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第2章 ゴミスキルと魔導少女たち
第83話 強敵との後のバトル
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「えっと、状況から察するに、カーティスさんとジェームズさんとでマリーさんを巡っての、三角関係という事ですか!? きゃーっ! いいなぁ! 私も、そんな状況になってみたいですー!」
「レナ。お願いだから、私とアイツをそんな感じに見ないで。というか、三角関係とかじゃないから。既に私とカーティスがくっついているから、その言葉は適さないわ」
「待って、マリー。誰と誰がくっついているのかしら?」
僕とジェームズ、そしてマリーとジェームズの間の空気は冷え切っているんだけど、どういう訳か周囲が……というか、事情を知らないレナさんが一人で盛り上がっている。
……若干シャルロットも混ざっているが、それはさておき、兄としてジェームズにしっかり引導を渡しておかないといけないようだ。
「ジェームズ。どうして、僕たちがこの街に居ると分かったんだ?」
「さぁな。それをお前に教える必要など無い! それに、今日お前からマリーを取り戻す! だから、もうお前に会う事も無いだろう!」
そう言って、ジェームズが魔法を使おうとしたところで、
「待ちなさい! アンタ、勝手に色々勘違いにているけど、私は私の意思でカーティスと行動を共にしているのよ」
「あぁ、可哀想なマリー。そいつに弱みを……姉を人質に取られて、そう言わざるを得ないんだね」
「アンタ……はぁ。わかったわ。そこで、よーく見ていなさい」
マリーの言葉でジェームズが動きを止める。
かと思ったら、マリーが僕のところへやって来て、
「んっ……ふふっ。やっぱり、寝ている時よりも起きている時よね」
「ちょっ……マリー!? いきなり何を!?」
「あぁぁぁっ! 貴様……俺のマリーに何て事をぉぉぉっ!」
いきなりキスされてしまった。
というか、寝ている時より……って、どういう意味っ!?
「別に良いじゃない。減るものでもないし」
「いや、確かに減るものではないけどさ」
「それに、初めてって訳でもないでしょ。今朝もしたし」
「今朝……?」
「あ、昨日。昨日の間違いよ。ほら、闇魔法を解除する為にね」
確かにベルナルド伯爵の息子さんに魔法を掛けられ、それの勘違いでキスされたけど……って、マリーが今朝って言った瞬間に、シャルロットたちが同時に目を逸らしたのは、何故!?
偶然? 偶然だよね!?
「おぃぃぃっ! 今すぐマリーから離れろっ!」
「それより、マリー。僕に近過ぎて、色々当たっているんだけど」
「あら、何が当たっているのかしら? 教えてくれる? というか、当てているんだけどね」
僕にキスしてきたマリーが、離れずに上目遣いで僕を見つめ続け、それを見ていたクリスも抱きついてきた。
「ズルいっ! マリーだけでなく、クリスさんまでっ! でしたら、私もっ!」
「これは、私も便乗して良い感じですよね? ほらほら、カーティスさん。大好きな脚ですよー!」
「俺を無視するなぁぁぁっ!」
シャルロットとレナさんが、くっついて来た所で、ジェームズが叫びだす。
いや、無視するつもりでは無かったんだけど、それどころでは無い状態になってしまってさ。
「貴様……先程、闇魔法とか言って居たが、マリーを含む、そこの美少女四人に魅了魔法を掛けたのかっ!」
「お兄ちゃん。クリスの事、美少女だって。ねぇ、お兄ちゃんの口からも言ってよー」
「クリス。アイツの言葉なんて聞かない方が良いわよ。耳が腐るから」
相変わらず、マリーは容赦ないなと思っていると、
「貴様を殺して、マリーを魅了状態から解放するっ! ……フレイム・ランス!」
ジェームズが炎の魔法を放つ。
だが、木造の古い家ばかりの場所で、なんて魔法を使うんだよっ!
マリーたちとのやり取りの中で、こっそり準備していた氷の魔銃を構えると、ジェームズが持つ銀の杖の先端を狙い……撃つ!
「なっ!? 俺の魔法を……」
「マリー! ジェームズを無力化出来る?」
「あんなのでも、貴方の弟なのよね。少しだけ加減しておくわ。……アース・ホール」
驚くジェームズの足元にぽっかりと大きな穴が開き……ベルナルド伯爵とは違って、あっさり落下していった。
……加減するって言った割には、結構穴が深い気がするけど、まぁいいか。
「レナ。お願いだから、私とアイツをそんな感じに見ないで。というか、三角関係とかじゃないから。既に私とカーティスがくっついているから、その言葉は適さないわ」
「待って、マリー。誰と誰がくっついているのかしら?」
僕とジェームズ、そしてマリーとジェームズの間の空気は冷え切っているんだけど、どういう訳か周囲が……というか、事情を知らないレナさんが一人で盛り上がっている。
……若干シャルロットも混ざっているが、それはさておき、兄としてジェームズにしっかり引導を渡しておかないといけないようだ。
「ジェームズ。どうして、僕たちがこの街に居ると分かったんだ?」
「さぁな。それをお前に教える必要など無い! それに、今日お前からマリーを取り戻す! だから、もうお前に会う事も無いだろう!」
そう言って、ジェームズが魔法を使おうとしたところで、
「待ちなさい! アンタ、勝手に色々勘違いにているけど、私は私の意思でカーティスと行動を共にしているのよ」
「あぁ、可哀想なマリー。そいつに弱みを……姉を人質に取られて、そう言わざるを得ないんだね」
「アンタ……はぁ。わかったわ。そこで、よーく見ていなさい」
マリーの言葉でジェームズが動きを止める。
かと思ったら、マリーが僕のところへやって来て、
「んっ……ふふっ。やっぱり、寝ている時よりも起きている時よね」
「ちょっ……マリー!? いきなり何を!?」
「あぁぁぁっ! 貴様……俺のマリーに何て事をぉぉぉっ!」
いきなりキスされてしまった。
というか、寝ている時より……って、どういう意味っ!?
「別に良いじゃない。減るものでもないし」
「いや、確かに減るものではないけどさ」
「それに、初めてって訳でもないでしょ。今朝もしたし」
「今朝……?」
「あ、昨日。昨日の間違いよ。ほら、闇魔法を解除する為にね」
確かにベルナルド伯爵の息子さんに魔法を掛けられ、それの勘違いでキスされたけど……って、マリーが今朝って言った瞬間に、シャルロットたちが同時に目を逸らしたのは、何故!?
偶然? 偶然だよね!?
「おぃぃぃっ! 今すぐマリーから離れろっ!」
「それより、マリー。僕に近過ぎて、色々当たっているんだけど」
「あら、何が当たっているのかしら? 教えてくれる? というか、当てているんだけどね」
僕にキスしてきたマリーが、離れずに上目遣いで僕を見つめ続け、それを見ていたクリスも抱きついてきた。
「ズルいっ! マリーだけでなく、クリスさんまでっ! でしたら、私もっ!」
「これは、私も便乗して良い感じですよね? ほらほら、カーティスさん。大好きな脚ですよー!」
「俺を無視するなぁぁぁっ!」
シャルロットとレナさんが、くっついて来た所で、ジェームズが叫びだす。
いや、無視するつもりでは無かったんだけど、それどころでは無い状態になってしまってさ。
「貴様……先程、闇魔法とか言って居たが、マリーを含む、そこの美少女四人に魅了魔法を掛けたのかっ!」
「お兄ちゃん。クリスの事、美少女だって。ねぇ、お兄ちゃんの口からも言ってよー」
「クリス。アイツの言葉なんて聞かない方が良いわよ。耳が腐るから」
相変わらず、マリーは容赦ないなと思っていると、
「貴様を殺して、マリーを魅了状態から解放するっ! ……フレイム・ランス!」
ジェームズが炎の魔法を放つ。
だが、木造の古い家ばかりの場所で、なんて魔法を使うんだよっ!
マリーたちとのやり取りの中で、こっそり準備していた氷の魔銃を構えると、ジェームズが持つ銀の杖の先端を狙い……撃つ!
「なっ!? 俺の魔法を……」
「マリー! ジェームズを無力化出来る?」
「あんなのでも、貴方の弟なのよね。少しだけ加減しておくわ。……アース・ホール」
驚くジェームズの足元にぽっかりと大きな穴が開き……ベルナルド伯爵とは違って、あっさり落下していった。
……加減するって言った割には、結構穴が深い気がするけど、まぁいいか。
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