神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

文字の大きさ
上 下
89 / 90
第2章 ゴミスキルと魔導少女たち

第83話 強敵との後のバトル

しおりを挟む
「えっと、状況から察するに、カーティスさんとジェームズさんとでマリーさんを巡っての、三角関係という事ですか!? きゃーっ! いいなぁ! 私も、そんな状況になってみたいですー!」
「レナ。お願いだから、私とアイツをそんな感じに見ないで。というか、三角関係とかじゃないから。既に私とカーティスがくっついているから、その言葉は適さないわ」
「待って、マリー。誰と誰がくっついているのかしら?」

 僕とジェームズ、そしてマリーとジェームズの間の空気は冷え切っているんだけど、どういう訳か周囲が……というか、事情を知らないレナさんが一人で盛り上がっている。
 ……若干シャルロットも混ざっているが、それはさておき、兄としてジェームズにしっかり引導を渡しておかないといけないようだ。

「ジェームズ。どうして、僕たちがこの街に居ると分かったんだ?」
「さぁな。それをお前に教える必要など無い! それに、今日お前からマリーを取り戻す! だから、もうお前に会う事も無いだろう!」

 そう言って、ジェームズが魔法を使おうとしたところで、

「待ちなさい! アンタ、勝手に色々勘違いにているけど、私は私の意思でカーティスと行動を共にしているのよ」
「あぁ、可哀想なマリー。そいつに弱みを……姉を人質に取られて、そう言わざるを得ないんだね」
「アンタ……はぁ。わかったわ。そこで、よーく見ていなさい」

 マリーの言葉でジェームズが動きを止める。
 かと思ったら、マリーが僕のところへやって来て、

「んっ……ふふっ。やっぱり、寝ている時よりも起きている時よね」
「ちょっ……マリー!? いきなり何を!?」
「あぁぁぁっ! 貴様……俺のマリーに何て事をぉぉぉっ!」

 いきなりキスされてしまった。
 というか、寝ている時より……って、どういう意味っ!?

「別に良いじゃない。減るものでもないし」
「いや、確かに減るものではないけどさ」
「それに、初めてって訳でもないでしょ。今朝もしたし」
「今朝……?」
「あ、昨日。昨日の間違いよ。ほら、闇魔法を解除する為にね」

 確かにベルナルド伯爵の息子さんに魔法を掛けられ、それの勘違いでキスされたけど……って、マリーが今朝って言った瞬間に、シャルロットたちが同時に目を逸らしたのは、何故!?
 偶然? 偶然だよね!?

「おぃぃぃっ! 今すぐマリーから離れろっ!」
「それより、マリー。僕に近過ぎて、色々当たっているんだけど」
「あら、何が当たっているのかしら? 教えてくれる? というか、当てているんだけどね」

 僕にキスしてきたマリーが、離れずに上目遣いで僕を見つめ続け、それを見ていたクリスも抱きついてきた。

「ズルいっ! マリーだけでなく、クリスさんまでっ! でしたら、私もっ!」
「これは、私も便乗して良い感じですよね? ほらほら、カーティスさん。大好きな脚ですよー!」
「俺を無視するなぁぁぁっ!」

 シャルロットとレナさんが、くっついて来た所で、ジェームズが叫びだす。
 いや、無視するつもりでは無かったんだけど、それどころでは無い状態になってしまってさ。

「貴様……先程、闇魔法とか言って居たが、マリーを含む、そこの美少女四人に魅了魔法を掛けたのかっ!」
「お兄ちゃん。クリスの事、美少女だって。ねぇ、お兄ちゃんの口からも言ってよー」
「クリス。アイツの言葉なんて聞かない方が良いわよ。耳が腐るから」

 相変わらず、マリーは容赦ないなと思っていると、

「貴様を殺して、マリーを魅了状態から解放するっ! ……フレイム・ランス!」

 ジェームズが炎の魔法を放つ。
 だが、木造の古い家ばかりの場所で、なんて魔法を使うんだよっ!
 マリーたちとのやり取りの中で、こっそり準備していた氷の魔銃を構えると、ジェームズが持つ銀の杖の先端を狙い……撃つ!

「なっ!? 俺の魔法を……」
「マリー! ジェームズを無力化出来る?」
「あんなのでも、貴方の弟なのよね。少しだけ加減しておくわ。……アース・ホール」

 驚くジェームズの足元にぽっかりと大きな穴が開き……ベルナルド伯爵とは違って、あっさり落下していった。
 ……加減するって言った割には、結構穴が深い気がするけど、まぁいいか。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

ダンジョンで同棲生活始めました ひと回り年下の彼女と優雅に大豪邸でイチャイチャしてたら、勇者だの魔王だのと五月蝿い奴らが邪魔するんです

もぐすけ
ファンタジー
勇者に嵌められ、社会的に抹殺されてしまった元大魔法使いのライルは、普通には暮らしていけなくなり、ダンジョンのセーフティゾーンでホームレス生活を続けていた。 ある日、冒険者に襲われた少女ルシアがセーフティゾーンに逃げ込んできた。ライルは少女に頼まれ、冒険者を撃退したのだが、少女もダンジョン外で貧困生活を送っていたため、そのままセーフティゾーンで暮らすと言い出した。 ライルとルシアの奇妙な共同生活が始まった。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...