三人分集めると、大急ぎで戻って来た。
「ただいま」
「早っ!? アルフレッドさん……足、速過ぎませんか? それに、何か不思議な力を感じたんですけど」
しまったぁぁぁっ! フレイアが全く気にしていないから大丈夫なのかと思っていたけど、普通の人は白虎の力を怖がるんだった!
ソフィアが不思議そうに俺の事を見つめてくるので、どうやって誤魔化そうかと考えていると、
「確かに速いが、私だって本気を出せばアルフレッドについて行くくらいは出来るぞ」
「そ、そうなんですね。フレイアさんも凄いんですね」
「もちろんだ。それに、以前からアルフレッドとは一緒に行動しているし、私は、その……し、寝食を共にしているんだからな」
フレイアがフォローしてくれた。
……まぁ後半の言葉は関係ないような気もするが、とりあえずソフィアも納得してくれたようで、皆で食事をする事に。
「よし、出来たぞ」
「わぁっ! 凄い! 私には串焼きにしか出来ないけど、これは……お、美味しいっ! アルフレッドさん、一体どうやったらこんなに美味しいご飯が作れるんですかっ!?」
「それは、醤油っていう調味料で味付けをしていて……」
ソフィアは食べ物に興味があるのか、いろいろ質問してくるので、俺も好きな料理の説明をしながら、楽しく夕食を終える事が出来た。
そして就寝となったのだが、ソフィアも虫が苦手らしく、フレイアの毛布の中で寝る事になってしまったのだが、
「あの……どうして俺が真ん中なんだ? いろいろと問題が……」
「アルフレッドさんは変な事しなさそうですし、大丈夫ですよー。……まぁその、変な物は見ちゃいましたが……」
「……アルフレッドのばか……」
何故かフレイアが俺に背を向けて眠ってしまった。
しかも、怒っている……というか、拗ねている? 女性の心が全然分からないよ。
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